【SILENT SIREN インタビュー】
やりたいことがまだあるうちは、
まだまだ止まらない
これまでやってこなかったことを
組み合わせて面白いことがしたかった
バラードの「渇かない涙」は作詞がゆかるんさん、作曲がすぅさんですね。
ゆかるん
夏の制作合宿でできた曲なんですけど、すぅが作った曲をすごく気に入って、“それ、めちゃめちゃいいね”って言ったら“書いている歌詞はないの?”と訊いてくれて。それで、ラフの歌詞があったので、それをその場ではめて歌ってみるというところからできていきました。
失恋の悲しい気持ちを歌っていて、生々しさもありますね。
ゆかるん
人がどれだけ傷付いたり、何を考えているかとかは、他人が100パーセント理解することはできないから、歌詞とまったく同じ経験じゃなくても心に傷を負っている人に届いたら嬉しいですね。慰めるわけじゃなくて、同じだと思ってくれたり、悲しさにとことん浸って、泣いてすっきりするとか。そういうかたちで寄り添える曲になったらいいなと思いました。
すぅ
私はアコースティックギターを弾いているんですけど、ライヴでもアコギでやれるように開放弦のコードを使ったりとか、いかに切ない感じを出せるかを考えたりしてめちゃめちゃ時間がかかりました。いつもはアイデアもナオキャン(サウンドプロデューサーのクボナオキの愛称)がデモにまとめてくれるんで、そのまとめ役を自分ひとりでやったのが初めてで。“これでいいのかな?”と苦戦しながら作ったんですけど、私の頭にはあるイメージをみんなと共有するのが難しくて。でも、すごく良い経験になりました。
ひなんちゅ
すぅが書くバラードは男女どちらの目線でもとらえられるものがほとんどなので、こういう完全に女性目線の曲はサイサイには珍しいんじゃないかな。遊んでる男の人が聴いたら驚くと思います。逆に女の子は“分かる!”ってなりそう。
「Letter」はひなんちゅ作詞で、フレンズのひろせひろせさんが作編曲。他のアーティストの提供曲は初めてということで、これも大きなチャレンジになりましたね。
ひなんちゅ
これまでずっとナオキと曲を作ってきましたけど、それとは違ったかたちでサイサイの良さとサイサイがこれまでやってこなかったことを組み合わせて面白いことがしたい思って、高校からの友達だったひろせくんにオファーしました。ひろせくんは高校の時にナオキがやってたバンドのメンバーで、そのバンドも女の子がヴォーカルだったから、女の子が歌う曲とかナオキと私たちの空気感もよく分かってくれているので打って付けじゃないかと思って。
サイサイっぽさとフレンズの持つ神泉系と呼ばれる感じが、上手く融合している曲になりましたね。“Letter”というタイトルはどういうところから?
ひなんちゅ
ひろせくんとは同級生だから、やっぱり“昔はこうだった”みたいな話をよくするんです。それで、高校生だった当時は今のようにメジャーデビューするとも思っていなかったけど、自分たちが好きなものをやり続けてきて良かったという話をしていて、“昔の自分に手紙を送る感覚で作詞してみたら?”と言われて。それで仮タイトルで“Letter”と付けて楽曲を作ったんです。歌詞は最終的に手紙っぽくなくなったけど、過去の自分に向けて書いた手紙というよりも、未来の自分に対して書いた手紙という意味なら合うのかなと思って。
“やりたいことをやろうよ!”みたいな、聴く人にとっての手紙とも言える?
ひなんちゅ
“頑張ろう!”という感じではないけど、やると自分で言ったんだから自分で責任を持とうっていうイメージです。それで、《まだ知らないあなたに いつか出逢える日まで》と、最後にだけ“あなた”と一人称が出てきて、それが“未来のあなたに向けたレター”というタイトルにつながっています。
《できない10個よりもできる3個》という歌詞もありますが、これも13に合わせて?
