富山×銭湯PROJECT第2弾は、ケロリ
ン桶を使ったアート作品を展示。北千
住・タカラ湯がケロリンミュージアム
に変身!!

 なかなか銭湯に行く人も少なくなってきたご時世だろうか。銭湯自体がどんどん閉められていってしまっているものな。日本の文化なのに残念なものだ。でも、皆さんの脳裏には、銭湯といえば、富士山の絵とともにイメージするのはあの黄色い洗面器ではないだろうか ? 「ケロリン」が内外薬品(現・富山めぐみ製薬)の解熱鎮痛剤だとまでは知らないかもしれないが、「ケロリン」の赤い文字はとてもインパクトがある。子供などが蹴っても壊れないほど丈夫なため「永久桶」とも呼ばれているそうだ。なんか目出度いぞ。
 実は、内外薬品(現・富山めぐみ製薬)は富山県に本社、工場・研究開発室を置くのだけれど、その富山県は、人口当たりの銭湯数と入浴時間の長さが全国トップクラスなのだそうだ。余計なお世話だと思ったが、検索してみた。株式会社ウェザーニューズによる2012年の「冬のお風呂事情」の調査結果によれば、日本人の平均入浴時間は30分46秒。都道府県別に見てみると、入浴時間が長いのは1位が青森県で36分17秒、2位が富山県で34分33秒、3位が山梨県で34分08秒だそう。一方、「お風呂は好きですか ?」との質問(とても好き・好き)では、日本人の約9割がお風呂好きであり、“とても好き”との回答結果では1位が宮崎県民で57.1パーセント、2位は富山県で56.2パーセント、3位は青森県で53.2パーセントという結果。ほんとだ、富山はどちらも2位だ。さすが“ケロリンの国”である(別の年では多少の変動があります、悪しからず)。
 ちなみに、もっと余計なお世話なのはわかりつつ、お風呂好きが36.8パーセント、入浴時間が23分51秒でともに47位なのは島根県だった。これは、お風呂嫌いが多いとも言えるのか?
あのケロリン桶をアートに !
 前置きが長くなったが、ここからが本題です。そんな富山県をピーアールするために、「ケロリン桶」をモチーフにしたアート作品を展示する『ケロリンミュージアム』という企画が行われることになった。企画が発表され、コンセプトムービーが公開されたのは2018年の10月10日、つまり1010(せんとー)の日だった。
「ケロリンミュージアム」コンセプトムービー

 会場となるのは、東京は足立区北千住にある「タカラ湯」。石燈篭や錦鯉が泳ぐ池が設置され、ツツジやアジサイ、紅葉など四季折々の花や木々が楽しめる日本庭園で有名な銭湯だ。保温力を高める生薬を成分としており、血行をよくして体をほぐし、よく温め疲れを取って冷えから起こる症状を予防する薬草風呂は、冷え性・リウマチ・肩のこり・痔・腰痛・疲労回復・神経痛・あせも・しもやけに効能があるということで人気も高い。
 このタカラ湯が、この2日間だけ美術館に生まれ変わり、ケロリン桶と富山県を愛した前衛芸術家リチャード・ケロリーンの作品が多数展示される。2024個ものケロリン桶を使った『ケロリンピラミッド』をはじめさまざまな作品が並ぶが、そこに混じって、“幻の白ケロリン”も東京で初展示されるのだそう。トラもカラスも白は話題になりますな。素晴らしい ! そのほか、オリジナルTシャツ、ステッカー、ポストカードといったケロリンミュージアム限定グッズも販売されているとかで、マニアは急がねばならない。
 「富山✕銭湯PROJECTの第2弾として、10月10日(銭湯の日)に地元富山の北日本新聞や、特設ウェブページ、コンセプトムービーなどで『ケロリンミュージアム』を公開しました。お風呂が大好きな方が多い富山県と東京をつなぐ架け橋になり、銭湯業界の盛り上がりや富山県に関心を持ってもらえたら……との思いで、昨年スタートしたこの企画。今回は、富山の内外薬品(現・富山めぐみ製薬)発祥のケロリン桶やそのデザインを使用したアート作品を制作しました。動画内ではケロリン桶2024個を使用したケロリンピラミッドなども紹介しています。10月27日、28日には東京都足立区北千住のタカラ湯様で実際に作品を展示、無料公開します。動画では紹介しきれなかった作品や、限定ケロリングッズなども販売。ケロリンファンだけでなく、皆様楽しめるイベントになっています。芸術の秋にケロリン桶を通し、銭湯や富山にぜひ思いをはせてみてください」とは、この企画を担当する北日本新聞社東京支社営業部の中島剛史さんだ。
 ちなみに2017年の第1弾企画は何をやっているのだろうと調べてみたら『FUROjection TOYAMApping〜風呂ジェクション富山ッピング〜』を開催している。このspiceにも記事があったので読んでみてほしい。
 さあ、今すぐ富山へと言いたいところだが、まもなく冬。この季節は、脂がのり、身が引き締まった旬魚が数多く水揚げされる、1年のうちもっとも美味しい季節なのだそう。“富山湾の王者”としての貫禄を見せつける『寒ブリ』(鰤しゃぶ、ぶり大根)、別名“高志の紅ガニ”とも称される極上品『紅ズワイガニ』(刺身、蟹味噌)、淡泊な白身と濃厚な肝を味わうツウな一品『ウマヅラハギ』(あっさりとした白身と濃厚な肝を一緒に食す握り)が3大名物だそう。ケロリン桶のアートを堪能したら、冬は北陸新幹線で富山へゴー ! 日本有数の銭湯王国でもある富山県、厳しい寒さを本場のケロリン桶を使って温まろうではないか。
※リチャード・ケロリーンは架空の人物です。
※イベント当日は入浴できませんのでご注意を。
文:いまいこういち

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