分島花音 10周年で語る表現としての
ライブ「音楽を表現するのに幸福な時
」とは

チェロ演奏、イラスト、衣装デザイン、そして作詞作曲も行うマルチシンガー分島花音。独特な世界観を持つ彼女が今年デビュー10周年を迎えた。その集大成とも言うべき初のベストアルバム『DECADE』が遂に発売となった。
分島花音の世界観を凝縮したこの作品を引っさげて、5月25日には大阪、6月2日には東京で10th ANNIVERSARY ONE-MAN LIVE『DECADE』が開催される。
決して短い時間とは言えない10年を超えてきたアーティスト・分島花音がこのアルバムで、そしてツアーで辿り着こうとする「幸福な時」とはいつなのか?じっくり話を聞いてみた。

――10周年おめでとうございます。あらためてご自身の中で10年というのはいかがでしょうか。
ありがとうございます。あっという間であり、でも長くもあり、でもなかなか続けてこられる時間ではないので、10年という時間を思い返すと、たくさんの人にそれだけ助けられていた、支えられてきたんだなって思いますね。
――ベストアルバム『DECADE』が2月13日にリリースされましたが、あらためてこのタイトルに込めた思いや、どういうアルバムになっているかということをお聞きできればと思います。
『DECADE』というタイトルは10周年というそのままの意味なんですけど、私はベストアルバムを出すのが初めてなので、純粋にデビューから10年経った、自分の今までの曲をちゃんと届けるにふさわしいタイトルにしようと思って、分かりやすいタイトルがいいなと思って付けたんです。
――ファンからのリクエスト曲も入っていますが、リクエストは一通り自分でも目を通されたんでしょうか?
リクエストはもうちょっと固まるかなと思ったんですけど、結構散らばるというか、色々な曲が上がっていて、上位にあってプラス私も思い入れがある4曲を選んだ感じです。
――初回限定発売盤の方はかなり豪華な装丁になっています。分島さんといえばライブ衣装やジャケットのアートワークにもこだわりがある印象ですが、今回はどういった点にこだわられているのでしょうか?
私のことを結構初期から知ってくれている方はテーマカラーは赤という認識があったので、10年経って最初のデビューの時を彷彿とさせるような感じのビジュアルにしたいなと思ったんです。衣装もちょっとゴシックではないですけど、ドレッシーなクラシカルなもので、プラス10周年のお祝い感が出るようなものになってますね。
――以前出た『luminescence Q.E.D.』はちょっとロックな雰囲気で、そうした方向性に趣味が行っているのかなと思っていましたが、そこからぐっとドレッシーなハートの女王様みたいな。
ちょっと女王感がありますよね。この王冠とかは衣装を作ってくれた方が提案してくれて、ちょっとお祝いっぽい感じで出るかなと思って。
――着てみてどうでしたか。
すごい可愛いんですよこれ。実物はボリュームがすごくあって、結構生地もしっかり多く使っているので、着ごたえがあるんです。
――あらためて特典を見ると過去の写真もたくさん掲載されていますが、すごく成長してる感がありますね。
10年経っているので、大人にはなりましたよ(笑)。
――自分の中でも成長を感じている?
成長なのか何なのか分からないですけど、日々やっぱりあの時若かったなと思えるということは、年は重なっているんだなと思いますね。
留まるよりは変わっていく方が私は面白い
――重要なファクターの一つとしてライブがあると思いますが、『DECADE』のアニバーサリーワンマンライブが5月に大阪梅田Shangri-La、6月に東京O-WESTで開催されます。10周年記念ライブという響きはいかがですか?
去年の7月も10周年記念のライブもやっていまして、そこではありがとうという感謝の気持ちを伝えるというのが大きなテーマでライブをしたんですけど、引き続きそのテーマも引っさげながらベストアルバムを中心としたライブにしたいなと思っています。
――レコ発でも10周年でもあるというスペシャルなライブになりそうですね。
そうですね。今までちょっと分島の音楽から離れていた人とかも、これを機にまたライブ行ってみようかなとか興味を持ってもらえたらいいなと思いますね。
撮影:大塚正明
――また『DECADE』の話に戻るのですが、分島さんは昔の曲と今の曲ははっきり雰囲気が違う部分があると思います。今回ベストの選曲や順番を決める際に、聴き直すところも大きかったと思いますが、昔録った曲を今聞くとどういう印象がありましたか?