ひなんちゅ
それは単にゴロが良かっただけなんですけどね。
途中でギターが大きな音で入ってくるのもいいですね。
すぅ
ひろせさんのスタイル的に、ギターはあまりバッキングをしないというのがあるらしくて。ピアノをがっつり弾いてるっていうのもあるけど、ギターは弾いたり弾かなかったりで、歌いながらジャーンジャーンジャーンと3回しか弾かないところもあるんです(笑)。その上でひとりひとりの見せ場も考えてくれて、そういうギターソロがあったりします。ライヴではギターが1本だから、“隙間を埋めるために弾かなきゃいけない”という意識がずっとあったんです。でも、この曲は逆の考え方で、むしろ空間を作る感覚だったんで、すごく良い経験になりました。ナオキャンが一番刺激を受けているんじゃないかな。
ひなんちゅ
もともと同じバンドをやっていたメンバーが入ってきて、スタッフから“ひろせくん、いいね”って褒められて。ひろせくんと一緒に曲を作っていた間柄だからこそ絶対にナオキは悔しかったと思うので、それが良い刺激になったんじゃないかな。
すぅ
でも、こんなに曲が作れる人がふたりもいたバンドってすごいよね。
なるほど。3月からは全国ツアー『LIVE TOUR 2019 「31313」 〜サイサイ、結成10年目だってよ〜 supported by 天下一品』がありますが。
ひなんちゅ
まだ10周年ではないので、“そう言えば10年くらい経つらしいよ”くらいの感覚で、意外と長くやっていることが口コミみたいに伝わればいいなと思って。ツアータイトルに“平成”という言葉を入れようかとも思ったんですけど、ツアーの途中で年号が変わるし。これで新元号に“サイ”と読む漢字が入ったら嬉しいですけどね。
でも、通常盤のジャケット写真には“平成”って描かれていて。
すぅ
それがいい味を出していますよね。元号が変わってからアルバムを振り返って、平成にこんなアルバムを出したなって思い出せるし。
プリクラ手帳とか?
あいにゃん
おぉ〜! 分かってもらえて嬉しいです!!
取材:榑林史章
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アルバム『31313』2019年3月13日発売
EMI Records
- 【初回限定盤(DVD付)】
- UPCH-29322 ¥3,900(税込)
- 【通常盤】
- UPCH-20510 ¥3,000(税込)
- 【ファンクラブ限定盤】
- DSKU-10806 ¥4,630(税込)
- ※オリジナルナップサック、スペシャルフォトブックレット24P付
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『LIVE TOUR 2019 「31313」 〜サイサイ、結成10年目だってよ〜 supported by 天下一品』
3/21(木) 神奈川・横浜BAY HALL
3/23(土) 福島・郡山Hip Shot
3/24(日) 福島・郡山Hip Shot
3/30(土) 千葉・柏PALOOZA
3/31(日) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
4/06(土) 群馬・高崎club FLEEZ
4/07(日) 新潟・新潟LOTS
4/13(土) 静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
4/14(日) 静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
4/21(日) 福岡・DRUM LOGOS
4/26(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
4/27(土) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
5/01(水) 宮城・仙台Rensa
5/03(金) 大阪・大阪城野外音楽堂
5/04(土) 広島・広島CLUB QUATTRO
5/09(木) 北海道・札幌ペニーレーン24
5/10(金) 北海道・札幌ペニーレーン24
5/12(日) 北海道・釧路NAVANA STUDIO
6/09(日) 東京・Zepp DiverCity Tokyo
サイレントサイレン:2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。通称“サイサイ”として親しまれ、原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、15年にガールズバンド史上デビューから最短で日本武道館ワンマンライヴを開催。17年にはデビュー5周年記念日にツアーファイナルとしてバンド初となる日本武道館2デイズ公演を成功させ、18年は自身最多となる33公演のライヴハウスツアーを完走。デビュー6年目を迎え、さらに勢いを増す唯一無二のガールズバンド。SILENT SIREN オフィシャルHP
「恋のエスパー」MV(Short ver.)
「Go Way!」MV
「19 summer note.」MV
「天下一品のテーマ」MV