リチャード・カーペンター「カレンと
作った作品が新たに生き返った」

カーペンターズの17年ぶりとなるニュー・アルバム『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』の発売記念イベントが、12月12日、東京・山野楽器銀座本店にて開催された。
『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』は、名曲のオリジナル・レコーディングとロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を組み合わせた“共演”シリーズの新作で、リチャード・カーペンター自らプロデュースとアレンジ、指揮を務めたアルバムだ。この日のイベントには9年ぶりの来日を果たしたリチャード本人が登場し、新作についてのトークやピアノの生演奏を披露した。

司会者から新作について訊かれたリチャードは、「最初に思っていた以上の作品になり、非常に満足しています。妹のカレンとふたりで作った作品が新たに生き返ったと思います」とコメント。また、「カーペンターズの曲を新たにアレンジして、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が演奏しただけのアルバムではありません。新しい技術の力を借りて、カレンのボーカルをより際立たせる工夫をしたり、結果的にあらゆる面で以前のオリジナルの作品より良いものになったと思っています」と作品への思いが語られた。
アルバムの聴きどころについて問われると、「単なるベストアルバムにはしたくなかったんです。もちろんヒット曲は入っていますが、当時シングルにはならなかった曲とか、メロディや歌詞の面で僕やカレンが大好きだった曲も収録しています。それは「This Masquerade(マスカレード)」であったり、「I Just Fall in Love Again(想い出にさよなら)」であったり、「Baby It's You(ベイビー・イッツ・ユー)」であったり。66分間あるアルバムを、是非最初から最後まで通して聴いてほしいです」とアピール。2019年に結成50周年を迎えるカーペンターズについては、「世間では年をとると時間が過ぎるのが早くなると言いますが、実際にどんどん時が過ぎていくなかで、僕がカレンと一緒に音楽を作れた時期は短いんです。その間に作った音楽が世界中の人にインパクトを与えていることに感謝の気持ちを抱くと共に、誇りにも思っています。僕らふたりがお互いを輝かせる力を持っていたことをとても嬉しく思います」と改めて振り返った。
そして会場からの質問タイムへ。「作曲で大切なことは?」という質問では、「作曲では記憶に残るメロディを書くことが大切で、それを常に追求しています」と、曲作りの舞台裏が次のように明かされた。

「メロディを書くのは誰でもできますが、人々の記憶に残るメロディとなるとそこで才能が問われるんです。それができるかできないかは、一つには生まれもった才能、そして子供の頃からどんな音楽を聴いていたのかが大切だと思います。いいメロディを書くのは人から教えてもらってできることではありません。僕が曲を書く時も常にそこを目指していますが、いつもできるわけじゃなくて、時には途中で諦めることもあります。そうかと思うと曲のほうから書いてくれ、って言っているようにスラスラと自然に書ける時もあるんです。そういう曲のほうが、得てして良い曲になったりしますね」

また、「今回の作品のパート2を期待してもいいですか?」という質問には「わたしもそう願っています、パート1の結果によりますが(笑)」と応え、会場は続編への期待を込めた拍手に包まれた。
生演奏のコーナーでは、ステージに用意されたグランドピアノで「We've Only Just Begun(愛のプレリュード)」「I Need To Be In Love(青春の輝き)」「Yesterday Once More(イエスタデイ・ワンス・モア)」の3曲のスペシャル・メドレーを披露。その優しくも哀愁を帯びたピアノの旋律に、思わず涙するファンも多く見られた。

最後は「今日はお越しいただきありがとうございます。長い間支えてくださったこと、僕らを信じてくださったことに御礼申し上げます。カレンも僕も楽しんで音楽を作り、日本に来ることも楽しんでいました。皆さんはいつも暖かく迎えてくださいました。1969年の始めの頃から、来年で50年になりますが、ずっと支えていただいてありがたく思っています」と挨拶。大きな拍手に包まれて、記念イベントは幕を閉じた。
Photos (c) Ryota Mori

<『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』発売記念リチャード・カーペンター『トーク、ピアノ演奏&サイン会』>

2018年12月12日(水)東京・銀座山野楽器 本店7F イベントスペースJamSpot


カーペンターズ『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』|『Carpenters With The Royal Philharmonic Orchestra

2018年12月7日(金) 全世界同時発売
デジタル/CD/180グラム 2LPレコード/カラーLP(UNIVERSAL MUSIC STORE限定)
※LPレコード(輸入盤のみ):2019年2月8日(金)発売

■日本盤CD
UICY-15801 ¥2,500+税
※日本盤のみSHM-CD仕様
※初回生産分のみ封入:抽選で10名にリチャード・カーペンターの直筆サインが当たるスペシャル・キャンペーン応募券

1. オーヴァーチュア OVERTURE
2. イエスタデイ・ワンス・モア YESTERDAY ONCE MORE
3. ハーティング・イーチ・アザー HURTING EACH OTHER
4. 青春の輝き I NEED TO BE IN LOVE
5. ふたりの誓い FOR ALL WE KNOW
6. タッチ・ミー TOUCH ME WHEN WE’RE DANCING
7. アイ・ビリーヴ・ユー I BELIEVE YOU
8. 想い出にさよなら I JUST FALL IN LOVE AGAIN
9. メリー・クリスマス・ダーリン MERRY CHRISTMAS, DARLING
10. ベイビー・イッツ・ユー BABY IT’S YOU
11. 遙かなる影 (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
12. スーパースター SUPERSTAR
13. 雨の日と月曜日は RAINY DAYS AND MONDAYS
14. マスカレード THIS MASQUERADE
15. 涙の乗車券 TICKET TO RIDE
16. 愛にさよならを GOODBYE TO LOVE
17. トップ・オブ・ザ・ワールド TOP OF THE WORLD
18. 愛のプレリュード WE’VE ONLY JUST BEGUN
19. 日本盤ボーナス・トラック: プリーズ・ミスター・ポストマン PLEASE MR. POSTMAN

CD購入/ダウンロード/ストリーミング:
https://lnk.to/Carpenters_NewAlbumPR

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