声が若いなと思いましたね、純粋に(笑)。 歌い方も全然違うし、声の出し方も違うし、自分じゃない人の歌を聴いている感じです。「fragment ornament」は今回の為に録り下ろしましたし、ボーナストラックの「ありがとうのうた」は2018年7月に開催した『湾誕ソワレ』の時に披露したものを収録していて、新旧の私が混ざっている感じありますね。
――最新の分島花音と10年前の分島花音が一緒になっていることに、違和感はあったりしましたか?
なんとなくはありますよ。でも10年やっていて一貫している人って逆に少ないと思うんです。ずっとやりたいことや表現したいことがひとつしかないって人も中にはいるのかもしれないんですけど、日々人って移りゆくものだったり、変化していくものだと思うから、変わっていくことのほうが自然だと思うし、それが良く変わるか悪く変わるかは別にしても、ひとところに留まるよりは変わっていく方が私は面白いと思うので。なのでそれが如実に出ていていいんじゃないかなと思います。
――通して聴いて、全部粒立っているなと。Manaさんがプロデュースされていた頃の曲から始まっていますが、その時その時の粒立ちがある楽曲たちだなと。選ばれた曲も人気曲も入ってくるし、これが入るんだ!みたいなものもあり、ファンの人もよく聴いている印象があります。
なのでライブでまだ一回ぐらいしかやってない、音源にもなってない曲もリクエストの中に入っていて、「ベストって言ってんだろう!」みたいなのが結構ありました(笑)。 音源になっていない曲を音源化して欲しいという要望は常にもらうんですよ。自分もやっぱりそこを目標に音源化できるように頑張ろうって思えるし、このタイミングはやっぱりベストなので、たくさん愛された曲を優先しちゃいましたけど、新曲をみんなに届けるのも、もっともっと目標にして叶えていきたいなと思っています。
――分島さんはライブで新曲を披露していくことも多いですし、既存の楽曲でも歌っていく中で進化したり、変わっていくものもありますもんね。逆に今回のライブはベストアルバム発売を受けてのものですので、昔、分島花音を聴いていて、今は離れてしまっていた人も聴きに来るかと思いますが、今の分島花音をどう伝えたいかというのはありますか?
私自身、昔のことをそんなに色濃く憶えているわけではないんですよ。ただ最初はライブをどうやって作っていったらいいか、どうやってライブに来てくれた人とコミュニケーションを取っていけばいいのか、ということがまったく分からなったので、ライブに対しての恐怖心みたいなものがあったんですね、最初は。
――ちょっと意外ですね。
今みたいに心から楽しもうみたいな気持ちでやるというよりは、失敗したらどうしようとか、楽しんでもらえなかったらどうしようとか、ミスしないようにやらなきゃとか、ちゃんと分島花音という人物像でいなくては、みたいなところが結構プレッシャーになって気を取られたりすることが多くて、なかなかライブとうまく向き合えなくて悩んでいた時期もあったんです。それと比べたら今は本当にライブに対してすごくニュートラルに表現できているなと。もちろん失敗したらどうしよう、はありますけど、そういうプレッシャーも心地よいものになってきていけてるんじゃないかなと思いますね。
撮影:大塚正明
MCから前後のセットリストを考えることもある
――今の分島さんはかなりライブを楽しんでいる印象がありますね。
楽しいですね。こんなにライブが楽しいものだって最初は本当に知らなかったので(笑)。
――どんな部分が今楽しいのでしょう?
音楽をリアルタイムで表現できているということ自体が、私にとっては本当にとてもテンションが上がることなんです。没頭したり熱中したりしている時って、今現在を生きているって感覚があるじゃないですか。普段はこの先のことを心配したり、過去のことに囚われたり、後悔したりとか、でも音楽をやっている時は、今この瞬間を最大限に一番楽しいものだと信じられるような状態でいられるんです。後のこととか先のこととか未来とか、不安とか後悔みたいなものが一切なくなるんです。その感覚は常日頃生きているところではなかなか体感できないことなので、そういう部分でライブは特別なのかもしれないですね。
――楽曲提供をされることも最近多いですが、制作の産みの苦しみと喜びとはライブはまた別のものがあると?
