フラワーカンパニーズの30周年、満員
&大盛況の浅草公会堂ワンマンからキ
ックオフ

フラワーカンパニーズ30周年幕開けワンマンライブ

「フラカン30周年のはじまりはじまり」 2019.2.2 浅草公会堂
2019年2月2日(土)、快晴の中、観光客で賑わう浅草寺のすぐそばにある浅草公会堂にてフラワーカンパニーズ30周年幕開けワンマンライブ『フラカン30周年のはじまりはじまり』が開催された。フラカンの結成30周年を祝おうと集まったファンでチケットはソールドアウト、1000人を超える観客が二度のアンコールを含めて全22曲を堪能した。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
開演時刻になり、いつものSEが流れステージの緞帳(どんちょう)が上がるとすでに4人が板付で立っている、その背後には同会場の常備施設であるおめでたい松の木の絵、1曲目は「恋をしましょう」──というオープニング。鈴木圭介(ボーカル)と竹安堅一(ギター)はいつもどおりの衣装だが、ミスター小西(ドラム)はジャケットにシャツ、グレートマエカワ(ベース&リーダー)は遠藤賢司の形見分けの赤いジャケット姿という、特別な日であることを意識した出で立ち。頭4曲を走り抜けたところで、後方の松の絵が、30周年用にしつらえたバンドのバックドロップに代わる。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
「ようこそ浅草へ! 始まったぞ30周年! たどり着いたぞ30年! 最後まで楽しんでいってください!」という圭介の雄叫びをはさんで、「はぐれ者賛歌」「ピースフル」「むきだしの赤い俺」の三連打へ。1995年のファースト・アルバム『フラカンのフェイクでいこう』の1曲目である「むきだしの赤い俺」は、これまでフラカンで300曲以上作ってきた中で、圭介としてはいまだに最高傑作だと思っているということ、でもアルバムの1曲目にするのは(圭介を含め)当時全員反対したこと、グレートの兄は最初にこの曲を聴いたがゆえに2016年の日本武道館までライブに来なかったこと、竹安の母親は「圭くん、下品やわ~」と言ったこと、などが、曲のあとのMCで明かされ、客席が笑いに包まれる。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
「元少年の歌」、あのギター・イントロが鳴った瞬間に場の空気が変わる日本のロック史に残る名曲「深夜高速」、そして22周年の時ファンからライブで聴きたい曲のリクエストを募った時の1位だったという「青い春」。MCをはさんで、この季節だからセレクトしたのであろう「春の手前」、名古屋時代から歌い続ける「あったかいコーヒー」、そしてもっとも新しい名曲「ハイエース」──と、新旧の佳曲たちが連なる展開にオーディエンス、それぞれの思いを抱えながらじっと聴き入る。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
圭介が先輩の結婚パーティーに行って、すっかり感動していい気分になって、その勢いで帰り道に作った曲「なんとかなりそう」(1996年)をはさんで、恒例のメンバー紹介へ。圭介、今日はひとりずつに「30年連れ添った僕の親友を紹介します」という言葉を付ける。竹安以外の3人は中学3年の時に修学旅行で一緒に浅草に来た、という話をグレートが披露すると、「あの頃いちばん仲良かったのは俺だよな? 毎日一緒にいたよな?」と圭介、なぜかグレートに迫る。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
「フラカンのいいところは、俺たちも、鈴木の作る歌にずっと励まされてる。だから今のフラカンがあります。これからも新曲を楽しみにしてください!」というグレートの言葉から後半へ。「消えぞこない」「俺たちハタチ族」、そしてお祝いの幕開けというお祭りにふさわしい「真冬の盆踊り」で、客席1階から3階まで、この日いちばんの熱量に包まれる。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
「最後にゃなんとかなるだろう」で本編が締めくくられ、アンコール1曲目は「発熱の男」。圭介、歌い出しの歌詞を「浅草公会堂で、大喝采を浴びている」と変えて歌い、客席からまさにそのとおりの大喝采が降り注ぐ。ここで、毎年10月に地元名古屋で行っているフラカン主催イベント『DRAGON DELUXE』を今年は『DRAGON DELUXE DELUXE ~30周年スペシャル~』として規模を3倍に拡大、10月4日(金)に名古屋センチュリーホールで開催することが発表された。「平日だけどセンチュリーホールでやるということは・・どういうことかわかるよね(笑)。絶対いいイベントになるから、みんな来てね」とグレート。そして「冬のにおい」「ホップ ステップ ヤング」の90年代に作ったアンセムを二連発。さらにダブル・アンコールは、日比谷野音や日本武道館など、節目となるライブで必ず最後に歌ってきた「サヨナラBABY」を演奏、「これからもずっと愛してやってください!」と圭介が叫び、ライブは感動的に締められた。
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹
最後に4人で前に出て手をつないで一礼、それを背後からカメラマンが撮る……が、なぜか小西が圭介&グレートと「恋人つなぎ」で手をつなごうとして左右からつっこまれ、笑いの中、多幸感に包まれた一夜が終了した。
フラワーカンパニーズ30周年第一弾ワンマンツアー『30年のキセキ』は、4月11日、大阪・十三FANDANGOからスタート。6月29・30日の奄美大島2デイズのファイナルまで21本を回る。

取材・文=兵庫慎司 撮影=新保勇樹
フラワーカンパニーズ 撮影=新保勇樹

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着