【速レポ】<ハウステンボス緊急大作
戦。>SHANK、「この町の歌を歌いま
す」

サンボマスターの出番が終わり、涼しい風が吹き始めた頃、ステージに現れたのが長崎をホームとするバンドSHANKだ。……と言っても、実はまだ本番前のサウンドチェック。それにも関わらず、9月にリリースしたばかりの4thミニアルバム『WANDERSOUL』から「Phantom」「Midsummer's Wave」を演奏し、集まったファンを大いに喜ばせる。
そんな観客たちに庵原将平(Vo/Ba)は「しばしご歓談ください」とユーモラスに語りかけ、一旦ステージの袖へ姿を消すと、これから始まるべく怒涛の本番タイムへの期待が大きな拍手となって表れた。
それから数分後、軽快なSEがPAスピーカーから鳴り響くと庵原をはじめ、松崎兵太(Gt/Cho)と池本雄季(Dr/Cho)の3人が客席に深く頭を下げて各自のポジションでスタンバイ。ステージ前方にそびえ立つ白石岳にこだまするかのように、庵原が「Surface」を歌いあげる。次の瞬間、タイトなグルーヴで「Good Night Darling」へと突入し、続く「Life is...」では観客が一斉にステップを踏み始め、3ピースバンドのカッコよさをこれでもかというほど見せつけた。

「いい天気でよかったっすね!」という庵原のMCをきっかけに始まった「Weather is Beautiful」を終えると、「オレらが長崎のSHANKです。よろしく。新曲やっていいですか!?」と、最新作に収録されている「Smash The Babylon」を披露。ここから、「620」「Hope」「Take Me Back」と息をつく間も与えずに、キレ味抜群のビートで満員の観客を躍らせる。
「初めて観る方も若干お気づきかと思いますが、SHANKって、曲がすごく短いんです。なので50分も渡されると、曲が20曲近くにもなるわけです。自分たちでもどうかなって思うんですが、仕方ないので、休憩に1曲、バラードを歌います」

そう語った庵原が歌い始めたのは、なんと「Departure」だ。そして、リバーブのかかったギター・ソロがきらめいたミッドテンポの「Wall Ride」、まるでその反作用のように、ドラムが叩き出すハイテンポな「TOP WATER」で一気に駆け抜けていく。
「今年6月に<BLAZE UP NAGASAKI 2018 in HUIS TEN BOSCH>をやって、今回もここに来て実行委員の人と酒飲んで話したんですけど、“何とかなるやろ”ではなく、“何とかしてやろう”っていうパンクロックな大人ばかりで、大好きです。オレらもパンクロックを見習って、イベントを続けていけるように頑張るんで、力を貸してください。よろしくお願いします」

MCで庵原がこう語ったように、彼らは長崎在住のバンドとして、地元の音楽シーンや長崎の活性化を目指した企画<BLAZE UP NAGASAKI>の開催や、平成28年熊本地震の復興を目的に、昨年の1月には<がんばろう!九州 HUIS TEN BOSCH New Year Special Live 2017>を行うなど、人一倍、地元と音楽を愛している。そんな彼らが「この町の歌を歌います」と奏でた「Knockin'on the door」は、それまで踊りまくっていた観客たちの多くが、しっかりとその歌に聴き入っていた。
「Love and Hate」「Honesty」の2曲が終わったところで、庵原は最後に観客にメッセージを送る。「<緊急大作戦。>ということで、僕らは被災地に行って泥を掻き出したわけでもなく、何もしていないですけど、このイベントが、いい形で貢献できたらと思います。本当にありがとうございました。またライブハウスでお会いしましょう。長崎、SHANKでした!」

そして歌われた感動的な「Wake Up Call」、ステージを遮るほどの大勢のリフトが出現した「Set the fire」、そしてラストスパートに「BASIC」「submarin」と、全18曲で観客を躍らせ続けた3人は、満足気にステージを後にした。

取材・文◎布施雄一郎
撮影◎半田安政(Showcase

■西日本豪雨復興支援ライブ<がんばろ
う!西日本 ハウステンボス緊急大作戦
。>2018年10月13日@長崎・ハウステン
ボス/SHANKセットリスト

01. Surface
02. Good Night Darling
03. Life is...
04. Weather is Beautiful
05. Smash The Babylon
06. 620
07. Hope
08. Take Me Back
09. Departure
10. Wall Ride
11. TOP WATER
12. Knockin' on the door
13. Love and Hate
14. Honesty
15. Wake Up Call
16. Set the fire
17. BASIC
18. submarine

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