ゲームが教えてくれたこと #3 『スマ
ブラ』が切り拓くゲームカルチャーの
未来
『大乱闘スマッシュブラザーズ』いまも
っとも熱いゲームをカルチャーの目線か
ら紐解く
これまではゲームフリークのみの専売特許だったこの手の話題。それが界隈にとどまらず、Yahooのトップニュースに何度も取り上げられた。このことからは、このタイトルに対する社会の熱狂がうかがい知ることができる。普段ゲームをプレイしない層までこのタイトルのことを話題にし、さらには実際に手に取ってプレイしたのだ。
いったいなぜこれほどまでに社会全体を巻き込んで話題となったのか。『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの魅力を、カルチャーの目線から紐解いていく。
『大乱闘スマッシュブラザーズ』の歴史
当時は「任天堂ハード=ファミリー機」「ソニーハード=コアゲーマー機」というような棲み分けがまだなく、おなじ土俵の上で双方のハードが覇権を争っていた。もちろんいまのようにオンラインで対戦するシステムはなく、その時代にあってコントローラを持ち寄れば4人で対戦できるNINTENDO64は画期的なハードだった。まさに思春期真っ只中だったぼくも、友達の家に集まり毎日のようにプレイしていた。
余談だが、初代である『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』は、社内でのコンペに負けた企画だったそう。当時進行していたビッグタイトルの開発が頓挫していなければ、その歴史がはじまらなかったかとおもうと感慨深いものがある。
『スマブラ』が持つ、オリジナルで稀有
なゲーム性
「わかりやすさ」という対戦型格闘ゲー
ムへのアンチテーゼ
1994年にはセガサターンでバーチャファイターが、1997年にはプレイステーションでファイナルファンタジーVIIが登場している。それらよりものちに『スマブラ』が発売されることは、ある種、時代錯誤的で、いま思えば大きなチャレンジだったのかもしれない。
『スマブラ』シリーズは、一般的にこそ対戦型格闘ゲームに分類されることがあるが、公式には対戦アクションゲームと表現されている。このスタンスは2018年となったいまでも変わっておらず、システムが複雑化していく格闘ゲームへのアンチテーゼが開発当初から込められていたようだ。
常識をくつがえす豊かな参戦キャラクタ
ー。お祭りタイトルとしての『スマブラ
』の立ち位置
しかし、『スマブラ』シリーズでは、さまざまなキャラクターが一堂に会するのだ。このお祭り的なゲーム性も『スマブラ』シリーズが広く受け入れられた背景にあるだろう。
最新作の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』には、過去作に登場したすべてのキャラクターが登場しており、そのなかには、
『ロックマン』シリーズ(カプコン)からロックマン
『ストリートファイター』シリーズ(カプコン)からリュウとケン
『パックマン』シリーズ(バンダイナムコ)からパックマン
『ファイナルファンタジー』シリーズ(スクウェア・エニックス)からクラウド
『ベヨネッタ』シリーズ(セガ)からベヨネッタ
『悪魔城ドラキュラ』シリーズ(コナミ)からシモンとリヒター
といった別メーカーからの参戦キャラクターがいる。
ゲームが教えてくれたこと #2 『ペルソナ』の内に人のあるべき姿を見る
あのゲームからこのゲームへ。異なるカ
ルチャーの交点であり続ける『スマッシ
ュブラザーズ』の存在
このようなゲームは任天堂内にはもちろん、ゲーム業界全体を見渡してもほかに例がない。これからe-Sportsが広まっていく時代にあって、『スマッシュブラザーズ』に求められる役割は小さくないだろう。
原作のキャラクターが『スマッシュブラザーズ』へ参戦することで、原作ファンが『スマッシュブラザーズ』のファンとなる。
『スマッシュブラザーズ』で原作を知り、原作タイトルをプレイする人が増える。
この役割を担えるタイトルがほかにあるだろうか。
発売からおよそ1か月。まだまだ普及途上にある最新タイトルがカルチャーに与える影響は、間違いなく大きい。
ゲームが教えてくれたこと #3 『スマブラ』が切り拓くゲームカルチャーの未来はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。