僕らは、ひとりじゃない。スカイピー
スが夢の舞台で教えてくれたこと

あの日の大合唱が、いまも胸に残ってい

スカイピースが12月28日、お台場・Zepp Diver Cityにて冬の全国ツアー「Dream Stage Welcome in SkyPeaceisen Party Time」のファイナルを迎えた。全11公演のフィナーレであり、Zepp Diver Cityは2人がメジャーデビュー前から「いつかあのステージに立てたら」と憧れていた夢の舞台。映像、ダンス、弾き語り、MCなど、スカイピースの魅力が総結集した熱演をレポート。

Photography_KEITA SAWA
Text_KENTA BABA

2人がたどり着いた、夢の舞台。

遡ること約2年前、2017年3月。
☆イニ☆(じん)はZepp Diver Cityの後方客席からステージを眺めて、こんなツイートをしていた。

「いつかスカイピースであの会場埋めれたらいいなぁ。」
テオくんはこのツイートに対し、「埋めてやろうぜ」とコメント。
その半年後、メジャーデビューを果たし、昨年リリースされた1stミニアルバム『
(ピース)』はiTunes総合チャートで2位、J-POPチャート1位を獲得。アーティストとしても破竹の勢いで進化を続けてきた。

ツアーのために書き下ろした『証明』。
最高級の幕開け。

ふたりが「いつか」と思い描いてきた夢はこの日、現実になった。大勢のファンがZepp Diver Cityを埋め尽くし、会場内は2F後方のスタンディングスペースまで超満員。今回がスカイピースにとって夢のステージであること、ファイナル公演ということで開演前から会場のいたるところで「(楽しみすぎて)やばいやばいやばい」という声が聞こえ、抑えきれない高揚感が会場全体を包んでいた。
「10、9、8、7….」
開演を告げるカウントダウンの後、ステージ上はスモークで覆われ、ツアーの開始にあわせて発表された新曲『証明』から本編がスタート。2人の力強い声が響き渡り、ビートが刻まれ音が重なっていくと同時に2つめの幕が開け、煙の中から☆イニ☆とテオくんがダンサーとともに登場した。

「さぁ、今がそのときだ。自分を”証明”しよう」

ここに至るまでの想いが込められたエモーショナルな歌詞を畳み掛ける前半、会場全体でジャンプし掛け声をあわせる後半と、登場曲として完璧すぎる構成で一気に会場内のボルテージは最高潮に達した。
その後『雨が降るから虹が出る』『ななみちゃん応援ソング』を立て続けに披露。特製のペンライトにより、会場全体がスカイブルー、赤、黄、緑、ピンクに彩られ、終始割れんばかりの歓声があがっていた。
ステージ上には、お城を見立てたセットが組み上げられていた。Zepp Osaka公演のリハーサル時間に撮影されたこちらの動画を観るとステージ上の様子がよくわかります。

登場がかっこよすぎたのでいつもどおり
の和やかトークが一層萌える説

(3曲目終わり、はじめのMCにて) テオ:「いやーーーエモい」 ☆イニ☆:「エモいよね」 テオ:「ちょっと….もうじんたん泣きそうになってる!?まだ早いよ!」

とMCの冒頭では感傷的になりかける場面もありつつ、お決まりの挨拶を終え、いつも動画でみせてくれるような和やかなトークを展開。

テオ:「はじめの登場シーンで実はちょっと足をくじきかけまして。クニって。」 ☆イニ☆:「スモークがすごかったからね」 テオ:「あと東京は空気が乾燥してるのかな?喉の奥が何回もピタッッッってくっついちゃって」 ☆イニ☆:「なるなる!ピタッッ!!!!って」 テオ:「前歯と上唇もたまにくっついちゃってさ。歌いながら歯がむき出しになっちゃってた」 ☆イニ☆:「それは出っ歯あるあるだ。上唇が戻らないんだよね」

1曲目〜3曲目にかけて圧倒的スター感を放っていただけに、このようないつも通りの和やかトークが余計に尊く感じられた。2人とも水や白湯でコマメに水分を補給しており、そのときは一瞬だけ静寂が訪れるのだが、すぐに会場中から「テオくーん!じんたーん!」と声があがる。「ちょっっwww水飲んでるときは喋れないからね!」とゴボゴボいいつつもファンからの声援に応えていた。

