2018年12月23日 at 下北沢DaisyBar

2018年12月23日 at 下北沢DaisyBar

【BALLOND'OR ライヴレポート】
『BALLOND'OR 1MAN GIG
【The Blue Berry Party】』
2018年12月23日 at 下北沢DaisyBar

2018年12月23日 at 下北沢DaisyBar
 BALLOND'ORの2018年東京最後のライヴは、バンドの本拠地である下北沢にファンが集結し、見事ソールドアウトに! JESUS & MARY CHAINが奏でるチェーンソーのようなギターの轟音が鳴り響く中(曲は「Never Understand」だ)、メンバーたちが順々に雄叫びを上げながらステージに現れ、MJM(Vo&Gu)が言った“今すぐぶっ飛びましょう!”を合図に演奏がスタートした。

 キーボードがまるでファンファーレのように鳴る1曲目の「ACID」から†NANCY†(Key &Vo)が叫び声を上げ、コール&レスポンスを求めながら演奏はヒートアップ。そこから†NANCY†とMJMがヴォーカルをリレーする「Vanilla Distortion」、AKAHIGE(Dr)のパワフルなドラムがダンサブルな「Strawberry Rider」とつなげた序盤の段階で早くもスタンディングのフロアーは熱狂。身体をぶつけ合いながら踊り狂う観客の上をダイブする強者に刺激されたのか、MJMも負けじとダイブ! ギターで轟音を奏でていたNIKE(Gu)はステージでジャンプを繰り返した。

 BALLOND'ORが2018年にリリースしたミニアルバム『Blue Liberation』とミニアルバム『BLOOD BERRY FIELDS』のリリースツアーのファイナル公演は、通称“青盤”“赤盤”の二部作だった作品と同様に、表と裏の2回公演となった(表は11月2日の新代田FEVER公演)。その裏ファイナルとなるこの日、彼らが演奏したのはアンコールを含め、全24曲。ホームで開催する裏ファイナルということで、より自由に選曲したのか、青盤と赤盤の曲だけにこだわらず、セットリストには新旧のレパートリーが並んだ。メルヘンチックな「ぬいぐるみが燃えた日」から、2ビートのハードコアナンバーにアンセミックなコーラスを加えた「WULFMAN」、そしてGary Glitterの「Rock and Roll」を思わせるリズムアレンジが面白い「PORNODOLL」まで2時間にわたって熱演した幅広い楽曲は、彼らがグランジとマッドチェスターの出会いという90年代の落とし子とも言える楽曲だけに止まらず、イマジネーションに満ちた曲を作り続けてきたことを改めて印象付けた。

 そして、そんな幅広い楽曲を貫いているのが、MJMが歌うアンセミックなフックを持ったメロディーなのだが、バンドは“新曲やります!”(MJM)とこの日、会場限定でリリースしたカセットテープ「SMELL MERMAID」からも表題曲と「Heart to xxx」の2曲を披露した。前者はNIKEのギターがフリーキーに鳴るサーフっぽいパンクナンバー。後者は“世界中のバンドの中で一番(バンドっぽい)バンドなのかな”とMJMが言うTHE STROKESの「Hard To Explain」に日本語の歌詞を乗せたBALLOND'ORらしいカバー。ともに観客の反応は上々だった。

 失恋の絶望から家に引きこもっていたMJM。そんな彼を見ていられなかったというNIKEに声をかけられて始まったBALLOND'ORがアパートで5~6人の客を前に演奏した日から3年。下北沢のライヴハウスをいっぱいにできたことに対して“クリスマス前の下北沢にこんなに集まってもらえるなんて思ってなかった。クリスマスに来られるなんて立派なろくでなしだよ(笑)”とMJMは彼らしい言葉で感謝を述べたが、その3年の集大成とも言えるライヴは、新曲を加えたことでバンドのさらなる前進を期待させるものになったんじゃないか。

 本編の最後を飾った美しいバロック調のサイケポップナンバー「ANGEL FISH」を演奏する直前、MJMは“この人のためなら死ねるとか命懸けで守りたいとか、一緒に空を見上げたいとか、そういう人を、そういう感覚を見つける旅のような気がしている”と自分が音楽に取り組む気持ちを語った。その言葉を僕はMJMの中で起こった心境の変化の表れだと受け取った。“パンクロックに出会い、衝撃を受けた時のピュアな気持ちを思い出すために音楽を作り、その曲をライヴハウスで演奏した時、その気持ちをはっきりと思い出す”と語ったMJMの意識は、今、確実に未来に向かい始めている。

 前述したミニアルバム2枚に5月にリリースしたFINLANDSとのスプリット盤EP『NEW DUBBING』も含め、リリースラッシュとなった2018年は後々、BALLOND'ORにとって大きな転機になった年として語られることになるだろう。メンバーたちも大きな手応えと、それがさらに大きなものになる予感を感じてるようだ。さぁ、この小さなライヴハウスの熱狂を、どれだけ大きなものにしていけるか!?

 2019年4月12日に新代田FEVERで“TRAINSPOTTING PEEPS”と題したワンマンライヴを開催することを発表すると、「ANGEL FISH」のデイドリーミンなムードから一転、アンコールは衝動を叩き付けるように「HATE SCHOOL MATE」と「BOYS & BOYS」の2曲をぶっ放して、フロアーに身を乗り出したMJMはそのままダイブ。そして、大暴れする観客の上を泳ぎながら歌った!

取材:山口智男


セットリスト

  1. 1. ACID
  2. 2. Vanilla Distortion
  3. 3. Strawberry Rider
  4. 4. PASTDOWNERS
  5. 5. ICE BOY
  6. 6. DIVE TO DIE
  7. 7. ブリングリング
  8. 8. Smell Mermaid
  9. 9. Heart to xxx
  10. 10. LOLITA JUICE
  11. 11. 悪魔の二人
  12. 12. ぬいぐるみが燃えた日
  13. 13. リトルボーイ
  14. 14. リトルダンサー
  15. 15. WULFMAN
  16. 16. NOISE YOUTH
  17. 17. PORNODOLL
  18. 18. PINK PEOPLES
  19. 19. SUICIDE HEADS
  20. 20. 天国の泡
  21. 21. チルアウツ
  22. 22. ANGEL FISH
  23. <ENCORE>
  24. 1. HATE SCHOOL MATE
  25. 2. BOYS & BOYS
BALLOND'OR プロフィール

バロンドール:MJMとNIKEを中心に下北沢にて結成。2017年、夜の本気ダンスなどが所属するactwiseへ加入。18年7月11日にミニアルバム『Blue Liberation』、10月3日にミニアルバム『BLOOD BERRY FIELDS』を2枚連続リリースする。BALLOND'OR オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • the Homeground
  • Key Person
  • 気になるワードでディグる! 〇〇なMV

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada(PRIZMAX) / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」