【インタビュー】杉本善徳 (Waive)、
「僕はやっぱりWaiveしか好きじゃな
い」

Waiveが2019年4月30日、Zepp Tokyo単独公演<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>を開催する。BARKSでは“平成最後の日”に行われる同公演を前に、Waiveというバンドを再検証する連載特集を展開中だ。その第四弾は杉本善徳(G)の単独インタビュー。聞き手は前回に続いて音楽ライターの大前多恵氏が務める。
Waive楽曲の作詞作曲のほぼすべてを担うのが杉本善徳(G / Vo)だ。2005年12月1日、解散ライヴにて「Waiveが最高のバンド」と発言した彼は以降、ソロ活動や楽曲提供は精力的に行いながらもバンド形態での活動を自らに頑なに禁じてきた。まるで、自身の言葉に呪われているかのように──。2010年の再演、2016年の再再演に続く3度目の活動を展開中の2018年。皮切りとなったMUCCPsycho le Cémuら同期との3マンイベント<MUD FRIENDS2000~2018>には熱とエネルギーが迸り、胸を打つ尊い何かがあった。だからこそ、“解散中などと言わず恒久的に活動してほしい。もっとライヴを観たいし、新曲も聴きたい”と願ってしまったのだが……そのような単純な話ではなく、杉本は悔恨や自責の念が入り混じった、複雑な心境に至っていた。

積み重ねて来た過去があるからこそ、今があり、未来がある。ソロ活動で築いた大切な場所を当然、慈しんでもいる。だからこそ、「Waiveが好き」という情だけに判断を任せないよう、戒めているように見えた。また、杉本はどの話題においても、愚直なほど真摯にフェアに、多角的に物事を検証しようと言葉を尽くしてくれたのが印象深かった。私としても、彼の配慮を最大限に尊重すべく、細心の注意を払って文章化した。誤解が極力少なく、真意を伝えられていればと思う。

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■イベント自体久しぶりだったので
■かわいらしい言葉で言うと緊張してた

──2018年のWaiveの活動について、杉本さんはどう思っていらっしゃるのか?というところと、バンドの未来についてお聞きできれば、と思っています。

杉本:なるほど、はい。

──少し前のお話になってはしまうんですが、10月に開催されたイベント<MUD FRIENDS 2000~2018>を振り返って。どんな気持ちであのイベントに向かって行かれたのでしょうか? 2016年以来2年ぶりに、Waiveとして再び動き始めることに対する想いをお聞かせいただけませんか?

杉本:言葉にするとビックリするぐらい淡泊ですけど、僕は“イベントで動き出していいんかな?”みたいなことだけをずっと考えていて(笑)。

──Waiveのワンマンとか、そういう形じゃなくていいのかな、と?

杉本:はい。ファンの人たちからしたら、MUCC、Psycho le Cémuと我々が同期で仲が良くて、なんてことはわざわざ説明しない限り分からない人がほとんどだろうし、突然“俺たち仲良しだよね、イエーイ!”とか言って肩を組んで現れられたところで、“……はぁ?”ということになりかねないんじゃないのかな?という想いが、どこかであったので。それをどう分かりやすく説明するのか?について考えていたら当日になっちゃって(笑)。“あれ?”みたいな感じではあったかもしれないですね。

──とはいえ、ライヴ自体は充実感を得られる、手応えのあるものだったんじゃないですか?

杉本:そうですね、手応えもあったし充実感もあったなぁ……2005年9月のCLUB CITTA’で東海林のり子さんのイベントに出演したのがWaiveにとって最後の対バンイベントで。今回はそこから丸13年経っていて、イベントというもの自体が随分久しぶりだったので、ちょっとかわいらしい言葉で言うと“緊張”していたし(笑)。解散以降、完全にアットホームな環境でのWaiveしかもう、経験していなかったから。アットホームと言っても、解散してるバンドだからホンワカしてるかどうかは別としても、やっぱりアウェイな状況を一切経験していなかったので。初日の大阪はもう、めちゃくちゃ手が震えながらギターを弾いた自覚があって、“おいおい!”と思いながらやってましたからね(笑)。
──そうは見えませんでしたが……(笑)。Waiveというバンドのフィーリングは、今振り返ってみて、どうでしたか?

杉本:まぁ、普通ですよ(笑)。これも淡泊……というか、乱暴ですかね?

