滝澤諒、初座長舞台『ダメプリ』熱烈
インタビュー「王子になったら自家用
ジェット機を購入したい」

2018年12月より公演が予定されている、歌劇派ステージ『ダメプリ』ダメ王子VS完璧王子(パーフェクトガイ)(通称『ダメステ』)は好評配信中の『DAME✕PRINCE』を原作とする女性向けスマートフォンゲーム。建国パーティに集まってくる王子たちは一癖も二癖もあるいわゆるダメ王子! そんなクセの強い王子たちが原作そのままに舞台上で歌ありダンスあり殺陣ありそして笑いありの過激な歌劇派ステージを繰り広げる。
座長は、ミュージカル『スタミュ』(暁鏡司役)や、B-PROJECT on STAGE 『OVER the WAVE!』(寺光遙日役)にも出演した滝澤諒。歌やダンスを得意とする彼が、今回初の座長を務める。彼が得意とするダンス、そして自らが演じる『ダメプリ』のナレクにどんなイメージを抱いているかを伺った。2.5次元舞台に対するアツい思いや、韓国ダンス留学の話まで、彼のパーソナルな部分もじっくり掘り下げてお届けする。
舞台上では「僕だけを見てほしい!」役と似ているところは
ーー滝澤さんの初座長作品となる舞台ですが、出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。
マネージャーさんに「ナレク役に決まりました、座長です」って言われた時は驚きと同時にプレッシャーを感じましたが、正直なところしばらく実感がわきませんでした。ナレクというキャラクターが持つ「強さ」のようなものはオーディションの時から感じていたので、そういう部分を自分が出せるか……これから稽古が始まりますが、今はまだ不安が大きいです。
ーー演じられるナレクというキャラクターについて教えてください。
ナレクはミルドニア王国の王子で、ナルシスト。俺様で「ついてこいよ!」っていう強いキャラクターです。アクは強いですが、憎めないタイプというか……いい意味で完璧じゃないっていうところに彼の良さがあると思います。そういうところは役作りとして研究していきたいポイントです。でも『ダメプリ』に出てくるキャラクターたちは総じてクセが強い! すごく個性豊かで愛されキャラたちが揃っているので、僕が演じるナレクもみなさんに愛していただけるような、そういうキャラ作りをしていきたいなと思います。
滝澤諒
ーーナレクと滝澤さんの似ている点はありますか?
似ているところ……うーん、負けん気が強いところとかでしょうか。あと、僕はステージに立っているときとそうでない時は思考がかなり違います。ステージ以外のところでは、ちゃんとできるかなって一歩引いてしまうこともあるんですが、舞台上では「僕だけを見てほしい!」ってアピールすることが好きです。自己顕示欲みたいなところは、ナレクの俺様系王子に近い部分はあるのかなぁ。その近い部分と、自分の似ている部分とをうまくリンクさせていければと思います。
ーー逆に似ていない部分は?
似ていない部分というか、彼がとてもポジティブであるところは憧れていますね。俺様系であるということは思考としては常に前向きなんだと思うんです。一国の王子としてみんなを引っ張っていくオーラを持っているのでとても信頼できるし、ナレクの周りにたくさんいろんな素敵な人がいるのは、彼のもつ魅力のひとつなのかなって思います。
ーーもし自分がナレクのように王子だったら今やりたいことはなんですか?
ええーっ!? なんだろう(笑)! そうですね、まず自家用ジェット機が欲しいです! そうなったら交通機関は使いません。
ーーそのジェット機でどこに行きましょうか!
