L→R 兆志(Gu)、謙二(Ba)、悠(Vo)、秋気(Dr)

L→R 兆志(Gu)、謙二(Ba)、悠(Vo)、秋気(Dr)

【I Don't Like Mondays.
インタビュー】
大人っぽさや都会っぽさを意識した

バンドにこだわりを持ちながら、バンドの枠にとらわれない。そんな彼らのオリジナルなスタイルがさらに進化(深化)した配信EP『A GIRL IN THE CITY』。グラミー受賞エンジニアのRandy Merrillがマスタリングを手掛けた世界基準のサウンドがここに!

EP『SUMMER』から約1年振りのEPリリースですが、今作はどのような姿勢で制作に臨まれましたか?

『SUMMER』を出してからは、長い間曲作りをやっていまして。今まではアルバムに向けて曲作りすることが多かったんですけど、今回は曲をたくさん作って、その中から出すものを選びました。まずリード曲を「ONE THING feat. SALU」に決めて、そこから新しいI Don't Like Mondays.(以下IDLMs.)のエッセンスを感じられる曲、ライヴで生きる曲をチョイスしていって。メンバーがほぼ30代になったので、自分たちが考えるこの年代のサウンド…大人っぽさや都会っぽさを意識したパッケージになったと思います。
謙二
僕個人としては、タイトル曲の「A GIRL IN THE CITY」が今の自分たちを一番体現できている気がします。
確かにそうだね。一番最後に作ったというのもあるし、新境地に来たかなっていうのはありますね。自分たちがこの年代で聴いて恥ずかしくない曲を作りたいという気持ちがすごく強かったんです、今回。

悠さんがおっしゃった“都会っぽさ”や洗練のされ方、内側から滲み出る大人の雰囲気はトータルで感じました。

謙二
例えば「LEMONADE」はアルバム『TOKYO』(2015年7月発表)の頃に作ってアレンジしてたらもっとガチャガチャした曲になったと思うんですけど、良い意味で引き算ができたかなと思いますし、30代になったIDLMs.のサウンドを体現できているのかなと。
兆志
「LEMONADE」がここまで明るくできたのは、「ONE THING feat. SALU」が先にあったおかげもあります。「ONE THING feat. SALU」があるから、「LEMONADE」では結構派手なギターソロを入れて華やかさも表現できて。“IDLMs.としてはこういうギターソロはどうなのかな?”と思いつつ、“まぁ、いいっか”って(笑)。やってみたら意外に良かったですね。
謙二
この曲に関しては歌詞が日本語中心で。悠からパッと日本語詞が出てきたのも、自分たちの成長の表れかな、と。
それはトラックが成長できたからこそで。昔だったらサビをずっと日本語で歌うのは僕らっぽくないんじゃないかとかあったし。でも、今回はメンバーから“いいね!”と言われたので。

トラック、音作りへのこだわりも成長が伴う変化があった?

秋気
そうですね。デビュー当時の僕らは“音源は音源。ライヴはライヴ”と切り離して考えていて、音源をライヴでやる時にはライヴに合わせて一番良い方法を考えてライヴしてたんですけど。そういう経験をしてくると、そのライヴアレンジするスキルが音源作りに活きてくる。CDに入っているいろんな楽器の役割をできるだけ自分たちの楽器だけでやろうとすると、それだけ凝ったことというか、本当に重要なことをやらなくちゃならないので、そういうスキルが結果的に音源に反映できるようになってきたかなって思います。なので、今回のEPの曲をライヴでやるに当たっても、そのクオリティーを保てたままやれるようになったんじゃないかと思っています。
謙二
今回はライヴで活きる、使える曲ができるだけ欲しいよねっていう話もしていて。「ONE THING feat. SALU」はフィーチャリングをしてみたかったので、それはそれで別軸と考えていたんですけど、他の3曲は“ライヴでこういうの差し込みたいよね”という僕らの願望を叶えるために作ったというのもありますね。ライヴでより良い波を作るために必要な曲というか。
野球で言うと4番バッターみたいなのばかり作っていたので、4番までつなげるためのポジションが必要かなって。ライヴのクオリティーも上げる曲作りを…結果的にですけど。でも、アレンジのスキルは圧倒的にアップしたかなと思います。
秋気
「SO BAD」なんかはサビメロが今までの僕らの曲に比べて結構隙間が多くて。あまり音を詰め込みすぎないように空けてたんですけど、ちょっと空きすぎてる感じがあったので、そこに特徴的なシンセを入れることで今の完成形になったんです。それも今までみたいに歌だけで100パーセント完成形ができていたらできないアレンジだったかなと。「A GIRL IN THE CITY」ももともと違うアレンジで曲調も全然違ってたし…
兆志
アレンジにアレンジを重ねて…みたいなの多かった。
「A GIRL IN THE CITY」は実はお蔵入りしそうだった(笑)。それがまさかのすげぇいい曲になって。
兆志
この曲はメロディーが単調なので、ちょっと変わったコード進行にして。最初は“ちょっと暗いね”っていう話が出て明るくしたバージョンも作ってみたんですけど、今度は“あまりにも普通だ”と思ったんで、キーを半音上げて今の進行になったんです。謙二が好きそうなコード進行だなって(笑)。でも、これも以前だったらやらなかったコード進行ですね。