──いえいえ、率直に言っていただいたほうがありがたいです。

杉本:やっぱりメンバーそれぞれ境遇が違っていて。Waiveって、貮方(孝司/G)以外の3人が音楽活動を続けているから、3人は現役のプレイヤーで、ステージマンで、みたいな“印象”が付いていると思うんですけど。田澤(孝介/Vo)くんは“年間何本歌ってんねん?”というぐらい、あらゆるところで歌を歌っているし。(高井)淳(B)もいろいろな現場で弾くから、大きいステージも小さいステージも、いろんな意味で人に観られていると思うんですね。でも僕は、バンドとして活動したのはWaiveが最後で。僕にとってはやっぱりバンドってWaiveで完結してしまっているから、違うバンドを知らないんですよね。最新の記憶がWaiveにあるから、何をやったところでWaiveが僕の中ではスタンダードなんです。田澤くんのインタビュー(https://www.barks.jp/news/?id=1000161824)も読ませてもらいましたけど、彼の言っていた「あぁ、なんかWaiveってこんなんやったなぁ」とか、「バンドによってこんな違いがあるとは!」みたいな感覚が僕の場合はほぼなく、「久々のWaiveやなぁ」でしかなくて。ソロ活動でも年に1本ぐらいしかライヴをしていないから、2年前のWaiveのライヴは、“つい5本前ぐらいのステージじゃないか?”みたいな(笑)。自分の中で、そんなに違和感ないんですよね。だから、今は引退してステージに立っていない貮方が、実は僕と一番近い位置にいて。傍目には僕は現役のプレイヤーに見えてるとは思うんですけど、“いや、俺も貮方と同じぐらい緊張するし、同じぐらい努力せなステージ戻られへんねんで?”という感覚が、自分としてはある。だから、ステージに立つことに対する緊張とか、そこへ向けた積み重ねはしないとダメだけど、“Waiveだからセッティングし直さないと”とか“チューニングし直さないと”という意識は、ほぼないんですよね。しいて言うなら、リハーサルスタジオに初日に行った時、自分の立ち位置がどこか分からなかったことですね(笑)。「上手(かみて)どっちやったっけ?」みたいな。

──そうなんですね!

杉本:ソロではセンターに立ち続けてしまっているから。今回もリハ初日、僕がスタジオに入った時にはリズム隊がもう入っていたので、ギターを持って「おはよう、久しぶり~」みたいな感じで下手(しもて)のほうに行った時、「どこ行くねん!」と言われて「あぁ~」となったぐらいなので。そういうボワーッとした感じはありますけど(笑)。そこ以外に関してはもう全然、普通なんですよね。
■自らの意志でWaiveを“愛しいもの”にして
■人生の核にすることは“してはいけない”

──メンバー間のやり取りの仕方や関係性について、田澤さんは「実家感があった」とお話されていたんですけど、杉本さんはいかがでした?

杉本:うーん……これもまた、僕と田澤くんの大きな違いだと思うんですけど、田澤くんは僕と違って大阪に頻繁にライヴで帰るのに、実家に帰らないんですよ。僕は、別にライヴをしなくても積極的に実家に帰るタイプなんですよ。音楽と全く関係のない話を率直にすると、例えば、年に1回しかこの先僕が大阪に帰らないとして、母親の年齢を考えたら、“あと20回とか会えたらいいところなのかなぁ?”と。毎日会ってる人の1か月にも満たないうちに、この人はこの世にいなくなるんだな、ということを考えるから。でも、彼の言う家族ってのは、“あまり会わない人”っていう可能性があるというか(笑)そういう意味で言ったんじゃないでしょうけど。

──家族の定義、実家の定義そのものが違う、と。

杉本:その可能性はある。実際は分からないですけど、僕は勝手にそう思ってるところがあって。だから、僕にとっての家族の定義とは全然違うというか、Waiveはもっとぎこちなく「お…おう、久しぶり。元気? 最近何やってんの?」みたいなところから入らないとダメな感じなんです。今だったらSNSがあるから、各々の行動を把握しようと思えば表面的には知れるはずだけど、僕はメンバーのSNSに関わらないようにしていて、誰の日常にも触れないようにしている。もしかしたらメンバーは僕のことを知ってくれているのかもしれないのに、僕は彼らのことを一切知らないに等しいから、「何やってんの、最近?」から入らないとダメな状態なので。それも込みで僕にとって、Waiveには“家族っぽさ”がないのかもしれないですね。

──SNSなどを見ない、というのは、あえてそういう距離感を設定なさっているということなんですか?

杉本:そうですね、はい。

──理由は何ですか?

杉本:嫌いなんじゃないですか(笑)。

──えっ(笑)!?

杉本:いや、彼らのことが嫌い、という意味じゃないんですよ? 彼らが(Waive以外の)何かをしていることが嫌いなんだと思うんです。なぜなら、僕はWaiveをやっててほしいから。無茶苦茶だし、横暴な話だし、これをメンバーの違うところの活動でファンになった人が読んだら、「杉本のこういうとこがイヤ!」と言われるかもしれない(笑)。だけど、僕はやっぱりWaiveしか好きじゃないから。ソロ活動はしているけれどもバンドはできないのもそれが理由で。いろんな人にバンドも誘われたし、その人たちが悪いミュージシャンだったとも決して思わないけど、どの人たちとステージに立っている自分を考えた時にも、「いやぁ~……」と僕はなってしまったので。だから、彼らの今の活動を見て、それを「いいバンドだね」「いい曲だね」なんて、僕は思いたくない。僕は変に素直だから、もしそう思ってしまったら、「こうやってもう1回Waiveやろうよ」という気持ちが彼らにあっても、「いや、今やってるバンドめちゃくちゃいいから、大事にしな」とか訳の分からんことを言っちゃう可能性を自分に感じてしまっているんです。本音かどうかは分からないけど、田澤がWaiveを「家族だ、実家だ」と我々に言ってくれたり、淳もそう思ってるんだとしたら、それに対して「いつでも帰っておいでよ」と僕は言える位置じゃないとダメなのかな?と思ってるから。そのためには逆に冷たくしておかないと。「もう東京出て行ったんやったら、私歳取って足悪くなったけど、実家なんか帰ってけぇへんで、ちゃんとお仕事し!」って親が言うのと一緒で(笑)。それぐらい避けてますね。知りたくない。
──やっぱり、Waiveというバンドは杉本さんにとって、特別なんですね。