僕はこの前韓国に行ってきたんですが、人生で2、3回目の海外渡航だったんです。海外に行ってみて、違う国の文化や価値観を持っている人たちに触れるっていうことはすごく大切だなと感じました。お金を使っていろんな国に行きたいですね~世界一周もできますよね! 旅行には予算があるので食べれないものもあるわけじゃないですか。でも王子になったら何でもいいわけですよ! 食べることが好きなので世界のおいしいものを食べたい! 世界中の料理を満喫したいです。
ーー太っちゃいますね(笑)。
でも大丈夫です! 王子なので、最新のダイエット器具を使いますから♪ 非現実的な夢を見たいですね。もし僕がすごい財力を持ったら、ナレクのように俺様系になっちゃうかも(笑)。とりあえず入ってきたお金は全部使いたい! どんどん発散して無駄遣いしてみたいです(笑)。
キャラの魅力的に感じた所はお客様も求めてくるところ
ーー『ダメステ』は歌とダンスと殺陣がある舞台ですが、その3つのなかで滝澤さんが一番得意なものは何ですか?
あえて言うならダンスです。やってきた年数で言っても一番長いですしね。もちろん歌とダンスと殺陣が三拍子そろってできなきゃ『ダメステ』としてはダメですが、ダンスはよりキャラクター性を掴んで表現したいなって思います。2.5次元で役を演じるというのは、お芝居だけじゃなくて所作やパフォーマンス全て含めてキャラクターだと思っています。これから稽古の中でキャラクターの解釈をぐっと深めていきますが、ダンスの表現力はより深く追求できたらと思います。
滝澤諒
ーー滝澤さんは他の2.5次元舞台作品にも出演されていますが、キャラクターの把握の仕方や、演じる上で特に気を付けていることがあったら教えてください。
キャラクターを無意識にトレースできるようにしたいなっていうのがすごくあります。僕は不器用なので切り替えみたいなものが上手くありません。キャラクターと自分との共通点を見つけ、そこが一番ナチュラルにキャラクターとリンクできるのであれば、そこを強く出したいなと思っています。あと作品を客観的に見るようにするっていうのは意識していますね。僕がこの作品のファンになって自分の演じるキャラクターを好きになって……。例えば以前に演じたミュージカル『スタミュ』の暁先輩。僕は彼のストイックなところや、綾薙学園を守るというプライドや意識の高さを持っているところが好きです。僕自身が魅力的だと感じたところは、お客様も暁先輩に求めている部分だと思うので、舞台上で僕が出さなくてはいけないと感じています。『ダメプリ』のナレクで言えば、ナルシストで俺様ですが、ちょっと鼻につくけど嫌味な感じは全然ないし、物語が進むにつれて気付いたら惚れてしまっている……みたいな。たくさんの魅力を持つナレクを、上手く自分の人生とリンクさせ、共通点をなるべく多く見つけて、それを舞台上で表現したい。ナレクの魅力的な部分をたくさん出せるようにしていきたいなって思っています。
ーーすごく勉強になります。
でもこういう考え方って最初はわかりませんでした。初の2.5次元舞台の出演作品は2017年4月のミュージカル『スタミュ』なんですが、「アニメのキャラクターを演じるってどうやったらいいの!?」って右往左往していました。ですが、ミュージカル『スタミュ』は座組みも良く、すごく優しくて良い先輩方ばかりだったので、キャラクターへの考え方とかどうやって作品に臨むべきかという姿勢をたくさん教えていただきました。先輩方の存在はとても大きいです。
韓国留学では辛いものが食べれずホームシックに……
ーー韓国に行かれたと仰っていましたが、その時の話をお聞かせください。
3週間ほどダンス留学に行ってました。きつかったです! 先生にマンツーマンで教えてもらうプライベートレッスンで、ほぼ毎日レッスン漬け!! でも一般の教室で教えてもらうのと、自分のダンスだけを見てもらって練習するのとでは全然違います。先生も国が違うからか、価値観も全然違いました。レッスンに対してもこんなにやる!? って思うくらいストイックで、「ちょ、ストップ、ストップ~!」って最初は何度も止めて(太ももを押さえながら苦しそうなジェスチャー)。でも「足が動かないんです」って日本語で言っても全然通じないし、でもこんなことを翻訳機能使って言うもんじゃないし……(苦笑)。なんとか身体にムチ打って踊っていた日々でした。本当に最初の一週間は環境にも食事にも慣れなくて。実は僕、辛いのが苦手で全然食べれなかったんです。
