【ライヴレポ】けやき坂46と日向坂4
6のハッピーオーラを堪能できた特別
な日!「空のようにどんな色にも染ま
れるグループになりたい」

一本の欅から青空が生まれる——後半戦の幕開けでモニターに表示された言葉をそのまま体現するような、実にドラマティックなライヴだった。去る2月11日、けやき坂46からの改名と3月27日のシングルデビューを電撃発表した日向坂46。3月5日、6日の2Daysにわたり神奈川・横浜アリーナで開催された『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』は、その前半戦を“けやき坂46ラストライヴ”として行い、その歴史を丹念に振り返り。そのまま日向坂46のお披露目をして、記念すべき“終わり”と“始まり”を満員のおひさまたちと共に祝った。

まずは、欅坂46の後輩グループとして長濱ねるを中心に結成された経緯を辿るドキュメント映像が流れ、ムービーの中で長濱が「聴いてください。けやき坂46デビュー曲「ひらがなけやき」」と告げた瞬間、一期生がステージに。過去の映像とシンクロする形で「ひらがなけやき」からライヴをスタートさせる。そしてキャプテンの佐々木久美が突然の改名発表に伴い、けやき坂46としてファンへの挨拶ができていなかったこと。そのため「けやき坂46のラストライヴとして、みなさんに最後のご挨拶をしたい」と語ると、「けやき坂46ラストライヴ、盛り上がっていけますか!?」「もっと声出せ!」とメンバーが立て続けに煽って、彼女たちの2番目の曲「誰よりも高く跳べ!」へ。客席で一斉に振り上がる緑色のペンライトと、“オイ!オイ!”と湧くコールを受けて、過去映像をバックにソロダンスを届けていく。以降も活動の順を追って、その時々のドキュメント映像を交えながら、けやき坂46の楽曲を次々に披露。「振り付けも進化しているんですよ。まだ私たちがあまり知られていない時期は、カメラに抜かれやすいようにと顔回りの振りが多かったり」という加藤史帆のMCを確認させてくれる。
長濱の欅坂46兼任解除後初の楽曲「それでも歩いてる」では、センター席の最後方から登場して花道中央のセンターステージに並べた椅子の道を歩き、それを飛び越えるという象徴的なパフォーマンスで当時の心境を象徴。続いては二期生加入のターンとなり、ソロダンスでステージに現れた彼女らが、1年前に初めてステージで歌った「おいでシャンプー」(乃木坂46のカバー)を愛らしく披露する。以降は花道の前から後ろから、次々に姿を現す立体的パフォーマンスでも魅了。一期生と二期生が合流しての初めての曲「ひらがなで恋したい」になると、歌声の厚みもファンのコールの勢いもグッと増して、ラストに齊藤京子と笑顔でハグした佐々木美玲は、一転「期待していない自分」でスカートを翻して花道をダッシュする。そして「けやき坂46としてのパフォーマンスはこの曲で最後になります。私たちがいつもハッピーでいられるのはみなさんのおかげです!」と贈られたのは、けやき坂46のモットーを現した「ハッピーオーラ」だ。アリーナの外周に散らばって笑顔で手を振り、終盤には三期生として加入したばかりの上村ひなのも壇上に登場。ステージを去る列の最後は松田好花が一礼して、けやき坂46は3年の歴史に幕を閉じた。
そして今年2月11日に改名を知り、喜ぶメンバーたちの映像が映し出されると、ここからは日向坂46のファーストライヴがスタート。“日向坂46”の巨大電飾と共にメンバーが現れてデビューシングル「キュン」が始まるや、場内のペンライトは一瞬にして日向坂46のグループカラーである空色に変わる。始まりの第一歩を示すにはピッタリのビートの利いたダンスチューンで、センター・小坂菜緒の“可愛い”の囁きに場内は大歓声!事前にコール動画が上げられていただけあり、“おひさま”と命名されたファンのコールも完璧だ。「私たち、日向坂46です!」と佐々木久美が初めてのご挨拶をすると、「キュンキュンダンスをみなさんとやりたい!」という渡邉美穂の提案で、曲中のダンスを会場の全員で練習。その後も、日向坂46を紹介するように花道を行進する「ときめき草」、一期生曲「耳に落ちる涙」、二期生曲「沈黙が愛なら」と、シングル「キュン」収録曲を切なくも軽やかにパフォーマンスしていく。ほのぼのとした「Footsteps」では選抜メンバーの加藤、佐々木久美、佐々木美玲、高本彩花、小坂がセンターステージへと進み、加藤は「新しいユニット、すごく嬉しいね!」と笑顔に。また「JOYFUL LOVE」では、おひさまがブロック毎にペンライトの色を変えて、客席に虹を出現させるサプライズでメンバーを歓喜させた。
さらに「ライヴでずっとみなさんが歌っていける曲になったらいいなって」と、アリーナを一周しながら客席間近で披露したのは、今日のために秋元康が書き下ろした未発表曲「日向坂」。ひらがなで学んだこと、漢字を書くカッコよさ……等、これまでの心境を赤裸々に綴りながらも“坂はたくさんあるどの坂も素敵”と悟り、降り注ぐバルーンの中で“全力で上るだけ僕たちは日向坂”と歌い上げる彼女らの姿は、素晴らしく輝いていた。
アンコールでは、開演前にずっと泣いていたという柿崎芽実が「これからどんどん坂を駆け上ってやるぞ!っていう気持ちになりました」と伝え、小坂は「メンバーとおひさまのみなさんに出会えたことが、すごく嬉しいです!」と涙目で語った。さらに佐々木久美が「空って時間帯や天気によっていろんな色に変わるので、どんな色にも染まれるグループになりたいと思います」と宣言すると、再びの「キュン」から「NO WAR in the future」で会場中が大合唱。ラスト曲「約束の卵」でメンバーもペンライトを振りかざし、“一緒に歩いて一緒に辿り着こう”と歌いかければ、それを誓うように加藤、斎藤、佐々木美玲が指で“ヒ”マークを作る。「日向坂46は絶対にみなさんを後悔させない、みなさんを大事にするグループになりたいと思います」———佐々木久美のこの言葉にも表れている通り、波乱万丈の歴史を持つ日向坂46は、ファンに支えられたことを最も強く実感しているグループかもしれない。その心意気を武器として、これからも私たちにハッピーオーラを振りまいてくれることだろう。
写真/上山陽介 文/清水素子
<セットリスト>
1.ひらがなけやき
2.誰よりも高く跳べ!
3.僕たちは付き合っている
4.永遠の白線
5.それでも歩いてる
6.おいでシャンプー
7.イマニミテイロ
8.ひらがなで恋したい
9.半分の記憶
10.期待していない自分
11.ハッピーオーラ
12.キュン
13.ときめき草
14.耳に落ちる涙
15.沈黙が愛なら
16.Footsteps
17.君に話しておきたいこと
18.抱きしめてやる
19.JOYFUL LOVE
20.日向坂(未発表曲)
-アンコール-
EN1.キュン
EN2.NO WAR in the future
EN3.約束の卵

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