杉本:特別と言うとカッコいいかもしれないですけど、女々しいんだと思うんですよね、僕が。こういう話を聞いたら「それだけWaiveが愛しいんだ」みたいなことを第三者は言ってくれるかもしれないけど、もう僕の中で、愛しいかどうかも分からない域まで来てしまっている、というか……(笑)。決して愛しくないわけじゃないけど、「愛しいものだ」と思ってしまうと求めすぎてしまいそうだし。ソロ活動で培ってきたもの、それは自分の手腕であれ、ファンであれスタッフワークであれ、漠然とした言葉で言ってしまうけれど、そういう“気持ち”みたいなものも、やっぱり僕にとって大事なもので、かけがえのないものはそこにある、と思っているから。Waiveは、今のかけがえのないものをつくる上で絶対的に必要なものだったし、解散したという事実さえも、今の自分には必要だったと思ってる。それが無くなったことに対して、諦めてもいるし。理解もしているんだけど、だからこそ、Waiveに気持ちが引っ張られ過ぎていってしまうと、ソロでのファンだけの話じゃなく、「それ以降に起きた事象すべて」を僕は裏切ってしまう気がしていて。だから、「もうできないのかな?」という気がするんですよね。

──難しいですね……。

杉本:人は裏切るものだと思うし、僕もやっぱり、プライベートも含め人を裏切らなかったなんて言う気は毛頭ないし。裏切り行為を経験したこと、自分が裏切ったこと、裏切られて身を以って体感したことによって、人は考え方が変わっていくから。例えば田澤くんがいつも言っているような、バンドが解散して、その後再演をした時の懺悔の気持ち。彼は「引き金を引いたのは自分だ」という表現をしていて、そこに対する後悔があるから、今では「チャンスがあるんだったらWaiveをやろう」と言っているし。僕は、引き金を引いたわけじゃないのかもしれないけど、引き金を用意したのは自分なんじゃないのかな?と思っていて。引かないようにロックを掛けても良かったのに、最終的にそれを外したのは僕なんじゃないのかな?って。解散が決まっても、発表のその日まで「いや、もう一回考え直せ」という話を周りの関係者の多くからされたけど、それを放棄して、最後まで抗わなかった自分を理解しているので。僕は日常においても、身内、家族、スタッフとかも含めて、自分に関わったすべての人たちと衝突し合ったことによって成長してきたと思っているし、Waiveもきっとそうだと考えている部分があるんです。守るには、大事に思い過ぎてもいけないのかな?と。ここ(Waive)が僕の中でまた大事になってしまったら、きっと誰かの中で、「いや、そういうスタンスだとWaiveができない」という想いが生まれるのかもしれないな、とも思うし……分かんないけど、僕は勝手にそう思ってしまっている。もしそうじゃないんだとしたら、誰かが僕に対して「そうじゃないんだよ」と働き掛けて来ることで、「あぁ、そうだったの?」となって変わる可能性はあるけれど。僕の自らの意志でWaiveを“一番愛しいもの”にして、人生の核にすることは、“してはいけない”と思ってるんです。

──でも……これからもWaiveの活動を見たいというファンの方がいて、それに応えたい、という気持ちもあるわけですよね?

杉本:望まれることに応える、ということを拾い出すと、「どこまでそれって続くの?」って気もしているんですよね。例えば、1万人お客さんが集まっていたアーティストが、「100人になろうが俺は歌うぜ! 最後の1人まで、なんだったら0人でも、俺が歌いたいから歌うんだ」というのが正義、と言う人もいるだろうし。「いや、やっぱり現実的に50人ぐらいになってきたら無理やろ」という人もいるだろうし。それぞれの答えがあって、誰にも話すわけでもないけれど、僕には僕が見つけている答え、明確に「ここだ」と思ってるラインがあるから。求めてくれる気持ちもうれしいし、なるべくそれに応えたいという想いは当然持ってるんだけど、その引力だけに引っ張られてWaiveが続いてしまうのは……カッコつけてるみたいな言い方になるけど、僕の中ではアーティストとしての“美学に反してる”んですよね。僕は、僕のやっていることでファンが喜んで、そのファンも僕の次の何かを見たいと思ってくれて、僕もそれをまだ生みたいと思うからこそ関係性が続くべきだ、と思っているから。それと、ソロ活動を続けてきた中で僕が断言しているのは、仮に二度とライヴをしない日が来たとしても、いちいち「これが僕のラストライヴだ」とは言わないこと。バンドの解散と一緒で「二度とやらないよ」ということを言う気はないんです。Waiveに関してもそうで、しっかりとした解散ライヴをして皆を悲しませることも二度とない分、「Waiveとして再結成した」という言い方もしないよ、と。万が一この先、メンバーから「やろうよ!」と言われてやることになったとした場合、一つ条件があるとしたら、「じゃあ二度と解散しないであるべきだね」ということだと思う。もちろん、やらなくなる可能性はあるんですよ? けれども、わざわざ「終わり」と告げてやる音楽活動はもうしたくないなぁ、というのが、僕が経験則から思っていることだから。漠然と「なんか最近飽きた」とか、「不仲になったような気がする」とか、そういう理由で解散するのはちょっと違うかな、と。それらを考えていくと、僕の中ではもう、やっぱりバンドは終わっちゃってるんですよねぇ……。

