内田真礼 2019年元日にファンへ贈っ
たとびきりのお年玉~『UCHIDA MAAY
A New Year LIVE 2019「take you ta
ke me BUDOKAN!!」』レポート

アニメ声優として数々の魅力あふれるヒロインを演じるだけでなく、精力的なアーティスト活動も展開して人気を呼んでいる内田真礼。昨年夏には初のライブツアー『「Magic Number」TOUR 2018』を東京・大阪・福岡で開催し、ハイテンションなライブパフォーマンスで各会場を沸かせた彼女が、いよいよアーティストライブの殿堂ともいえる日本武道館へと辿り着いた。春には元号も変わり、新時代の幕開けとなる2019年1月1日に開催された『UCHIDA MAAYA New Year LIVE 2019「take you take me BUDOKAN!!」』で、内田真礼はどんなパフォーマンスでを自らの2019年を表現したのか? そのライブの様子をレポートしていこう。
巨大船で武道館ごと観客と船旅へ
内田真礼初の武道館単独ライブに集まった満員のファンを出迎えたのは、巨大な船を模したステージだった。アリーナには船首と甲板が広がり、その後方には段差が着いて左右に伸びる二つ目の甲板、そこから階段を上がった先は光り輝く操舵輪を中心にMaaya Bandの面々が陣取るバンドスペースと、立体的な三段構えの構造。このステージでどんなライブパフォーマンスが展開するのかとファンの期待が膨らむ中、バンドの面々がステージに現れると同時に会場内は大きな歓声と白いコンサートライトの光に包まれた。
そしていよいよライブがスタート。正月と言えばコレという定番曲『春の海』のロックアレンジに乗せて、新年をイメージしたジャパネスクグラフィックが次々と映し出されるオープニングムービーが終わると同時に、白いドレスをまとった内田真礼がステージ最上段に登場。
「ハッピーニューイヤー!」
元気な新年の挨拶とともに始まったオープニングナンバーは、デビューシングルのカップリング曲『高鳴りのソルフェージュ』。唄うことへの想いを綴ったアーティストとしての原点といえる曲をバンドメンバー紹介&ソロセッションを交えながら唄いきると、そのまま二曲目の『take you take me BANDWAGON』に突入。今回のライブタイトルもこの楽曲名にちなんでおり、ファンと一緒にライブで盛り上がろうという気持ちを込めた元気あふれるアップテンポなナンバーを、内田は極彩色のライティングの中でダンスも交えながら披露して会場は早くもテンションMAXに。
「みなさん、あけましておめでとうございます! 今日は思う存分楽しんでいってくださいね!」
曲を終えた内田は、お正月から武道館まで足を運んでくれたファン全員に新年の挨拶を贈ると、すぐさまライブをリスタート。三曲目は女性ダンサーチーム・Maaya Dancersを従えてのダンサブルナンバー『ロマンティックダンサー』。内田もダンサーも全員が純白のドレスをまとい、激しいダンスに合わせてドレスがはためくとライティングによって様々な色に変化し、情熱的な歌を視覚も交えて盛り上げていく。
そして四曲目で早くも内田真礼ライブの大定番『クロスファイア』が登場。内田が大好きな野球をモチーフにした熱い曲に、会場内もスタジアムのような一体感に。さらにこの曲ではおなじみとなった、内田がバッティングで客席にゴムボールを打ち込むパフォーマンスも披露。そんな彼女のハイテンションに、ファンも会場内もオレンジのコンサートライトで染め上げて応えた。
『クロスファイア』を歌い終えた内田は、先ほどのティーバッティングの感想などを述べながらのMCで一息つくと「まだまだどんどん盛り上がっていきましょう!」とすぐさま五曲目『aventure blue』に突入。広大な空や海を進む冒険をイメージした曲に合わせて、ライティングやコンサートライトはすべて青一色に。そこに雲のようなスモークが流れ込み、広大な海と化した会場内で内田はさわやかに熱唱。さらに間奏時にダンサー達が内田を取り囲み、その輪が解かれると赤のジャケットと黒い三角帽を身につけて海賊船長となった内田が出現! そのままステージ最上段へと上がり、操舵輪の前で曲の後半を一気に唄いきる。ステージが船を模しているのと合わせて、この武道館ライブを「ファンとともに大海原に繰り出す航海」と位置づけた粋な演出だ。