そうですね、楽曲提供の場合は、聴いてくれる人に伝わるまでだいぶタイムラグがあるじゃないですか。ライブでは自分の発したものがその瞬間に届く。そういった意味ではお客さんがいてこそだと思うし、聴いてくれた人のテンションでまた自分の表現が変わってきたりという、そういうやり取りができるというのはやっぱりライブだけだなと思います。
――分島さんのライブを見て印象的なものの一つとしてMCがあるのですが、探りながら喋っている印象がない。MCは事前に考えて喋るタイプなんでしょうか?
言いたいことはしっかり考えて用意しています。MCのためのセットリストを考えたりもするし、セットリストの後でMCというよりは、MCでこういうことを言いたいから前後にこれを歌うみたいな感じで優先してたりしますし。
――MCというのはライブの中で曲を表現するということとイーブンなものなのかもしれないですね。
結構、私自体そんなにいっぱい喋るタイプではないので、やっぱり話したいことは音楽のこととかライブのこととか、どうやって作っているかとか、そういうことがメインになったりとか。あと今後自分がどうやって音楽を表現していきたいかみたいなことを話すと、わりと真面目な話になっちゃうので(笑)。 そういうものをちゃんとうやむやにならないので届けられるようにしたいなと思って、そこは意識しています。
――今回のライブのMCもある意味節目を感じさせるものになるでしょうか。
だと思います。でも一応節目ではあるけど、ひとつの年に過ぎないので、過程の一個なのかなとも思うし。
撮影:大塚正明
――先程も少しお話ありましたが、最近のライブではライブで初披露、音源化されてない曲も結構やりますよね。発売決定曲の披露をする人が多い中、新曲作ってきたので歌います、という人は珍しい。それを含めてアニソンアーティストっぽくないなという印象があります。
自分はアニソンアーティストというより、アニソンも作りたいから作っているみたいなところがあって。でもそれだけじゃなくて自分の表現する世界観とかもオリジナルのものも全然やりたいし、幅広くやりたいという願望が強い感じかな。
――なるほど。
バンドとかはわりとアニソンをやっていても、オリジナルの曲も作って演奏するじゃないですか。ああいう感じに立場的には近いかなと思っています。ですがソロのミュージシャンなので、アニソンシンガーとしてカテゴライズされやすいのかなとは思っています。
10年経っても欲もあるし、不安もある
――今回初回限定発売盤は二枚組で20曲も収録されていますが、これをひっさげてどういうライブにしたいと思われていますか?
10周年記念で行った『湾誕ソワレ』は感謝を伝えるというコンセプトで、私の音楽のルーツが弦楽器ということもあって、バイオリンとかチェロとか弦の編成で、ちょっとクラシカルなニュアンスでやったライブだったんですけど。今回はせっかくベストでキラーチューンが結構揃っているというか、パンチのある曲がたくさんあるので、みんなを盛り上げられるような、ちょっとテンションが上がるような感じのライブにしたいなと思っています。
――どんな編成で行く感じですか?
最近そんなにやっていなかった編成でやりたいとは思っています。お知らせできるまでみなさん楽しみにしていてくださいね。
――さて、10年がキーワードになっていますが、この先はどうしていきたいとか、願望、展望はありますか?