──メンバー同士で最近、そういう話し合いをされたことはあるんですか?

杉本:いやぁ、一切しないですね。最近だけじゃなくて、たぶん一度もないと思いますね。

──そういうふうに杉本さんが思っておられる、ということを皆さんが察してらっしゃる雰囲気はありますか?

杉本:全く分かんないなぁ……でも、皆思ってるんじゃないですか? 「(Waive以外の)バンドやったらいいのに」って(笑)。今はもう思ってないかもしれないですけど、一時期は。
■解散中じゃないとダメなんだと思うのと同時に
■解散中って何?と思ってる自分もいる

──杉本さんは解散時に「Waiveが最高のバンド」という言葉を残しておられますけど、それがもう、今に至るまでずっと揺るぎないということですよね?

杉本:そう……ですね。「これが最高のバンドで、皆もそう思うよね?」と言って歩く気は全くなくて、リスナー一人一人に好きなバンドがあってそれぞれの最高は違うし。でも、僕がバンドという形態を使って生み出せる、自分なりの最高傑作がWaiveだったとは思っているから。仮に何か新しいことを始めてそれがヒットして、「世の中的最高はこっちだ」と言われたとしても、僕の中では「あんまり分からんなぁ」となりそうな気がしちゃうんですよね。もちろん、曲も昔のものだから今聴くと、「古っ!」て思うから(笑)、「これを超える曲はこの世にないでしょ?」みたいなことを言う気もないし。この曲はこの曲でこのベクトルで一番尖ってるけど、それ以降に書いた曲はこっちはこっちで尖ってるし、と思いながら音楽活動を続けて来てるんだろうから。だから、バンドというのはもう、僕にはできないんじゃないかな……? そんな気がするな。

──ブログにも書かれていましたが、Waiveが進化していくことによって、“最高”が更新されていく、という現象は起きているわけですよね?

杉本:あぁ、それはそう思いますね。特にこの間の<MUD FRIENDS>の時、観に来てくれた人たちから、「今回めちゃくちゃ出来上がってるんちゃう?」という話をされて。僕は、少なくとも2016年のほうが、ツアーも回ったから、ツアーファイナルのほうが出来上がってたでしょう?と思ってたんですよ。でも、同録の映像を送ってもらって観て、「え? 結構ちゃんとバンドみたいやなぁ」とビックリして。あれは何なんでしょうね? 謎(笑)。

──それぞれの場で積み重ねて来たものがやっぱり、出ていたんじゃないでしょうか?

杉本:でも、一人はもう引退して普段は楽器触ってないですよ? フライパンとかしか触ってないですから(笑)。

──たしかに特異なケースですけど(笑)。ベタな言い方になってしまいますが、想いとか、Waiveでしか醸し出せない空気とかが観る者の胸を打ったんじゃないかな?と思うんです。

杉本:どうなんでしょう? まぁ、Psycho le CémuとMUCCがいたから、というのもあるんじゃないすかね? パンフレットか何かの取材の中で、逹瑯(MUCC)から冗談半分で「活動を続けてるバンドとの格の違い見せつけたる」と言われて(笑)。「じゃあ、久々にやることによってどれだけ燃焼力があるのかを見せないと!」というのはしっかりと我々にはあったので。それが上手く化学反応を起こしたんじゃないのかな?とは思ってますけどね。Psycho le Cémuも僕はすごく好きなバンドなので、あのイベントではいろいろと触発されて良くなったんじゃないのかな?と思います。
──先日、「曲をつくっている」とTwitterで書かれていましたね。それはWaiveの曲ですか?

杉本:そうです、そうです。

──胸中の葛藤が伝わってくるような呟きでしたけど……今もその想いの渦中ですか?