アーティストとしてのスカイピースの真

続けて披露された『100年後も忘れないライブを』にこのような一節がある。

「ファンとかアーティストとか関係ないね」

言葉だけを切り取ると綺麗事のように聞こえてしまうけれど、スカイピースのライブではマジでそのことを体感できる。観客のバイブスが非常に高いので「声出すの恥ずかしい」的な日本人的な恥じらいが消えてしまうのだ。
コール&レスポンスやライブにおける意気込み、注意事項がすべて1曲のなかに集約され、瞬時に会場全体が大盛り上がりになってしまうキラーチューン。

スカイピースはYoutuberとして圧倒的な人気を誇るため、ライブに足を運んだことのない人は「Youtubeがメインで、音楽も(ついでに)やっている人たち」という認識を持っている人も少なからずいると思う。
『君の笑顔に恋をした』では「なんで冷やし中華なんだよ!」の掛け声がマスト。曲中一度だけなので、言い逃さないようにしたい

ただ、ライブにいくとわかる。スカイピースは「Youtuber×音楽」の相乗効果で、アーティストとしても新しい次元に達しつつある。

Youtuberとして圧倒的に自分たちをさらけだし、ファンと日常的にコミュニケーションをとっているからこそ生まれるグルーヴ。そこにネットラッパーとしてソロで頭角を現していたじんたんが大舞台を数多く経験することで蓄積されるスキルと、テオくんの歌唱力・ステージング・スター性(何をやっても上手&ストイック)など元来備えていたポテンシャルが結実し「Youtuber兼アーティスト」を完全に両立させつつあるのが今のスカイピースだ。

その結果、会場の熱量が極めて高い&楽曲はライブでの盛り上がりを踏まえて作成されているものも多いため、初見だとしてもなんかめっちゃ盛り上がってしまう、みたいなことが起こる。
以前レポートした柏でのライブでファンにインタビューを行ったところ「ライブに行ったことでファンになった」という人も見受けられた

夢の舞台でみせた、新しい挑戦と変わら
ないルーツ。

ライブ中盤では、2人とも各々がソロでダンスに初挑戦。「常に新しい事に挑戦しよう 下手だって良い可能性を(『Rock Party』)」の言葉を体現しつつ、可能性どころではないクオリティに会場は大沸騰。
Youtube動画内では「オフのときオーラゼロ、人間界じゃ下、馬界でのイケメン」などとイジられることもあるテオくん。「今日だけはほんの少しかっこつけさせていただきます」と始まったダンスが圧巻だった


その後、☆イニ☆のソロパートでのMCも印象的だった。

「街で僕たちのことを見かけたときに、あ、Youtuberだ、とかVineの人だ、とか、今だったら、Tiktokのひとだ、って声をかけてもらいます。どんなきっかけでも僕らの存在を知ってもらえるのはすごく嬉しいことです。
だけど、もともとどこからはじまったか、僕が生まれた場所はどこにあるかは、知っていてくれるともっと嬉しいです」

そう前置きして披露したのは、ネットラップへの敬意、感謝を示した『俺の居場所』。
俺の居場所 ver ☆イニ☆

ニコニコ動画を中心として2010年代前後にひとつのシーンを築き上げたネットラップ文化。

中では、DAOKOやぼくのりりっくぼうよみなどメジャーシーンへ羽ばたいたアーティストもいるが、☆イニ☆は、「ものすごくかっこいいラップをしていたのに、もう歌うことができなくなってしまった先輩」について語り、涙を流し、言葉を詰まらせていた。

「マイルーム 自宅から発信 いつかこの声届くまで」(『俺の居場所』より)

☆イニ☆がここで感情を高ぶらせたのは理由がある。後で歌詞に出てきていたフレーズを調べてわかったことなのだけど、彼のルーツがネットラップにあることは、夢の舞台だからこそ必ず伝えておきたかったことなのだろう。今はもう会うことができないところまで行ってしまった人に対しても、忘れていないこと、覚え続けていることを伝えたい。そんな意思を感じさせるステージだった。

「僕らはひとりじゃない」

この日のステージはハイライトだらけだったが、最も印象的なシーンは、それぞれのソロパートが終わり、ふたたびふたりになったときに訪れた。テオくんの弾き語りで『もっと頑張れ、自分』を披露したのだが、音源とちがい、今回のツアーのために特別に追加した一節があり、そこを会場全員で合唱しようという。
その一節は

