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【ナノ インタビュー】
“勝負”の2019年を幕開ける
チャレンジングな最新シングル

チャレンジ、チェンジ、そして勝負の一年ーー。これまで数々のアニメタイアップ曲を発表してきたナノの2019年第一弾シングル「KEMURIKUSA」は、そんな力強い言葉たちに彩られている。タイアップでありながら“まるで自分の色”と語る新作との運命的な出会いとは?

ニューシングルはアニメ『ケムリクサ』のオープニングテーマで、その名も“KEMURIKUSA”。作品名をそのまま曲名に持ってくるって、かなり珍しくありません?

初めてですね。実は曲ができる前、『ケムリクサ』のたつき監督と打ち合わせをした時点で、タイトルはこれにしようと決めていたんです。そうすることで“作品を背負っていくんだ”という、良い意味での重しを曲に乗せたかったし、実際に制作が進むにつれて“この曲は「KEMURIKUSA」だ!”って自信を持てるようになってきたんですね。それと同時に、同名アニメのオープニングテーマというだけでなく、この曲自体が自分のものになっていく感覚を味わえたんですよ。

“自分のもの”とはどういうことですか?

作品の世界観を忠実に曲に落とし込みつつ、それがずっと自分がやりたかったことに上手くリンクしているというか。この曲って自分の大好きなものが全部詰まっているんですよ。ラップもそうですし、激しくて、ダークで、エモーショナルで…でも、ほんとに微量ですけど希望も入っていて。そのさじ加減が自分の得意とするバランスなんですよね。

分かります。葛藤にまみれながらも闘っていくんだという意志を感じさせる歌声は実にエモーショナルで、歌詞は絶望の色が濃いけれど、疑問形で終わるラップ詞にわずかに希望が見えたりして。

資料でいただいた映像を観た時に、光のためというよりは、何かを壊してでも自分たちを守るために闘っていかなきゃいけないっていう必死な感じが、すごく伝わってきたんです。そこに映像に出てきた“トンネル”だとか、重要なモチーフである“煙”という単語も入れて、これまでに出した激しい曲に比べても、特に歌声にはエモーショナルに苦しさを出してみました。そういう意味では、すごく現実的な歌ですね。まったく綺麗事ではない。監督と話した段階で“激しめのエモーショナルな曲でやりましょう”ということになっていたので、そこはスムーズでした。

なるほど。『ケムリクサ』という作品の世界観と、ナノさん自身の個性がぴったり合致したんですね。

おまけに『ケムリクサ』のテーマカラーって黒とマゼンタなんですけど、実は自分もデビューした時から黒とマゼンタをテーマカラーにしてやってきたんです。その2色の組み合わせってパンクな印象も強いし、そもそも7年前に初めて発表したオリジナル曲のタイトルも“magenta”なんですよ。それもあって違和感なく作品に入り込めたし、この曲で前に進むと同時に過去の自分も呼び起こされたような、今までにない喜びを感じられたんです。年明け早々に新作が出るのもあり、2019年はいつにも増して勝負の年だと気合が入っていて、チャレンジとチェンジの一年にしたいと思っていたところ、こんなに打って付けの曲が来て本当に嬉しいですね。

勝負のタイミングに、ちょうど過去と未来をつないでくれる作品に出会えたと。

ほんとにそんな感じです。歌っていても“これは自分にしか表現できない世界観だな”って自信を持って気持ち良く歌えるので、ライヴでやるのがすごく楽しみですね。ただ、実はすごく難しい曲でもあって。MVの撮影で40回くらい歌ったんですけど、終わった頃には死んでたくらいエネルギー消費の激しい曲なんで、セットリストを組む時は考えないと(笑)。でも、だからこそ自分にしかできない曲なんだと思いますし、この曲には絶対負けたくないですね。このパワフルさにもひとつのチャレンジを与えられてます。

それで言うとカップリングの「Spiral Eye」もダンスビートの利いた、非常にチャレンジングな曲ですよね。

まさに表題曲も併せて“新しいナノ”を見せたかったのと、アニメから入ってこのシングルで初めてナノに触れる人も多いだろうから、誰もが聴いて楽しめる曲にしたかったんです。なので、よりリズミカルで歌えるような英詞にして、純粋に音に乗って楽しんでもらえればいいかなと。でも、実は歌詞も今までに挑戦したことのないタイプになっていて、現代のネット社会を風刺しているんですよ。タイトルの“Spiral Eye”も画面に向かいすぎて目が回っている様子を比喩したものなんですね。実際に英語でそういう言い回しがあるわけじゃないけど、よく漫画で目がグルグルになってる表現があるじゃないですか。あんな感じで目が回ってて、自分の人生もスパイラルして吸い込まれていく…的なイメージ。

ノリの良い曲ですから、こちらもライヴが楽しみですね。3月16日には渋谷ストリームホールでワンマンも決まっていますし。

6年前の3月16日に新木場STUDIO COASTで初ライヴをしているので、この日は記念日なんですよ。なので、より特別感がありますし、6年前にも来てくれた人には、どれだけ成長できたかを証明したいですね。もちろん当時いなかった人たちにも現時点での最高の自分を観せたいですし、今までで一番パワフルなライヴにしようと思ってます。自分のアイデンティティーの全てが詰まっている“ナノ”という名を、この日もファンの方々にぜひ大声で叫んでもらえたらなと。

今年3月にはデビュー7周年も迎えますし、ある意味“ラッキー7”の年だけに期待してます。

“ラッキー7”っていいですね。2019年が異常に楽しみなのって、そのせいなのかもしれない(笑)。今年、掲げている自分の漢字が“未”なんですけど、それも“未知の未来に挑戦していきたい”っていう想いからなんですね。そんな一年にしたいし、みんなにも“今年のナノは今まで見せてくれなかった何かを見せてくれるんじゃないか?”って期待していてもらいたい。本当に今年は気合の入る一年になる予感がしているので、この「KEMURIKUSA」とともに勢いを付けて羽ばたいていきたいと思います。

取材:清水素子

シングル「KEMURIKUSA」2019年2月6日発売 FlyingDog
    • VTCL-35297
    • ¥1,300(税抜)

『ナノ ワンマンライブ「Remember again」』

3/16(土) 東京・渋谷ストリームホール

ナノ プロフィール

ナノ:アメリカ・ニューヨーク州出身。卓越した歌唱力で日本語と英語を使い分けるバイリンガルシンガー。2010年よりYouTubeなどの動画サイトに、洋楽等のカバー楽曲の投稿を始め、12年に1stシングル「nanoir」にてデビュー。オリコンデイリーランキング10位を記録し、新人では異例のチャートアクションを起こす。翌年3月に行なわれた新木場STUDIO COASTでの1stライヴは2,500枚が即日完売に。15年に発売した3rdアルバム『Rock on.』はオリコンデイリーランキング4位を獲得するなど、J-POP界において、確固たる地位を築いている。また、これまで数多くのアニメ主題歌を担当、国内のみならず海外からの支持も獲得し、海外ワンマン公演をはじめ、数々の海外フェスにも出演。YouTubeオリジナルコンテンツは総再生回数1億回超え、2020年に行なった配信ライヴでは日本を含めた世界23カ国にて視聴された。その人気はとどまることをしらず、その歌声に、国境はない。ナノ オフィシャルHP

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シングル「KEMURIKUSA」

「KEMURIKUSA」MV(Short ver)

「KEMURIKUSA」SPOT映像

OKMusic編集部

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