そんな内田船長の周りに、海賊の手下に扮したダンサー達がライブタイトルを染め上げたフラッグをかざして登場。そんな手下達を従えて内田船長が唄う六曲目は『+INTERSECT+』。出会いのときめきを情感たっぷりに歌い上げるナンバーを、内田はダンサーを従えてアリーナの甲板ステージへと降りてステージ最前で熱唱。歌の中の出会った相手を会場に来てくれたファン一人一人に見立てるように唄いきったところで、二度目のMCタイムに。
「みんな熱いねー! 1月1日、日本は寒いですけど……みなさんはいまヨーロッパです! わたしの船へようこそ!」
このめでたい新年最初の日に、2019年はファンとともに「Maaya船」に乗り込んで世界へ旅立とうというライブのコンセプトを明かして、再びライブがスタート。再開の七曲目は『アイマイ☆シェイキーハート』、八曲目は『からっぽカプセル』とバンドサウンドを前面に押し出したナンバーの連続で会場のテンションは再び最高潮に。さらに『からっぽカプセル』の間奏では、内田船長に敵が襲いかかるといった殺陣の演出が!
黒装束で光る剣(LEDポイ[※ジャグリングに用いる長い棒状のパフォーマンス道具])を振りかざして襲いかかる敵に対し、同じく内田船長もポイを操り見事な動きで撃退していくパフォーマンスに会場は大歓声に包まれた。
歌を終えて内田が引き上げると、ステージではダンスパフォーマンスがスタート。ジャパネスクなSoundに合わせて、先ほど敵役で登場した「Maaya Poi Dancers」がニュージーランドの伝統舞踊「ポイ」をベースにしたパフォーマンスを披露。暗いステージ上でまばゆく光るライトを激しく回転させて、レーザービームとともに光の乱舞で彩る様に観客からは惜しみない歓声が送られた。
情感あふれる熱唱に場内は海原のようにブルーライトで染め上げられる
ダンスパフォーマンスが終わると、ステージに桃色のドレスにベールをまとった内田が登場。九曲目として披露されたのは、昨年末に最終回を迎えて盛り上がったTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』のエンディングテーマ『youthful beautiful』。スクリーンに流れる作品のロケ地で撮影したPVをバックに、青春の儚さ、力強さを情感たっぷりに歌い上げる内田に合わせるように、ファンは客席を白いコンサートライトで埋めつくして応える。そしてライティングもブルーから紫へと変化し、最新アルバムのタイトルやモチーフにもなったマジックアワーのような風情を生み出して、青春の終わりを演出しているようにもみえる。
続く十曲目も情感あふれるナンバー『c.o.s.m.o.s』。夜明けを待つ情景を唄う曲に合わせるように客席はブルーのコンサートライトで染まり、内田はアリーナ甲板ステージ前面の円形エリアへ。中央と周りが個々にせり上がるギミックが仕込まれたそのエリアで、Poi Dancersの光のパフォーマンスに囲まれながら内田は客席を見下ろす高さへとせり上がっていく。そして曲の終盤にはキラキラと光が反射する紙吹雪がステージに降り注ぎ、ライティングを浴びて歌詞で唄われた朝陽のきらめきのような情景が広がっていく。そんな中で歌い終えた内田の立つエリアだけが沈み込んでいき、その姿は再びステージから見えなくなった。
円形エリアが完全に下がると、そこに現れたのは椅子に座った内田真礼とMaaya Bandの面々。
「見ての通り、私達センターステージに陣を構えてしまいました。色んなわたしの歌を皆さんに聴いてほしいなと思って、こういう形でお届けしようと思います」
そしてライブを支えてくれるバンドやスタッフチーム、そして声援を送ってくれるファンへの感謝の思いを伝えて、アコースティックステージの幕が開いた。披露されたのは最新アルバムより『magic hour』と、歌う事への喜びを綴ったナンバー『わたしのステージ』のアコースティックバージョン。どちらも内田が作詞で参加している楽曲だ。シンプルなライティングのみのステージで、静かだが情感たっぷりに歌い込む。すべてのファンの目と耳はステージに釘付けとなり、内田が歌い終えると同時に場内は万雷の拍手に包まれた。