みんなやっぱりプランを見据えてやっているんだなと、改めて思いました。私もどうやっていこうか考えちゃうんですよ。多分音楽に関わらず自分の好きなもので自己表現をするというのは、死ぬまでやっていくことだと思うんです。それがなくなっちゃった時は私の人生の終わりだと思うし、表現欲求というものは常に尽きないものだから。
――ご自身で表現欲求は強い、とよくおっしゃってますしね。
はい(笑)。そこでじゃあ次は何をしよう何をしようとなった時に、やっぱりプロとして音楽をやって分島花音をやっていくとなると、自分一人ではできない部分がすごくたくさん増えてくるんです。お客さんがいないとできないとか、スタッフに助けてもらわないとできないこととか、長くやっているとたくさんの人に私の音楽を好きになってもらわないと成し遂げられないものが出てくるんですよ。そうなると自分はそこに足りうる人間なのかとか、もっとまだ未熟なんじゃないか、そこに行くにはまだまだ色々なものが足りてないんじゃないかとか、そういうことをすごく考えた1年間でしたね。
――まだまだ成長できるんじゃないか、という感じでしょうか。
表現は表現でずっと続けられるけど、その規模数とか誰に届けるかとかその表現方法をどうするかみたいなものは無制限だなと思うし、如何様にもなるけど如何様にもならないし、みたいな。すごく自分が思っているより複雑だなと思っていますね。記事にならないことを言ってすみません(笑)。
――いえいえ(笑)。
例えば10年同じ会社に勤めていたり、同じ趣味を続けられていた人って、じゃあこの後どうしようって悩んだり考えたりすると思うんです。たまたま私がミュージシャンだっただけであって、色々な考え方とか目標があると思っていて。音楽に特化するとそれって特殊と思われがちですけど、みんなと同じなんですよ。
――そうですね、どんな職業、どんな人にも悩みがある。それはミュージシャンでも同じだと。
でもやっぱり聴いてくれる人がいると欲が出て、もっと色々な曲を聴いて欲しい、ちゃんと届けたいという気持ちになってくるし、ライブに関しても欲は全然尽きないんです。でも自分がそれをできる力がこの10年で付いてきたのと言われると、何か不安もあるし、不安もあるということは、まだ未熟なんだろうなとも思うし、本当にちょっとずつちょっとずつで、いきなり強くはなかなかなれないんだなと思います。節目ってすごく考えさせられますよね。答えがないことなので。
撮影:大塚正明
感覚やニュアンスでファンだと思えることはとてもニュートラルだと思う
――そんな分島花音が考える、“分島花音”の完成形とはどのようなものなのでしょう?
完成した時は人生の終わりみたいになっちゃうので(笑)。 さっきも言いましたけど人って変わっていくものだし、変わっていくことが面白いと思っているタイプの人間なので、昔の私だったら絶対興味がなかったっていうものでも、今興味があったり好きだったり面白いと思えたりすることってあるので、そういう自分の価値観が変わるきっかけってこれからも出てくると思うんです。そういうものを消化して自己表現していくと、自ずと自分の表現にも変化が出てくるし、そういうものが延々とあるってすごく良いなと思うので。如何様にでも変わっていけるという部分が一つあると良いなと思いますね。
――その意味で『DECADE』は折返しや終着点ではなく、セーブポイントのようなものなのかもしれませんね。
そうですね。「こんな私でした」という一つの軌跡というか。作ってきたものは本当に丁寧に、一つもいい加減に作ったものはないと自分では思っているので。すごく良いものをずっと作ってきた証をちゃんとみんなに届けたいし、今聴いてもこういうものを作れてよかったなと思えるものしか入ってないので、それは自信を持てました。過去の自分を振り返ったとしても。未熟な部分もきっとあると思うんですけど、やっぱり自分でちゃんと肯定できる音楽しか作ってこなかったというのは今でも言えることで、変化があっても自分が変わってしまっても過去に生み出した音楽が嫌いになったりとか色あせて見えたりすることはなかったですね。
――悩んだり考えたりしても、そこはブレることがなかった。
ちゃんと自分の表現を作れてきたなというふうに思います。ライブではアレンジも自由自在ですけど、その曲の持っている本来の本質みたいなものって変わらないじゃないですか。そういうものに対しては自負できるものが今でもあるなと思えるというか。
――10周年を迎えたから言える、言葉のような気がします。
ありがたいことだと思っています。ひとりよがりじゃなかったと。