ちょっとビタースイートな雰囲気がありますね。

謙二
うん、そうですね。

リズムも立ってるからきれいなだけの曲じゃないし。

最初、ドラムはずっと打ち込みで作ってたんですよ。でも、生で録り直したほうがいいんじゃないかってことで。
秋気
打ち込みの良さもあるんですけど、僕の中でやっぱり打ち込みのほうが飽きやすいなってちょっと感じたことがあって。で、まずどっちがいいか半々くらいで試してみたんですけど、結果は何回も聴けるのは生かなって。完成されすぎてないもののほうが何回も聴ける気がしますね、やっぱり。
謙二
アップデートするために必要なアレンジとかは、今までやってきたことと別のことをやっていきたいというのはあって。その中で、このセクションだったらそれを落とし込めるっていう新しい挑戦はそれぞれやっている気がします。
昔より仕事を意識していないというか。楽しみながら遊びながら。そのほうが歌っていても楽しいんですよね。そういう大人の楽しみ方ができるようになってきたなと思います。それが楽曲の色気や艶にもつながっているんじゃないかなと。

新しい挑戦というところでは、秋気さんが今回「Freaky boy (SHUKI Remix)」のリミックスを手掛けていらして。曲の成り立ち、完成までの経緯を知っているバンドのメンバーがリミックスをするに当たって、どういう点を心掛けましたか?

秋気
一番心掛けたのは、なるべく原曲と違うものにということですね。歌メロを自分たちで作っているからこそ、歌メロの一番良い活かし方を考えつつ、でもオリジナルとは全然違う活かし方であるというところは大事にしました。だから、あんまり変なことをしないというのは最初に決めていました。僕らの音楽を好きな方の中にはあまりこういう音楽を聴かない人もいると思うので、あくまでそういう人たちも聴きやすいものに。あと、これまでいろんな人にリミックスをお願いしているんですけど、それを聴いて“僕だったらこういうふうにするかも”って考えていたようなことも試みています。

そして、2度目の全国ツアーなのですが。

今回のEPが視覚化できるライヴで、大人も楽しめる、そしてティーンエイジャーはちょっと背伸びして来てもらえるような。プラス、自分たちが“行きたいな“と思うようなライヴを心掛けて作りました。

取材:竹内美保

配信EP『A GIRL IN THE CITY』2018年9月8日より配信中 Faith
    • ¥1,350(税込)

『I Don’t Like Mondays. 2018 A/W TOUR "A GIRL IN THE CITY"』

10/08(月) 東京・品川ステラボール
10/19(金) 宮城・仙台darwin
11/03(土) 神奈川・横浜ランドマークホール
11/11(日) 愛知・名古屋E.L.L.
11/18(日) 栃木・ HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
12/01(土) 福岡・スカラエスパシオ
12/16(日) 北海道・札幌DUCE
※終了分は割愛
※9/30(日)大阪公演は台風の影響により延期(後日詳細発表)

I Don't Like Mondays. プロフィール

アイ・ドント・ライク・マンデイズ:2012年、表参道で結成。通称“IDLMs.”(アイドラ)。14年にミニアルバム『PLAY』でデビュー。とことんポップでキャッチーなメロディーをベースに、ロック、EDM・ファンク・ディスコミュージック、80’sをミックスさせたIDLMs.の音楽を生み出し、「Super Special」は桑田佳祐の『2015年 邦楽ベストシングル20』に選ばれるなど、そのセンスと実力の評価は高い。19年8月に約3年振り4枚目のフルアルバム『FUTURE』をリリース。I Don't Like Mondays. オフィシャルHP

L→R 兆志(Gu)、謙二(Ba)、悠(Vo)、秋気(Dr)
配信EP『A GIRL IN THE CITY』

「ONE THING feat. SALU」MV

「LEMONADE」MV

OKMusic編集部

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