アコースティックバージョンを歌い終えると「昨日はちゃんと寝ましたか? コミケ行ってたんじゃないの?」などのファンとのやりとりで笑いを誘った後、十三曲目となる最新シングルのカップリング曲『君のヒロインでいるために』がスタート。RPGをモチーフとした歌詞とあって、ポンチョやチャイナ服、アラビアンに魔法使いとバラエティに富んだコスチュームのダンサー達と共に女の子の恋心をポップに歌い上げ、「みんな一緒に歌って下さい!」という内田のコールにラストはファンも一緒に「ラララ」コールを合わせるなど、武道館全体が一体感で包まれる時間となった。
その暖かな雰囲気のまま、十四曲目『シンボリックビュー』を歌詞にある群青の空のような青のライティングの中で突き抜けるように唄いきると、次の曲の前に「満員の皆さんと一緒に唄いたい歌があるんですけど」という内田からのリクエストが。その曲が十五曲目となる『Applause』。皆の応援でがんばれる前向きな気持ちを唄ったこの曲のサビがクラップコールを求める内容なので、曲の前にその部分を全員で二回ほど練習してから曲に突入。ステージ最上段に上がった内田の「行くよー!」コールに合わせて、会場全体が一つとなって見事にクラップコールは成功。アコースティックステージから連続したファンを巻き込んでのパフォーマンスの連続は、このナンバーで見事大団円となった。
次の準備のために内田がステージから消え、Maaya Bandによる激しいロックセッションが終わると、いよいよライブはクライマックスへ。ステージ中央に着物の意匠を取り込んだ和装姿の内田が登場すると十六曲目『世界が形失くしても』がスタート。激しい曲に合わせてライティング&コンサートライトで会場内が真紅に染まり、間奏のギターソロでは内田もそれに合わせてダンスを披露するなど熱いステージパフォーマンスが繰り広げられた。
2019年は内田真礼といれば幸せになれる!
曲の後のMCタイムではあっという間に駆け抜けてきた今日のライブを振り返りつつ、
「明日も休みでしょ? どこかでかける? でかけないなら、2018年から持ってきたダメなものとかぜーんぶだして、ここではっちゃけられるよね? 2019年楽しいことしかないよね!? 内田真礼といたら幸せになれます!」
会場のボルテージをあげ、ラストスパートを仕掛けていく。その皮切りはファーストアルバムのオープニングナンバー『Hello, 1st contact!』からの『ギミー! レボリューション』という内田真礼ライブで盛り上がり必至の定番セットリスト。七色のレーザーとライティングが飛び交い、サビでは会場全体での「レスキュー!」コールも決まり、ラストスパートに相応しいヒートアップぶり。さらにノンストップで『Smiling Spiral』へと突入し、こちらでも曲に合わせての「You can do it! ガ・ン・バ・レ!コールが会場を揺るがすほどのボリュームで響き渡る。
「みんなありがとう! 最強のパワーもらいました! 最後の曲も盛り上がっていきましょう!」
内田は三曲連続ノンストップでの盛り上がりにお礼を述べると、いよいよラストナンバー『Hello, future contact!』へ。お正月ライブのラストを締めくくるにはぴったりの明日への希望をポップに歌い上げたナンバーに、ファンもコールで歌に参加して一緒に盛り上がりって、熱く幸せな空気で武道館を満たす。そんな幸せなハイテンションのままライブは一旦幕を閉じた。
ステージが暗転するやいなや、場内をアンコールを求める「マーヤ!」コールが埋めつくす。そして数分後、「アンコールありがとー!」という言葉とともにライブTシャツ姿の内田真礼がステージに登場。アンコール一曲目はあなたの声援が自分の力となるという想いを唄った『Step to Next Star!!』と、新春ライブのこのシチュエーションにこれ以上ないくらいハマったナンバーからスタート。その想いを伝えるように、ステージを縦横無尽に移動しながら客席の間近で歌を届ける内田にファンも歓声で応える。
「本当にあっという間だね…このあっという間感は2018年も2019年も変わらないね」