杉本:もう、ほぼほぼ曲として各メンバーに投げちゃった後なんですけどね。田澤くんが取材で「新曲は要らない」という話をしてましたけど、僕もそう思ってる節はあるんです。でも、そう思っているからこそ違うんじゃないのかな?という想いも──これは曲に対してだけじゃなく、全部に存在していて。さっき言ってたみたいに、「だからもうWaiveは活動しているバンドであってはいけない。解散中じゃないとダメなんだ」と思うのと同時に、「はぁ? 解散中って何?」と思ってる自分もやっぱりいるし。例えば、曲を書いて皆で合わせました、と。極論で言うと、別にそれを披露しなくてもいいわけじゃないですか? 「セットリスト組んでみたら、やっぱり新曲なんてものは要らないから、やめよう」となっても、損するものでもないし。田澤くんも、もしかしたらあの取材の後、例えば今になって「新曲、あったほうがええんちゃうかな?」と思ってるかもしれないし。

──可能性はありますよね。

杉本:うん。やっぱり〝生″を切り取っていくと、人は常々更新されるから。僕もそうで、書きながらも何回も「いやいや、これもう要らんのんちゃうんか?」と思って放棄しそうにもなっていたし。でも、とりあえず形になるところまでやって、Waiveの4人ないし康雄(山内康雄 / サポートドラム)込みの5人で、この間のライヴ(<MUD FRIENDS>)もあったことだから、「一つの塊をちゃんと残してもいいんじゃないのかな?」という気持ちには、僕的にはなってるんですよね。Waiveは1stアルバムの『INDIES』(2002年)をつくって、2ndアルバム(『INDIES2』/2004年)までに随分と時が経ってるんですよ。「出なすぎやろ!」というぐらい音源が出ないバンドなんです。やっと出ても「いやいや、前と同じ曲入ってるやん!」みたいな(笑)。それぐらい、とにかく新曲を書かないんです。僕が断固としてそのスタイルを貫いていたところがあって、「いや、曲って要る?!」というのが未だにあるんですけど。例えば、X JAPANの場合、もちろん新曲が出たら「うおぉ~X JAPANの新曲や!」という気持ちもある。でも、それとまた別のベクトルで、ライヴでは「紅」や「X」をやってほしい、と求める人はいると思う。LUNA SEAが活動を再開してからの『黒服限定GIG』を観に行った時、昔の曲ばかり披露していて、僕は昔のLUNA SEA大好きやから、「うぉぉ~!」と思って観ていたんですよ。でもアンコールで「ROSIER」を披露した時が一番歓声が大きくて、僕はズコーッ!となったんです(笑)。大衆心理というか、やっぱり多くの人は「知ってるもの」がうれしいんですよね。僕はJUDY AND MARYのファンだったから、解散ライヴを大阪から東京ドームへ観に行ったんですよ。その時も「そばかす」のイントロが一番、お客さんの声は大きかった。「やっぱり分からんなぁ、この人らの感覚は」という経験が、そうやって僕の中ではすごく蓄積されて来ているんです。

──なるほど。

杉本:でも「いざ自分は?」となった時、やっぱり「ガーリッシュマインド」をやらないWaiveって物足りないと思われるんだろうな、と。エンタメってそういうものなんじゃないかな?と思っていて。僕らはロックバンドだから“プロレス”をやりたいわけじゃない。とはいえ、プロレス要素を無視してしまうことは、ただのエゴになっちゃうのかな?と。新曲は別につくってもいいけど、本当にその新曲が次の「ガーリッシュマインド」になることってある?っていうところですよね。僕は「これがシングルだ!」という、自分たちの中での会心の一撃以外は生む必要はない、と思ってるから。その一撃必殺の魔人の斧を振りかざしながら行きたい、というのが音楽に対してはあるので。地道に一生懸命その辺の雑魚どもを倒してレベル上げしていって、次のレベルになったからこの洞窟に入ろうよ、みたいなことをしたくなくて。だから僕は、「『ガーリッシュマインド』が『紅』ちゃうの? (新曲)要らなくない?このイントロでキャー!!でしょ?」と思ってしまう(笑)。そんなところがあったんですよね。
■あまり曲を書かなかったのが功を奏して
■まだ“隙間”だらけなバンドなので(笑)

──なるほど。それでも今、新曲をつくっているんですよね。

杉本:うん。でも、さっきも言ったみたいに、要らなくなれば要らないでいいし。田澤くんが取材の中で言ってた、「いつか」はあの時にしか生まれない、と。だから「いつか」を越える「いつか」……「またいつか」なのか分からないけど(笑)、それは僕もたしかに違うと思う。それは「いつか」というハードルが高いから、とかいう話じゃなくて、「別物しか常に生まれない」と思っているから。「いつか」の代わりに、例えばライヴのラストでできるような曲が生まれる可能性はあるけれども、「いつか」を越そうぜ、「ガーリッシュマインド」を越そうぜ、という気持ちで書いてしまうのは、根本が間違った音楽のつくり方のような気がしているから。「まだ書いていない曲があるんだよね」というのはいいと思うんですよ。13年も前に解散しているバンドだから、前回の(2016年の)活動の時に書いた11年ぶりの新曲「Days.」のように、良いか悪いかは別として、その当時は書けなかった音楽が生まれているし。短い期間とは言え、またあれから2年が経って、「隙間があって、そのポケットにスポン!とハマる曲が生まれたね」とか、「自分らで隙間が空いてるのは気付いてたけど、当時はスキルなくて埋められなかったものを、今なら埋められるんだね」とかがあるんだったら、新曲が存在しても意味があるし。それがライヴでは披露されない曲になったとしてもね。まぁ、元々既に解散していて、ライヴで披露される曲はないはずのバンドなんだから(笑)。ファンも今より年老いていった先に、「めっちゃ好きやったけど、さすがにもう『ガーリッシュマインド』を聴いてたら頭痛い」とか「めっちゃうるさいな、なんやこれ?!」となってる人が落ち着いて聴ける曲だったらいいかもなぁ、とかね。その真逆で、我々はおじさんおばさんになっていっているけど、「久々にライヴハウス足を運びたくなるわ」みたいな曲が生まれたら、それはそれで素敵なことかもな、とも思うから。結果どういう曲が生まれて来るかはまた別の話として、まぁ、生んでもいいのかな……? 僕がそういう性格で、あまり曲を書かなかったのが功を奏して、まだ“隙間”だらけなバンドなので(笑)。「あ、まだこういうことってやってへんねんな」がいっぱいあるから。「じゃあ、書いてみようかな」となったんです。

