気になるワードでディグる! 〇〇なMV

気になるワードでディグる! 〇〇なMV

神々しいHYDEの姿や
華やかな衣装をまとったDA PUMPなど
日本の伝統を思わせるMV5選

4月に発表される新年号や2020年の東京オリンピックなど、日本に新たな歴史が刻まれていく昨今ですが、長年にわたって変わらずある伝統もたくさん。今回はそんな日本の伝統文化を思わせるMVをピックアップしました。何気なく過ごす日常ではあまり意識しませんが、日本に対するリスペクトが感じられて誇らしい気持ちになる作品を紹介していきます。

「千本桜」(’14)/和楽器バンド

海外からの支持も厚い、詩吟と和楽器とロックバンドを融合させた和楽器バンド。1stアルバム『ボカロ三昧』にも収録された「千本桜」のMVは現時点で再生回数が1億回を突破し、撮影地となった福島県いわき市の勿来の関公園に訪れるファンも多く話題となった。黒うさP作のボカロ曲を和風にアレンジし、彼らのトレンドマークである和服をモチーフとした衣装をまとって、現代的な要素も交えながら日本の伝統文化の華やかさを伝えている。このMVだけでバンドのコンセプトを印象付けるインパクトもすごいが、障子をバックにした演奏シーンはシンプルながらも日本ならではのクールなカットだし、般若の面、和傘などの小物ひとつひとつを美しく見せたこだわりにも注目して観てほしい。

「NIPPON」(’16)/椎名林檎

エレファントカシマシの宮本浩次とのコラボが記憶に新しい椎名林檎も、これまで日本の伝統文化を取り入れたパフォーマンスを度々披露してきた。MVでは「神様、仏様」や「いろはにほへと」などが挙げられるが、中でも「NIPPON」のMVはモノクロの映像ながら泥臭く強い闘争心を感じる一本。歌詞テロップでは《万歳!》を“フレー!”と読むなどの当て字が楽しめて、袴を意識した衣装でギターを刀の如く担ぎ、先陣を切るかのような佇まいが逞しい。疾走感のある楽曲をバックに大きな日の丸の旗を握るシーンでは青い紙吹雪がちらつき、“サムライブルー”を思わせる演出も。彼女は2020年に開催される東京五輪の開閉会式プランニングチームにも選ばれており、今後の活動でも日本らしさをどうアピールしていくのか注目したい。

「桜」(’19)/DA PUMP

2018年にシングル「U. S. A.」が大ブームとなったDA PUMPの次のシングルが「桜」というギャップも興味深い! 真っ白な背景から始まり、CGで都会の夕焼け空や桜、花火、屏風を映し出していく派手な演出だが、ちょっとカメラを引きにして終始スタジオ感を出しているのも気になるところ。昔は高級な色とされていた紫を基調とした衣装も負けじとゴージャス感を放ち、持ち前の華やかさはそのままに日本の文化と人生を照らし合わせたナンバーを表現している。メンバー曰く「U. S. A.」での“いいねダンス”に人差し指と中指を足した“サクラフィンガー”がサビのダンスに含まれているのがポイントとのことで、ご覧の際にはそちらもぜひチェックを!

「Go! Go! Let's Go!」(’16)
/E-girls

新しい日本と伝統を融合させた“Japanese Neo Girls”というユニークなテーマを掲げたMVがこちら! その衣装はデコトラ文化に始まり、モヤイ像を置いて表現した渋谷系ファッション、アレンジされた学生服、スイーツでかわいらしく仕上げた原宿系やシックにキメたゴスロリなど、現代的な日本文化を次々に提示。大きな神輿をバックに着物をアレンジした衣装でのダンスシーンもインパクト大で、《That's O.K.》と歌われるフレーズがさまざまなファッションを好む日本人への肯定的な言葉にも聴こえてくる。日本ならではのファッションがたくさんあるのだなと改めて実感できるし、ファンにとってはいろいろなE-girlsを堪能できる嬉しい作品でもあるだろう。

「ZIPANG」(’19)
/HYDE feat. YOSHIKI

HYDE feat. YOSHIKI名義でのシングル「ZIPANG」は、タイトルが表す通り古き良き日本の美しさを表現したバラード曲。世界遺産に登録されている京都の東寺で撮影されたMVにはもちろんYOSHIKIも出演し、東寺に祀られている菩薩が憑依したイメージで作られた冠と衣装をまとうHYDEの姿が印象的だ。背後にオーラを漂わせる神々しい佇まいに圧倒されるが、世の中を見守るかのようなやさしい眼差しで歌われる日本の四季と現代社会を照らし合わせた歌詞が心に染みわたる。また、金色に輝く東寺と紅葉のカットをふんだんに使用している部分にも要注目。撮影地である東寺に訪れてみたいという気持ちや、菩薩への興味が生まれたりと、自然と伝統文化に触れあうきっかけにもなりそうだ。

TEXT:千々和香苗

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着