――ロック編成の時はロックらしく、アコースティックはゆったり聴けて、ライブ中も本人が一番楽しんでいるし、良い意味で混沌として難しくないライブだなと思います。
それは嬉しいですね。私、結構難解と言われがちなんですよ、音楽も含めてライブとかも。自分はすごい分かりやすい人間だと思っているんですけど、何考えてるか分からないと言われたりとか(笑)。 親とかにもすぐ顔に出るじゃんみたいに言われるんですけどね。見る人によって全然言われ方が違うから、みんなどう思っているんだろうなと思って(笑)。
――アルバムを通して聴くと、文脈抜きで心臓と脳だけ動かして聴いてもらいたい曲たちだなと。
そうですね、私よく洋楽を聴くんですけど、アーティストの名前を覚えられない、タイトルも覚えられない、でも曲は良いみたいなものっていっぱいあるんです。その中でも良いのが続くなと思う人はそれでミュージシャン名とかタイトル覚えますけど、そういう知識がなくても好きという本能って音楽に限らずあるじゃないですか。
――ありますね、クラブや対バンライブで知らない人の曲だけど刺さる、とか。
前にテレビを見た時に、ファンの証は知識ではないっていうのがあって。野球とかでどこの選手かも名前も分からないけど、あの人の投げるボールは良い!みたいな。それはもうファンなんですよ!って言っていたのがすごい印象的で。情報とか知識でファンだというよりは、感覚とかニュアンスでファンだということってすごくニュートラルだなとその時思ったんですよね。なので情報を得てもらえているのはもちろん嬉しいことだけど、何も知らないけど好きだなみたいに思ってもらえるって、それだけ曲のパワーが強いからこそだと思うし、それは作曲家冥利に尽きるというか音楽家としてすごく嬉しいことだなと。本能的に心臓と脳だけ動かして聴いてもらえたら嬉しいですね。
作家とシンガー、両軸あっての”分島花音”
――分島のライブは強い曲を揃えているので、ざっと聴いて気になったら来て欲しい、みたいな感じですかね。
基本的にやっぱり私のライブは前情報がなくても楽しめるようにしたい、というのが前提にあるんです。アニソンアーティストの現場って濃いお客さんが多いから、色々と知ってないと楽しめない、ここでこういう合いの手を入れるとか、そういうのが分からないと不安だったりするのかなって、それで結構私も不安がられているのかなと思うんですけど、そういうの全然ないんですよね。旗振ってたりはあるけど、振ってなくても楽しんでいればOKみたいな。全然ハードルは低いはずなんですけど(笑)。
――分島花音と知らなくてもどこかで聴いて面白いと思ってもらえたらという。
『Fate/EXTRA』の「サクラメイキュウ」とかめっちゃありました、「これ、分島花音だったんだ!」みたいな。それは純粋に嬉しいですね。知らないけど聴いてたわ、というのは嬉しいですね。
――ああ、それは曲が届いた感じがありますね、アーティスト冥利につきるというか。
前にエンタテイメント集団の「梅棒」に所属されてる塩野拓矢さんとお話した時に、「人前に立つプレイヤーじゃないと作品を作れない」みたいなことをおっしゃっていて。それがすごく響いたんですよね。自分も作家とかの裏方のほうがしっくりくるんじゃないかとか思うんですけど……やっぱりステージに立つと、これ以上に音楽を表現するのに幸福な時ってないなと思っちゃうんですよね。いい曲が作れたっていう達成感とか、CDを聴いてもらって感想をもらった時ももちろん嬉しいけど、それ以上にライブで表現してお客さんと一緒に自分の作った音楽を楽しめるというのって、音楽家としてやっぱり最上級のことだなと思ってしまうんです。だから私は作家だけでやっていくのはダメだなと思うし、ライブに立って人前に立ってもらうエネルギーの大きさというものに助けられて音楽を作っている部分もあるなって。
――両軸回っているからこその“分島花音”なんでしょうね。
だと思いたいですね。
――では、最後にひとこといただければ。
10年活動してきて初のベストアルバム『DECADE』がリリースできたことは、本当みなさんのおかげだと思っています。ありがとうございます。このベストアルバムを引き下げてワンマンライブを開催しますが、今回のライブはお馴染みの曲、めちゃくちゃ良い曲しかやらないというすさまじいライブになっていると思いますので(笑)。 ぜひ遊びに来てもらいたいですね、皆さんと一緒に楽しみたいです。
撮影:大塚正明
インタビュー・文:加東岳史 撮影:大塚正明

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