【moke(s) ライヴレポート】
『moke(s) 2nd Mini ALBUM
「GIVE MORE GEAR」発売記念
ONEMAN LIVE 「もっと武器をくれ」』
2019年2月24日 at 吉祥寺PLANET K
町田直隆(Vo&Gu/ex. BUNGEE JUMP FESTIVAL)、海北大輔(Ba/LOST IN TIME)、小寺良太(Dr/ex. 椿屋四重奏)という3人編成で活動しているmoke(s)。2月13日にリリースされた2ndミニアルバム『GIVE MORE GEAR』によって、改めて存在感の大きさを示した彼らが2月24日、吉祥寺PLANET Kでワンマンライヴを行なった。
薄暗いステージに登場した3人が最初に披露したのは、新曲「Are you breeding?」。歪んだギターの爆音、不敵にうねるベースライン、下腹部にズシンと響いてくるドラムのビートが一体となったサウンドが猛烈に刺激的! 続いて「slow suicide」と「F.F.O」も披露され、どんどん熱気に包まれていった会場内。そのまま、さらに畳み掛けるかのようにパワフルな演奏が続くかと思われたが…予想外の出来事が待っていた。“ちょっとドクターストップ。プラスドライバーを持ってきてください!”とスタッフに呼びかけた町田。なんと、彼が弾いていたギターのストラップピンの部分が外れてしまったらしい。突然生じたインターバルであったが、このようなハプニングも心から楽しんでいたメンバーたち。“この人(町田)には予備はないんです。スペアという考えがない人ですから(笑)。ここで矢継ぎ早にいく予定だったんだけど”(小寺)“まぁ、矢継ぎ早にいくんだけどね(笑)”(海北)とふたりのリラックスしたトークが観客を和ませている中、ガムテープを使って補修を済ませた町田。そして、演奏はすぐに再開された。
新曲「GIVE IT ALL YOU GOT」を経て、「UNDERDOG SONG」や「IDIOT HUMAN RANKING」など、『GIVE MORE GEAR』に収録されている強力なナンバーの数々が一気に披露されていった。90年代のオルタナティブロックへの敬意を感じる骨太なサウンドでありつつ、歌のメロディーを大切な主軸としている各曲は、moke(s)の音楽の深い魅力を観客に強く実感させていたはずだ。パンキッシュな音楽性ではあるが、演奏をしている3人の実に楽しそうな様子が伝わってくるのも、とても印象的だった。
「リグレット」が届けられたあとに迎えたインターバルで、メンバーたちは新しく作ったオリジナルグッズのタオルについて話し合った。“前のタオル(のイラスト)はビッグマフだったけど、新しいのはディストーションとターボラットなんです!”と力説していた町田。念のために解説すると…ビッグマフ、ディストーション、ターボラットは、どれもギターの音を歪ませるために使用するエフェクター。ギタリストにしかなかなか理解されないこのようなマニアックなポイントを熱く語っていた彼の姿は、moke(s)の音楽の核にあるピュアなエネルギーを自ずと示しているように感じられた。
“このバンドを始めてから良い感じで活動してきて、最近、ようやくmoke(s)にしかできないことができるようになった気がしています”と町田が語ったあと、2016年にリリースされた1stアルバム『BEAUTIFUL LOSER』のタイトル曲「ビューティフルルーザー」を皮切りに突入した後半戦。全力の歌と演奏が観客を激しく興奮させていて、メンバーたちも確かな手応えを感じているようだった。“俺にとってライヴは闘い。いつも楽しく闘わせてくれてありがとうございます!”(町田)という言葉を噛み締めながら聴いた「END OF THE NIGHT」は、彼らのmoke(s)に懸ける強い想いがこもっているのを感じた。そして、「ディスコード&ミー」「DESPERATION」「メタリック リトミック」も届けられて本編は終了。観客の間からアンコールを求める手拍子が起こった。
“ミニアルバムが出たばかりだけど、もう次の場所に向かっています。早く次の作品を作りたい気持ちでいっぱいなんです”と、今後の活動への意欲を町田が語ったあとにスタートしたアンコールの1曲目「デスバイサウンド」はすぐに演奏がストップ。仕切り直しをすることになったのだが、コード進行を聴いて加山雄三の「君といつまでも」をふと思い浮かべた小寺のリクエストによって、町田がこの曲を熱唱し始めるというシュールな展開となって観客は大喜び。そんな不思議な場面を経て、再び披露された「デスバイサウンド」は凄まじい爆音の塊となって会場全体を震わせていた。
「I DIG MY DIS」も届けたあと、メンバーたちは一旦ステージをあとにしたが、町田がすぐに戻ってきた。“この年齢になって楽しくて。すげぇ感謝してます。嫌になっちゃうこともあったけど、楽しくステージに立てていて…それが答えになってるんじゃないかなと。これからも高らかにロックをやっていきます!”と抱えている想いを語った彼は、ギターを弾きながら「ヒムス」を歌い始めた。やがて海北、小寺も現れ、構築された3人のアンサンブル。ふたりのコーラスも加わって響き渡ったハーモニーが、瑞々しいメロディーを鮮やかに浮き彫りにしていた。そして、演奏が終了した時、観客の間から起こった大きな拍手。ダイブをして観客の頭上を漂ったあと、ステージに戻った町田が浮かべた笑顔が、とてもさわやかだった。この日のステージ上で3人が体感したエネルギーはmoke(s)をますます進化させるのではないだろうか。今後の活動への期待が高まるライヴであった。