滝澤諒
ーー韓国はキムチを始め、辛いものが多いですよね。
本当に苦労しました。食事も困るし、レッスンもきついし、地理に詳しくないのでどこに行ったらいいかわからない……、ホームシックになりました。家族からのLINEがすごくうれしくて、ありがとう~ってスマホを抱きしめてしまいましたね。でもダンスのみならず、ハングリー精神や自立した能力などを養うことができて本当に人として成長できた3週間でした。いつの間にか辛いものも食べられるようになってましたしね(笑)印象に残っている食べ物はカルビクッパにキムチを入れて食べるってやつ! これほんっとう~においしいんです!!! 辛いキムチを食べることができないので最初は苦労したんですが、2週間目くらいから「あれ? 結構いけるな」ってなって、挙句の果てには自分でキムチを買うようにまでなりました。お土産を買おうとしたとき、まずはキムチだよね~みたいな気持ちになるんです(笑)。海外に行くと食事に慣れなくて厳しいって話も聞くので、辛いものに慣れてよかったなって思いました。運も良かったのかな。
ーー日本のキムチと韓国のキムチでは辛さが全然違うそうですが。
えっ? そうなんですか!? 韓国のキムチは種類がたくさんあったんです。多く見かけたのはもちろん白菜。あとはんぺんのキムチとか。味がというより、いろんなバリエーションを堪能できて美味しかったです。
ーー観光には行きましたか?
う~ん、観光という観光はあんまりできなかったですね。​でもファッションに興味があるので、カロスキルっていう表参道のようなオシャレ街とか、定番の明洞には行きました。町中を歩いていて、みんな流行に対してすごく敏感だなって感じましたね~。黒マスクかっこいいなぁなんて(笑)。街の景色も日本とは全然違いました! 住宅街のビルもとんでもなく高いんですよ! カンナム(江南)だったかな。すごくリッチな人たちが住む場所なんですが、200階くらいまであるような桁違いのビルがバンバン建ってて! 街の景色を見てても日本との違いを感じて楽しかったなってすごく印象に残ってます。
ーーファンのみなさまにメッセージをお願いします。
インタビューを最後まで読んで頂いてありがとうございます。2.5次元の舞台に出演するにあたって、情報量も伝えなければならないことも多くありますが、一つひとつ丁寧にやっていきたいです。着実に、そしてそれが積み重なって一つの作品になり、素晴らしいものを皆様に届けられたらという気持ちで頑張っていきたいと思っています。
僕たちが『ダメステ』でやらなきゃいけない使命というものは、たくさんの方に知っていただきたいっていう想い、そして原作で守られてきたイメージや、ファンの皆様の愛をさらに深められるような世界観を舞台で披露していくことではないかと。何故舞台をやるのかっていうと、単純に魅力が「違う」からだと思うんです。同じナレクであっても、ゲームやアニメが二次元でやっているものと、僕らが三次元で板に立って身体を動かしてお芝居をしているものにはそれぞれに違う魅力、違う面白さがある。さらに『ダメステ』で言えば2パターン(ラブルートとダメルート)あるわけです。ですので、僕らも歌、ダンス、殺陣などボリューミーで新しい『ダメプリ』の世界観を皆様にお届けできるのではないかなと思います。
あと僕は今回初座長ということで、本当に光栄で、この作品に携われることをありがたく思っています。稽古が始まってからもより深まっていく感情だと思いますし、これから稽古に入るにあたってキャストの先輩方とお会いするのもすごく楽しみにしています。ナレクという作品の中心人物として、先輩キャストの皆さま、スタッフの皆さまのお力をお借りしつつ、​座組みを引っ張って行けるような前向きな気持ちで頑張っていきたいと思っています。そういうアツい感情をステージに乗せていきたいですね。ぜひ観に来てください。
滝澤諒
取材・文=松本裕美 撮影=山本れお

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