PrizmaX島田翼

PrizmaX島田翼

【PrizmaX 島田翼 インタビュー】
僕が持ってるものとPrizmaXが
持ってるものがバシッと合わせられた

PrizmaXが4カ月連続で各メンバーがプロデュースした楽曲を配信リリース。その第二弾「rewind」を手掛けたのはダンサーの島田翼。DJとしての活動もしている彼の多彩な知識ならではの遊び心があふれた同曲について語ってもらった。

今回のメンバープロデュース曲は、いつ頃から話があったのですか?

6月のツアー『PrizmaX Hall Tour Level 7 〜FUSION〜』のちょっと前ですかね。いろいろ立て込んでいた時期だったんで“おぉ、次はそうなんだ”ってさらっとした感じだったんですけど。でも、ずっとやりたかったことだったので個人的にはラッキーでした。

ということは、6月16日の市川市文化会館公演で発表した時点ではまだ手を付けてなかった?

いや、実は僕は前々から曲を作ってたんですよ。とりあえずこの1曲だけだったんですけど、何かのタイミングでPrizmaXとして出して聴いてほしいなってぐらいでデモを作ってて。

ちょうど作っていた曲がはまったということですね。

はい。その時からPrizmaXでやるということは考えていたから、J-POPにしなきゃっていう意識はあったし。でも、ご存知の通り僕はちょっと変態なんで…音楽的なことに関しては(笑)。だから、玄人に届く遊び心みたいなのも入れたかったんですよね。そういうのも込めて、ちょっと前に流行ったUKガラージっていうサウンドを今風に解釈してやってみました。

今回の「rewind」は翼さんのルーツの中でも一番分かりやすいところなのかなと。

そうですね。ちゃんとウィンくんのヴォーカル用に仕上げました。ウィンくんが上手く飲み込んでくれながらやってくれたので良かったです。

PrizmaXだからできる洋楽っぽさもありますね。

ロンドンのイメージなんですよね。USのイケイケなやつよりも、もうちょっと洗礼された感じというか。UKのほうでちょっと前に流行ってたサウンドをモチーフにしましたし。イントロが街の空間のアンビエンスから始まったりするのも、そういう遊び心です。

タイトルの“rewind”は“巻き戻し”という意味ですが。

そういうのもUKガラージのほうのサウンドをルーツにしているところがあって…ちょっとマニア話に入るんですけど(笑)。もともとUKのダブとかレグとかやってる人たちの遊び方で、“rewind~♪”って言って同じレコードをもう1回かけるというのがあるんです。超いい曲で盛り上がったら、同じ曲をもう1回かけてさらにアガる!みたいなカルチャーがあって。でも、歌詞のイメージとしてはいろいろ物事が行き詰まったり、ちょっと生き急いでるなって感じて、孤独になった時に気持ちを巻き戻して、“まぁ、ゆっくりしようよ”って言い聞かせるみたいな感じなんですけど。歌詞は英詞にしたかったっていうのもあって、同じスターダストの高杉 碧さんという方にこのイメージを伝えてお願いしました。

ラップの部分は大樹さんが書いているのですか?

そうです。同じような内容を伝えました。“都会の孤独”について書きたかったんですよね。主人公は生まれも育ちも大都会。で、何不自由ない生活をしてるけど、ふとした時に何か孤独な気持ちになる。人がいっぱいいるし、人はそれを孤独とは呼ばないのかもしれないけど、そこにずっといる人たちの中での孤独ってあるんだろうなと思って。僕は横浜出身ですけど、渋谷とかに行くと思いますもん。すごい賑やかなんだけど、その中にいる自分って何なんだろう?って。後半のフロウがすごい好きなんですけど、ラップを乗せにくかったみたいで書くのはすごい苦戦してて。僕が伝えたイメージが抽象的だったから。しかも、その時のスケジュールがタイトで、レコーディングでウィンくんが歌を録ってる間に書いてるくらい時間もなかったんです。ブースに入るギリギリに歌詞が出来上がった感じで。でも、2回通してレコーディングして“オーケー、最高!”っていう感じだったんですごい!って思いました。

トラックはどういうイメージがありましたか?

まずはダンスが入るっていうところですよね。みんなが翼の作る曲だったら踊りたいって言うので。だから、“ダンスが入る=ライヴで輝く曲”にしたいっていうか。音源版は頭にアンビエンスがあってとか、音源は音源としてちゃんと完成させるっていうのがありました。

歌が乗っていないトラックだけでも楽しめそうですね。

そうなんです! インストも出したいな〜。

ライヴではDJスタイルとかでもできそうですし。

DJでも全然かけられますね。僕が持ってるものとPrizmaXが持ってるものがバシッと合わせられたんで、とても満足です。

最近はPrizmaXのワンマンでもDJをやっていますよね。

そうですね。あんなホールとか人前でDJやることなんてなかなかないんで、最初はどうしようって思いましたけど(笑)。僕は本当に超低空飛行なハウスをかけてじわじわフロアーを温めるみたいなのが個人的には好きだから。

今回はそれとは違った、盛り上がりに意識を向けたもの?