──聴けるのがとても楽しみです。「Days.」もすごく良い曲でした。今だからこそ沁みる意味を感じる歌詞で。

杉本:うーん……でも、分からないんですよ。もちろん「Days.」は一生懸命書いたし、これは2016年の最後のライヴでも言ったんですけど、もちろん今の自分の音楽スキルを考えると、「Days.」は自分の持てるスキルすべてを入れたわけではない曲だし、Waiveというものを意識してつくった曲だから、すごく……稚拙な曲の一つだと思ってるんですね、自分の中で。

──とてもピュアな曲ですよね。

杉本:うん、そうですね。ピュア……たしかにそうかも。そこから1年、2年と時が経っていく中で、その歌詞だとか、メッセージに対して自分が思うことだとか、その歌詞に対して自分がこの2年間取ってきた行動だとかが(新たに)存在するようになって来ていて。そのときの自分としてはそんなつもりはなかったけど、「この歌詞に対して僕の取った行動は裏切りでしょ」とか。「逆に傷付いた人いるかもしれないな」と思う部分がいっぱいあるようになってきていて……僕が変に考えすぎなのかもしれないけど。自分の行動、発言に対して「反省しないとなぁ」というか……何て言うんだろう? 「あの時に同じ言葉に対して抱いていた理解の深度を考えると、まだ言っちゃいけなかったな」とか。「こんなことを言っておきながら、こんなことしたのか、俺は」と考えてしまうことがあるんですよね。だから僕の中で「Days.」は既に……悪い意味で取ってほしくはないけど、反省とか、後悔の曲になっているんですよね。比較的スルメ曲だから(笑)、いろんな人に、特に今回の<MUD FRIENDS>では大阪でだけやったんですけど、「あの曲、もっとやったほうが良かったんじゃないの?」と言われたり、ファンの人たちからも「『Days.』がようやく沁みて来た」と言われたりするけど、僕の中では「『Days.』が沁みられると逆にツラい」、というところまでもう行ってしまっていて。大袈裟に言うと「期待を裏切った」というか、「Days.」で書いた自分と今いる自分は、もう重なっていない、というか……そういうことをしてしまったなぁと思っちゃってるんですよね。
──今書いてらっしゃる新曲は、どんな曲なんですか?

杉本:まだ歌詞も書いてないんですけど、メロディーを紡いでいく中で、大人な振りをしたいからテクニカルなことをやってしまって。そうすると、どんどんWaiveっぽくもなくなっていくし、テクニカルになればなるほど「別に誰が書いてもいいんちゃうんか?」みたいな曲になっていって。だから、たとえ「また一緒や」と言われる可能性があったとしても、自分の中で“呼んでいる”メロディーと癖とで、同じ譜割りでつくることにしたんです。なんだかんだ言っても、そこに行くべきなんじゃないのかな?と思うようになって、メロディーが自分の中でどんどん素直なほうに寄って行った。田澤くんのインタビューの中で、僕のつくる曲は「キーが高い」という話をしていたのを読んで、「しめしめ」と思ったのかムカついたのか(笑)、何なのか自分でも分からないけど、こういう性格なので、「じゃあ、キーが低くでもいい曲書いたろか!」と一旦、なっちゃって(笑)。「ごめんやけど、キーとかと関係なく俺はいい曲書けんねん。それを教えてあげてもいいよ?」という気持ちになってしまったので(笑)。

──あのインタビューが影響したんですね(笑)。

杉本:一度はそのスタンスで書き始めたんですけど、曲がいいか悪いかは別として、やっぱりその書き方は邪(よこしま)なので(笑)、やっぱり違うな、と。「善徳くん、また高い曲書いてきたな~」じゃないとあかんのとちゃうかな?となって。実際そっちのほうがハマりのいいメロディーが頭の中では流れているわけだから、「やっぱり、こっちなんじゃないのかな?」という作業をやっていくと、どんどんWaiveっぽくなっていき。そのメロディーの段階で「どういう言葉があてはまるんだろうか?」とか、「自分はどういう感情でこの音に行った時に気持ちいい、“正しい”と思えるんだろう?」と言語化していく作業をする時に、「Days.」に対する反省であったりとか、裏切りであったりとかが、自分の中で顕著に見えてくるようになってしまって……。「Days.」の時に一生懸命「11年ぶりの新曲です、これが僕たちの気持ちです!」と言ってつくったのに、「たった2年で自分はこんなに至らなくなるのか」が見えて来てしまった。それ以外にも、日常生活の中で自分が口に出していることが、いかに取り繕われたものなのか?とか……そういうものがボロボロと剥れて出てきて。その素っ裸にした状態が僕にとっては原点に近いところだから、できた曲は「あ、善徳くんらしいの来たな」になってるのかな?という気はするんですよね。

──実際、キーが高いほう田澤さんらしさが活きる、ということも考慮して作曲されている部分もあるんですか?

