『THE RENAISSANCE』には
THE ALFEEがブレイク後に示した
堂々たるロックサウンドがある
苦節9年の末、
「メリーアン」でブレイク
THE ALFEE、初のチャートトップ10入り。この楽曲で『第34回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした「メリーアン」は彼らの代表曲のひとつであることは間違いないが、メンバーにとって、とても深い思い入れがある曲というわけでないらしい。いや、そういう書き方だと語弊がある。「メリーアン」はもともとアルバムの中の一曲として作られたもので、メンバーがことさらヒットを狙って作ったものではなかったという。この頃、メンバーは同年8月に開催が決まっていた初の日本武道館公演へ意識を集中していたそうで、スタッフが「メリーアン」をシングルに推した時も“何でもいい”といった感じだったそうである。ライヴ活動にこだわるTHE ALFEEらしいエピソードであると同時に、ヒット曲が生まれるのは得てしてそういう時であることを示した話でもある。
むしろ「メリーアン」のあとのほうが大変だったと、後に高見沢は述懐している。周りからは“(本当の)勝負は次”と言われ続けたそうである。スタッフだけでなく、他のメンバーふたりからもそう言われたというから、かなりのプレッシャーだったようで、大分痩せたとも振り返っている。そこで完成したのが8thアルバム『THE RENAISSANCE』に“Long Version”が収められている「星空のディスタンス」である。
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