そこは結構意識してますね。ただEDMには絶対したくなかったんですよ。それはもう僕の好みの問題なんですけど。今流行りのものをやっても面白くないし、それを僕がやったら野暮な気がするし、“翼、嘘ついてんだろ”って思われるから。だから、ここぞとばかりに振り切って、もはや4つ打ちでもハウスでもない、UKガラージっていう誰もまだやってないところを。例えばファンク、ニュージャックスイングっぽい音楽のリバイバルが来てるけど、まだ2000年代初期までは帰ってきてないから、それをいち早くやりたかったんです。2年後に絶対このサウンドが流行るって宣言します。いろんな音楽を聴くがゆえに、流行の先を考えるのが好きで。

いろいろなジャンル、楽曲のルーツをちゃんと理解して分析している翼さんだからこそできることなんじゃないですか?

そうかもしれないですね。どんどん深く掘り下げていっちゃうタイプだから、いくところまでいって。だから、いろんな音楽を聴いてる人には「rewind」も届くと思うんですよ。今はPrizmaXを知らなくても、音楽が好きな人は食い付いてくれると信じています。

なるほど。ちなみに4人それぞれ楽曲をプロデュースしていますが、個々の状況はお互いに共有してるのですか?

それが全然違うんですよ。有希が“踊るの楽しみ”って言ってたので、僕の曲は1回デモの段階で歌を入れる前に聴いてもらったことがあって。でも、先に配信された大樹の「Candy」を聴いたのは大樹の歌が入ってからだし、次の有希とウィンの曲なんか全然聴いてもいないし、どういう曲をやるのかも知らないし。みんな黙ってコツコツやるタイプなんですよね。

翼さんは?

僕はもう、すぐにベラベラ言いたいタイプ。褒められたいんで(笑)。

(笑)。好きなように楽曲を作れるって、DJをやってると余計に楽しいんじゃないですか?

すごい楽しかったです。早く次の曲やりたいですもん、プロデュース。次もこういうのがやりたいっていうのがあるんですよ。

もっと曲を作ってみたいってところで、今後挑戦したいことは?

昭和歌謡がやりたい。PrizmaXで!

おぉ(笑)。

PrizmaXの曲を竹内まりやさんに書いてほしいんですよ。ウィンが歌って僕らが踊るっていうのが絶対はまると思う。やってもらえなかったら僕がそういうのをやる(笑)。竹内まりやさんとかにインスピレーションを受けた歌ものをやりたい!

なるほど。では、最後に改めて「rewind」はどういう曲になりましたか?

PrizmaXのことを前から知ってくれてる人はもちろん、知らない人にも届いたら嬉しいですね。それこそラジオとかで聴いてPrizmaXを知ってくれたりとか、そういうきっかけの一曲になってくれたらいいなって思います。いろんな人に聴いてもらえるような仕掛けもいろいろ作ったつもりなんですよ。疾走感もあるし気持ち良いし、日々のプレイリストの仲間に入れてやってくれたら嬉しいなって思いますね。

取材:高良美咲

配信シングル「rewind」2018年10月3日より配信中 SDR

『PrizmaX Nonstop』

12/15(土) 東京・AiiA 2.5 Theater Tokyo ※2部編成
12/23(日) 東京・原宿クエストホール ※2部編成
12/29(土) 大阪・梅田クラブクアトロ ※2部編成

PRIZMAX プロフィール

プリズマックス:2002年結成。10年からスターダストプロモーションの男性タレント集団EBiDAN(恵比寿学園男子部)に参加。13年3月に結成10周年を迎え、ダンス&ヴォーカルユニットとして「Mysterious Eyes/GO!」でCDデビューを果たした。R&B、ヒップホップ、ファンクなどの要素を取り入れた音楽性から、国内外問わず多数のフェスから声が掛かるなど、活動の幅を広げている。19年、新メンバーを迎えて7人体制になったと同時に、グループ名を全て大文字表記の“PRIZMAX”に改名。新体制初の作品となるアルバム『FRNKSTN』を同年4月にリリース。PRIZMAX オフィシャルHP

PrizmaX島田翼
配信シングル「rewind」

「rewind」LYRIC VIDEO

OKMusic編集部

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