杉本:うーん、“高いほうが”とはちょっと違うんですよね。僕なりに琴線に触れるメロディーがやっぱりあって、「田澤くんがどの音からどの音に行った時に、何という文字の言葉が乗っていたら真っ直ぐ来るのか?」とか、これをされた時に男性を感じる、とか、これをこういうふうに歌われた時に女々しさが見えてくる、とか。僕なりに数多く彼の歌を録って来ているから、“データ”として知っているので。「しんどいのも分かるけど、このしんどいメロディーをしんどい言葉でしんどそうな顔で歌ってる田澤くんが……こんなふうに言ったら気持ち悪いかもしれないけど……セクシーだよね」とか。「ここでブレスする瞬間の田澤くんを俺、見たいもんな」とか、「この瞬間に女の子はドキッとするやろうな」という瞬間のヴィジョンがしっかりあるから。結局、似た曲にはなっていく原因もそこにもあって、そういういい瞬間が結果、高い音のところにあることは多いかもしれないですね。やっぱり彼はハイトーンができる人なので。
■僕らを活動させてくれているファンの方々が
■Waiveに対して愛がある

──2月からはツアーもあり、4月30日のZepp Tokyoでのワンマン<GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>に至る様々な動きが控えています。ライヴでは、今制作中の新曲が披露されるかどうかも分からないし、どんな内容になるか、未定でしょうかね……?

杉本:逆にどうします(笑)? 新曲も、ライヴも。

──どうしましょうね(笑)? リスナー目線に立つと、新曲って「今動いているバンドなんだ」という現役感の証のように、私なんかは感じるんですけども。

杉本:あぁ、なるほど。

──でも、「紅」や「ROSIER」を「絶対聴きたいでしょ!」というのも分かりますし、欲張りですが、両方求めてしまいます。新曲が新たな代表曲として増えて行くのが一番ときめく気がしますが、どうでしょうか?

杉本:なるほど。そんな気もしますね。僕はそれに関して、何も分からないんですよね。どうであっても正解だし。これもファンの方から言われて「そうだよねぇ」と思ったことなんですけど、「新曲は要らないです」と。「なぜなら、新曲を出すんだったらしっかり活動を続けてほしいからです」と。10曲つくった、アルバムつくった、となって「これから俺たちバンド活動やっていくぜ!」となるんだったら「Waiveの新曲を聴き込もう!」となるけど、「もう聴けるかどうか分からん新曲を出されても困るねん」みたいなことを言われて(笑)。

──その気持ちも分かります。一理ありますよね。

杉本:そう、「すごく理解できる」と思いながら聞いていたので、それは一つの正解だし。でも真逆な人もいて、「二度と聴けなかろうが、もうライヴが無かろうが、またメンバーが揃ってWaiveが新しい音を奏でている、という事実だけでもうれしいんです」という意見もあって。ありがたすぎる意見だからそこに甘えたくはないけど、でも、事実としてそういう声はあるから、「それもそうだよね、ありがとうね」という気持ちもあるし。僕らメンバー間でもそれはたぶん、あると思うんですよね。「Days.」を録っている時も、「このメンバーでレコーディングしてるのちょっとオモロイね、照れるね」という感覚があったし、「Dear」を録り直した時もそうだったし。何が正解ということはないし、何が間違いというのもきっとないから。
──新曲がなきゃダメってことも、もちろん、全然ないですしね。

杉本:そうですね。次に生まれた曲をファンの人が全員受け入れる、なんてことは絶対にないと思うし、全員が「…はぁ?」と言っても、僕はその曲を受け入れてるから出すんだと思うんですよね。それがアーティスト最大の“譲ってはいけない”ところで。僕個人なのか、Waiveの一つの集合体としてのエゴなのか分からないけれども、それをぶん投げて、あとは「嫌いなら嫌いで構わないけど、できれば好きでいてね」というスタンスで行くしかないんじゃないのかな。その「好き」という声が多かったり、多く届いたりしたら、調子乗ってまた違う曲を書けるかもな?というのが僕らのスタンスなので(笑)。ライヴもそうだけど、人が集まる・集まらないで活動する・しないを決めるのを、「…はぁ?」と言ってるファンの人も実際いるし、声も届くけど。でも、やっぱりこれも正直な気持ちとして、いっぱい人が集まっててテンション上がるのは事実あるから。「あんな状態なんだし、Waiveやっていいんちゃう? やろうよ!」と言ったら皆が「やりたい」って言うし、逆に閑古鳥が鳴き出して、僕が「Waiveをまたやりたくなってきた。あの曲を聴かせたいんだよね」とか言っても、「いや、聴くヤツおらんねん」という状況になったら、やらないと思うんですよ、メンバーも。現状、新曲に関しては僕は、そんな気持ちですね。ちゃんと真摯に向き合った上で、自分の人生で得た喜びとか、逆に悲しみ、苦しみであったり、何なのか分からないけれども、それらがしっかりと詰まったものを出すべきなのかな?って。ソロでも最近は曲も出していないし、人に曲を書く仕事をやらせていただいているけど、人様に書く時に自分の日常で感じているものを曲にするんだ、というチャンスはないから。そう考えたら、やっぱり僕の思っているものを(Waiveで)形にしないとダメなのかな?と思うんですね。