薄暗いステージに登場した3人が最初に披露したのは、新曲「Are you breeding?」。歪んだギターの爆音、不敵にうねるベースライン、下腹部にズシンと響いてくるドラムのビートが一体となったサウンドが猛烈に刺激的! 続いて「slow suicide」と「F.F.O」も披露され、どんどん熱気に包まれていった会場内。そのまま、さらに畳み掛けるかのようにパワフルな演奏が続くかと思われたが…予想外の出来事が待っていた。“ちょっとドクターストップ。プラスドライバーを持ってきてください!”とスタッフに呼びかけた町田。なんと、彼が弾いていたギターのストラップピンの部分が外れてしまったらしい。突然生じたインターバルであったが、このようなハプニングも心から楽しんでいたメンバーたち。“この人(町田)には予備はないんです。スペアという考えがない人ですから(笑)。ここで矢継ぎ早にいく予定だったんだけど”(小寺)“まぁ、矢継ぎ早にいくんだけどね(笑)”(海北)とふたりのリラックスしたトークが観客を和ませている中、ガムテープを使って補修を済ませた町田。そして、演奏はすぐに再開された。
新曲「GIVE IT ALL YOU GOT」を経て、「UNDERDOG SONG」や「IDIOT HUMAN RANKING」など、『GIVE MORE GEAR』に収録されている強力なナンバーの数々が一気に披露されていった。90年代のオルタナティブロックへの敬意を感じる骨太なサウンドでありつつ、歌のメロディーを大切な主軸としている各曲は、moke(s)の音楽の深い魅力を観客に強く実感させていたはずだ。パンキッシュな音楽性ではあるが、演奏をしている3人の実に楽しそうな様子が伝わってくるのも、とても印象的だった。
「リグレット」が届けられたあとに迎えたインターバルで、メンバーたちは新しく作ったオリジナルグッズのタオルについて話し合った。“前のタオル(のイラスト)はビッグマフだったけど、新しいのはディストーションとターボラットなんです!”と力説していた町田。念のために解説すると…ビッグマフ、ディストーション、ターボラットは、どれもギターの音を歪ませるために使用するエフェクター。ギタリストにしかなかなか理解されないこのようなマニアックなポイントを熱く語っていた彼の姿は、moke(s)の音楽の核にあるピュアなエネルギーを自ずと示しているように感じられた。
“このバンドを始めてから良い感じで活動してきて、最近、ようやくmoke(s)にしかできないことができるようになった気がしています”と町田が語ったあと、2016年にリリースされた1stアルバム『BEAUTIFUL LOSER』のタイトル曲「ビューティフルルーザー」を皮切りに突入した後半戦。全力の歌と演奏が観客を激しく興奮させていて、メンバーたちも確かな手応えを感じているようだった。“俺にとってライヴは闘い。いつも楽しく闘わせてくれてありがとうございます!”(町田)という言葉を噛み締めながら聴いた「END OF THE NIGHT」は、彼らのmoke(s)に懸ける強い想いがこもっているのを感じた。そして、「ディスコード&ミー」「DESPERATION」「メタリック リトミック」も届けられて本編は終了。観客の間からアンコールを求める手拍子が起こった。
“ミニアルバムが出たばかりだけど、もう次の場所に向かっています。早く次の作品を作りたい気持ちでいっぱいなんです”と、今後の活動への意欲を町田が語ったあとにスタートしたアンコールの1曲目「デスバイサウンド」はすぐに演奏がストップ。仕切り直しをすることになったのだが、コード進行を聴いて加山雄三の「君といつまでも」をふと思い浮かべた小寺のリクエストによって、町田がこの曲を熱唱し始めるというシュールな展開となって観客は大喜び。そんな不思議な場面を経て、再び披露された「デスバイサウンド」は凄まじい爆音の塊となって会場全体を震わせていた。
「I DIG MY DIS」も届けたあと、メンバーたちは一旦ステージをあとにしたが、町田がすぐに戻ってきた。“この年齢になって楽しくて。すげぇ感謝してます。嫌になっちゃうこともあったけど、楽しくステージに立てていて…それが答えになってるんじゃないかなと。これからも高らかにロックをやっていきます!”と抱えている想いを語った彼は、ギターを弾きながら「ヒムス」を歌い始めた。やがて海北、小寺も現れ、構築された3人のアンサンブル。ふたりのコーラスも加わって響き渡ったハーモニーが、瑞々しいメロディーを鮮やかに浮き彫りにしていた。そして、演奏が終了した時、観客の間から起こった大きな拍手。ダイブをして観客の頭上を漂ったあと、ステージに戻った町田が浮かべた笑顔が、とてもさわやかだった。この日のステージ上で3人が体感したエネルギーはmoke(s)をますます進化させるのではないだろうか。今後の活動への期待が高まるライヴであった。
撮影:高田真希子/取材:田中 大