向井太一のストリーミングとの向き合
い方と2018年のベストトラック|新作
『PURE』インタビュー後編

デジタルは早さ。フィジカルは物として
価値あるものを

ー2018年はユーザーもアーティストもストリーミング・サブスクリプションが一般的に浸透していった年だったと思います。向井さんはアーティストの立場として、今の流れで重要視してる点とかはありますか?

向井:
重要視してるっていうよりは、単純にストリーミングになってできるようになったこととして、オントレンドでスピード感もって音源をすぐ出せるようになったと思ってるんですよ。曲ができてからすぐにリリースできるから今ホントに聴いているジャンルとか、今からまさに来るジャンルの作品をすぐ出せるっていうのが、良いなって思っています。リスナー側としても新しい音楽と出会いやすいし、ちょっと気になったことや周囲に拡めるっていう意味でも、便利な時代になったなって思ってます。
ー確かに。スピードを重要視されてるアーティストさんはすごく多いですね。

向井:
そうですね、だからこそ従来のリリースまで時間のかかる形式だと、もう古いみたいな感覚になってしまう、サイクルが早いと感じるジャンルもあるし、そもそもストリーミングやサブスクリプションって、ジャンルとかアーティストの入れ替えがものすごく早く、どんどん新しいジャンルの曲が生まれたりもするから、僕はその流れに対応するために2017年くらいからSoundcloudとかも活用していたので、スピード面ですごく便利だなというか、新しくやれる事だなと思いました。
ーデジタル方式で素早く作品を出して、世の中に届けるっていうのも1つの方法ですが、逆にCDも含めたアナログ、フィジカル的な物もファンとのコミュニケーションとして重要だと思います。そういった使い分けは何か考えていますか?

向井:
やはり物販かなと思っていて、僕が意識しているのは手に取りたくなるようなもの、例えばアートワークだったり紙の質感一つだったり文字のフォントであったりとか、物として価値のあるものを作る事をとても意識するようになりました。『BLUE』では歌詞カードを全部バラバラにして、一つ一つを飾れるようにしたりとか、そういった音楽以外のアプローチをするツールとして使っていこうかなと思っています。ただ音楽を聴くだけじゃなくて、写真だったり文字として見ることによって、全然聴こえ方が変わってくるんじゃないかなと。
ー今回の『PURE』ではグッズは何か面白いものを考えたりしてますか?

向井:
基本はベーシックなやつで、Tシャツ、プルオーバー、ステッカー、タオルですが、1個だけ古いホテルのキーホルダーみたいなものを作っていて、「I’m not pure」って書いてあるんですよね。 他は「I’m pure」で統一しているんですけど、それだけホテルだからちょっとギャグ的に作ってみました(笑)。
ー洒落が利いてますね(笑)。ではユーザーとしてストリーミングはどうやって使われてますか?

向井:
移動中とか、新曲のプレイリストとか聴きますね。ちょっと気になったらすぐ調べられるので新しいジャンルも聴くようになりました。
ー海外の新曲プレイリストとかもチェックしているんですか?

向井:
そうですね。海外が多いかもしれないです。どっちかっていうと海外のサウンドがどういったトレンドになっているんだろうとか、そういう点でチェックするために聴く事は多いですね。
ーどこらへんの国・ジャンルをチェックしていますか?

向井:
R&Bが多くて、地域としては最近はUK寄りですね。でもスウェーデンとか他の国とかもすごく面白いんで聴いてます。
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