──それをファンの方は一番聴きたいんじゃないですか? たとえ内容がどんなものであろうとも。

杉本:そうであればうれしいですね。田澤くんのファンからしたら「また杉本が曲書いてんのかよ!」とかなるのかもしれないし、「高音過ぎてかわいそうやろ! しんどそうやんけ! いじめないで!」と思われるかもしれないので(笑)。

──そんなことはないと思いますけど………(笑)。ツアータイトルは<Wave to Waive>で、「俺らにはi(愛)がある」という、<MUD FRIENDS>での田澤さんの言葉から閃いたそうですね。以前は案として上がりながらも、照れ臭くて採用して来なかったそうですが。

杉本:はい、もうネタも切れてきたので(笑)。「僕らにi(愛)がある」と言うほど愛があるとは思えないけど(笑)。これは本当に綺麗ごとじゃなくて、僕らを活動させてくれているファンの方々がWaiveに対して愛がある、と感じてるのは事実なんですよ。カッコつけて言うわけじゃなくて、そうじゃなかったらできてないな、とすごく感じているから。こんなに何回も「活動を再開した、復活ライヴします!」と言って人が集まってチヤホヤしてもらえる、なんてことはなかなかないんじゃないのかな?と。我々は恵まれているんだな、という気はしていて。その恵みはどこにあるの?と考えたら、究極はファンにしかないかもしれないぁ、と思ってるんですよね。各メンバーが一線で努力してたからだよ、とか言ってくれる人もいるけど、そんなのは自分たちのためにやっていただけやで、と思うし。やっぱり、Waiveというものを求めてくれる人がいて、メンバーそれぞれの違うところでの活動を主とするファンであったとしても、「Waiveも観よう。この人がやってることだったら観よう」と、各アーティストのファンが思ってくれるようなバンドだった──その事実がすべてなのかな?と。ツアーを回る前にこんな話をするのもなんだけど、愛があるのは僕らというより、ファンのような気がしています。

   ◆   ◆   ◆

インタビューを行ったのは12月中旬のこと。2016年に会場限定で販売した「Days.」の歌詞を話題に出すと、杉本は「裏切り」という単語を繰り返し用い、自分を責めるような言葉を重ねた。ファンが抱いたかもしれないバンドへの期待と、Waiveの実情との間にギャップがあることに対し、心苦しく思っているように感じられた。

「自分のクズっぷりにここ数日は突き落とされてる状態なので(笑)、反省じみたことを語っているだけで。もしかしたらこのインタビューが表に出る頃にはケロッとしながら“なんか偽善者ぶってるわ、コイツ”って言ってるかもしれないですよ(笑)」と笑っていたが、1週間経った今、果たしてどんなモードで過ごしているだろうか? いずれにせよ、Waiveは2019年2月からはツアーをスタートさせるし、新曲をレコーディングする動きもある。Waiveが進んでいく一歩一歩を見守っていこう。動き出してみないことには、その先どんな景色が広がるかをたしかめることは誰にもできないのだから。

取材・文◎大前多恵
ライヴ撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle)
■<Waive TOUR「Wave to Waive」>
2月09日(土) 柏PALOOZA
Open16:30 / Start17:00
2月11日(月・祝) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
Open16:30 / Start17:00
3月17日(日) 仙台HooK
Open16:30 / Start17:00
3月23日(土) 福岡DRUM SON
Open16:30 / Start17:00
3月24日(日) KYOTO MUSE
Open16:30 / Start17:00
4月06日(土) 大阪BIGCAT
Open16:15 / Start17:00
4月07日(日) 名古屋Electric Lady Land
Open16:15 / Start17:00
▼チケット
¥6,500 (税別・ドリンク代別)
一般発売:2018/12/22(土)~
(問)Zeppライブ 03-5575-5170


■<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>

2019年4月30日(火) Zepp Tokyo
Open17:15 / Start18:00
▼チケット
前売料金:1Fスタンディング ¥6,500(税込・Drink代別)
※入場者全員に新録「Dear」のCD音源をプレゼント
一般発売:10/27(土)10:00〜
イープラス http://eplus.jp/waive-gig/
チケットぴあ http://w.pia.jp/t/waive/
ローソンチケット https://l-tike.com/waive
楽天チケット http://r-t.jp/waive
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888

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