ここまで21曲を唄った二時間を振り返る言葉からアンコールMCはスタート。今年の干支である猪のぬいぐるみが付いたヘッドセットを付けて笑いを誘いながら、「もっとみんなと一緒にいられる時間を作れるように、ライブをたくさんしたい」と2019年の抱負を語った。
そしてアンコール二曲目は、昨年開設されたオフィシャルファンクラブ「LIFE IS LIKE A SUNNY DAY」のオリジナルソング『サニーデイ・アンセム』。フルバージョンのライブでのお披露目はこれが初ということで、みんなが一緒に歌えるようにスクリーンには歌詞スーパー付きのライブ映像が。曲の終盤では内田が客席にマイクを向けてみんなの声をすくい上げながら共に唄うシーンも。
曲を終えた内田真礼から、4月27日・東京&28日・大阪でのファンクラブイベント2daysの開催決定や、ニューシングルの制作決定などのファンに嬉しいお知らせが告げられる。そして「1月1日なので、わたしのスタートのこの曲もみなさんに聴いてほしい」という言葉とともに、アンコール三曲目を飾ったのは内田真礼のデビュー曲『創傷イノセンス』。ハードなナンバーに合わせて、場内はライティングとコンサートライトで赤く染まり、ステージ上で炎が吹き上がる演出も加わって曲を熱く盛り上げる。そんな中で、内田はせり上がった円形エリアから自身の原点でもあるこの曲を疾走感満点に熱唱して、アンコールのラストを飾った。
曲の後、まだまだ内田真礼を聴き足りないファンからの「もう一回!」コールが場内に鳴り響く。
「ありがとうございます! みんなわたしのこと好きだねー? わたしも大好きだよー!」
アンコールのアンコールで初武道館への気持ちを告白
さらなるアンコールに応えて内田真礼が再び登場。共にステージを盛り上げたバンドやダンサー達も呼び込んで、挨拶やファンみんなとの記念写真撮影を挟んで、今回の武道館ライブへの想いを語った。
武道館ライブが決定してから半年の間、どんなライブにしようかをずっと考え続けていたが「Maayaチームでのライブをみんなと共有したい、だからいつものライブをやろうと思った」と、自然体で挑んだのが今回のライブだったとのこと。
「この景色を見るために、また武道館に来たい。この平成最後の武道館ライブは、一生忘れない宝物になると思う。そして2019年もアクセル全開でぶっ飛ばしていきたいと思います!」
そんな決意表明とともに、ダブルアンコール一曲目『Shiny drive, Moony dive』がスタート。陽気なナンバーに合わせてダンサーとともにステージ左右を練り歩いて唄うと、ラストは全員でトレインを組んでアリーナの甲板ステージ中央に。そしてノンストップでライブ冒頭に唄った『take you take me BANDWAGON』がスタート。内田と共に、ギター&ベースもアリーナの甲板ステージに立ち、またPoi Dancersも再登場。スクリーンにエンディングテロップが流れる中で、内田も絶叫するようなハイテンションで武道館ステージのラストを盛り上げた。そしてスクリーンには内田からの手書きのメッセージと、ダブルアンコール冒頭で撮影した記念写真が大きく映し出され、平成最後の武道館にして、内田真礼の新たなスタートとなるライブは幕を閉じた。
「今日は本当にありがとうございましたー! 今年もよろしくお願いしまーす!」
最後に内田はマイクを通さない生の声で、ファンのみんなへ新年の挨拶。そして最後までステージに残り、客席全てに礼をすると、
「ありがとうございました! また会おうねー! みんな大好きー!」
のメッセージと投げキッスでライブを締めくくった。
アーティスト活動5年目に突入し、ライブパフォーマンスにますます磨きがかかったことを実感させてくれた今回の『UCHIDA MAAYA New Year LIVE 2019「take you take me BUDOKAN!!」』。2019年の内田真礼ははどこまてパワーアップしていくのかに期待が膨らむ、ファンには嬉しい新春のお年玉のような一夜だったに違いないだろう。
取材・文:斉藤直樹

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