「僕らはひとりじゃない」

曲の最後に何度も繰り返しこの言葉を歌い、声は輪をかけて大きくなっていく。
なぜ、この言葉を一緒に、何回も、大きな声で歌ったのか。その理由は直接的には語られなかった。だけど、声が一体となって響き渡ることで、言いしれない力が胸の奥から湧いてきて、会場の誰もが同じことを感じていたとおもう。

「僕らはひとりじゃない」

スカイピースが、動画で、歌で、いつも僕らに届けてくれるメッセージであり、2人が身をもって示していることだ。ひとりじゃないから、ここまでこれた。夢の舞台に立つことができた。そしてこの場所にきたあなたも、ひとりじゃない。
2人は、ライブ中何度も、具合がすこしでもわるくなったらスタッフに伝えてくださいね、などとお客さんを気遣っていた。ひとり具合のわるい人がでたときは、いちはやく周囲の人がペンライトの色を変え、テオくんがそれに気づき、歌いながらスタッフに指示を出す場面もあった。

生み、育ててくれた、信じてくれた母へ
の想い。

ラストに向けて、生んで育ててくれた母親に対して、☆イニ☆が感謝を伝えるべく手紙を読み上げる一幕もあった。この日、ふたりの母親は会場にきていて、夢の舞台を目にしていた。
『22歳の僕が母に贈った歌』
涙脆いじんたんは手紙を読みながら大号泣、テオくんは涙はスカイピースに似合わない、といいつも目をうるませ、母親への想いを語った。
ラストの曲は『オタパリダンシン』、アンコール後にはスカイピースならぬGround Deadが登場し、映像演出でふたたびライブ本編が幕を開けたかのような盛り上がりをみせた。最後は『スタートダッシュ』『Rock Party』を連投し、11公演のファイナルは幕を閉じた。
終演を惜しむ拍手のなか、続けて映像が映し出され、ふたたび大きな歓声があがった。3つの重大発表が行われ、夏のツアー開催決定 / TVアニメ『ゾイドワイルド』の主題歌として3月に新曲がリリースされること/ この日の様子も含め、冬ツアーがDVD化されることが告げられた。※詳細は記事末尾をCHECK!

ひとりじゃない。ふたりだけでもない

後日談になってしまうけれど、年明けに、あの日大合唱が起きた『もっと頑張れ、自分』の弾き語り動画が公開された。
ライブのときと同じように、最後に「僕らは、ひとりじゃない」のフレーズが歌われている。

この動画をみて気付かされたのが、スカイピースは、(ひとりじゃなくて)ふたりだからこそあのステージに立てたのだけど、決して「ふたりだけ」でもないのだ。

「僕らは、ひとりじゃない」

まだずっと、12月28日にすくなくとも2500人以上が大合唱したあのときの言葉が心のなかで魔法みたいに鳴り続けている。僕らはひとりじゃないし、手は届かないけど、きっとこの声は空に届いていると思う。
スカイピース公式Twitter
スカイピースYouTubeチャンネル

テオくん
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☆イニ☆(じん)
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12月28日(金)に解禁された重大発表

その1.2019全国ツアー
ENJOY SUMMER FEST BUDDY
〜まつり〜
開催決定!

7月12日(金)
埼玉県
三郷市文化会館

7月15日(月)
福岡市民会館

7月21日(月)
北海道
わくわくホリデーホール

7月28日(日)
愛知県芸術劇場

8月11日(日)
仙台サンプラザホール

8月16日(金)
大阪
グランキューブ

8月23日(金)
神奈川県民ホール

その2. TVアニメ『ゾイドワイルド』主
題歌
2nd single 「Sky Flight」 3/6発売決

発売日:2019年3月6日(水)
〈完全生産限定盤〉
¥4,500(税込)
付属品内容:
ゾイドワイルド ZW01 ワイルドライガー(スカイピースSpecial Edition)+トレーディングカード(全7種の内1種)

〈初回生産限定盤〉
¥2,500(税込)
付属品内容:
DVD+トレーディングカード(全7種の内1種)

〈通常盤初回仕様〉
¥1,500(税込) 品番:ESCL-5187
初回仕様:
トレーディングカード(全7種の内1種)
発売元:EPICレコードジャパン
詳細はコチラ

その3.スカイピース初のライブ映像商品
のリリースが決定

冬ツアー「Dream Stage Welcome in SkyPeaceisen Party Time」のDVD化が決定、初回限定盤DVDと通常盤のDVD・Blu-rayの全3種類でリリースされます!
続報は公式サイトやTwitterをチェック!

僕らは、ひとりじゃない。スカイピースが夢の舞台で教えてくれたことはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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