【JYOCHO ライヴレポート】
『JYOCHO Oneman Tour 2019
“美しい終末サイクル”』
2019年3月9日 at 代官山UNIT
1stフルアルバム『美しい終末サイクル』でバンドとしての結束をいよいよ高め、同作を携えて自身最大規模となる全国8カ所でのワンマンツアーを行なってきたJYOCHO(じょうちょ)。そのファイナルが3月9日に代官山UNITで開催された。
アルバムのプロローグである「from long ago」をSEに、白の衣装で現れた5人。ステージ後方には“Utsukushii Shuumatsu Cycle JYOCHO”のバックドロップが掲げられ、「つづくいのち」のリフを鳴らすだいじろー(Gu&Cho)の表情からは早くも笑みがこぼれる。そこに猫田ねたこ(Vo&Key)とはち(Fl)の華やかな音色、hatch(Dr)とsindee(Ba)の引き締まったリズムが合致して生まれるグルーブ。2018年7月のShibuya WWW公演と比べても硬さはなくなり、全員ともに“JYOCHOをやれることが楽しいんだ!”と歓喜しているかのような、理想的に高揚感の乗った音が場内へ渦巻き出す。
「太陽と暮らしてきた」までをアグレッシブに駆け抜けたのち、猫田が“リハと設定が変わってる?”とポツリ。どうやらキーボードの音がかなりスピリチュアルに変わってしまっていたらしい。しかしながら、そんなハプニングも“まずはスピリチュアルバージョンでお届けしましたー!”とだいじろーが笑わせてスムーズに乗り切るあたり、やっぱりバンドの風通しの良さがうかがえる。
「my room」~「my rule」と続くブロックでは、hatchのドラムを中心にひんやりとした質感の音像へシフト。『美しい終末サイクル』の世界観をさらに色濃く体現しようと、5人の演奏に気迫が増す。「互いの宇宙」になれば、ミラーボールがライトブルー→ゴールドの光を放ち、恍惚のスペーシー空間を演出。どのパートも主役であるかの如く希有なバランスで成り立つサウンドながら難解に聴かせず、しっかりと感激をもたらしていく。その都度、新しい情緒が味わえる余白=抽象性もこのバンドならではの魅力だ。
“ミュージックビデオのコメント欄が賛否両論あって嬉しい”“馬乗りでボコボコに殴られてる気分って書かれてたけど、なんか分かるよね(笑)”“もっとヒューヒュー言われたい!”とメンバーが前置きしただけに、これまでにない熱狂で沸いた「sugoi kawaii JYOCHO」。盛り上がるためのブレイクポイントを作ったタッピング濃い目のライヴアレンジはファンにも大好評で、お馴染みの「family」へつながる流れも美しく、はちのフルートが一段と心地良く感じられる。また、各地でのどぐろやへぎそばを食べた話など、楽しかったツアーの思い出を語る和やかなMCもあった。
その後も「Aporia」「わたしは死んだ」と、『美しい終末サイクル』のナンバーを軸にたっぷり披露。曲を重ねるにつれて、世の中に存在する法則やサイクルを想像させたり、命、自由、記憶、意識、時間、距離などについて聴き手に考えさせたり。温かい空気が辺りを満たす中、お客さんは独創的なアンサンブル、ひとつひとつのフレーズ、言葉を思い思いに感じ取りつつ、JYOCHOの哲学に触れている。
“JYOCHOは一見難しそうな音楽性で分かりにくい言葉かもしれないけど、意識の及ばないような領域でみなさんや現代にフィットしていくと信じてます。国内ではプログレ、ポストロック、マスロックと言われてるジャンルって売れないんですよ。でも、僕らはそういう壁をぶち壊していきたいので、これからもよろしくお願いします!”とだいじろーが熱い想いとともに感謝を告げ、本編ラストはアルバムを象徴する「美しい終末サイクル」「こわかった」で締めた。JYOCHOらしい希望の見出し方を伝えて。
アンコールではJYOCHOのシンボルとしてもはや定着したキャベツ(だいじろー曰く、健康管理食材ランキング1位!)をあしらったニューグッズを紹介。そして、春キャベツをちぎってお客さんに配る異例のパフォーマンスも(笑)。4月26日には新代田FEVERでCRCK/LCKSとのツーマンが決定するなど、今後も精力的にライヴを続けてくれるという。ファイナルを迎え、充実の表情を浮かべる5人。会場の手拍子を味方につけた「pure circle」で、ひとつの集大成となったJYOCHOの全国ツアーは幕を閉じた。
アルバムのプロローグである「from long ago」をSEに、白の衣装で現れた5人。ステージ後方には“Utsukushii Shuumatsu Cycle JYOCHO”のバックドロップが掲げられ、「つづくいのち」のリフを鳴らすだいじろー(Gu&Cho)の表情からは早くも笑みがこぼれる。そこに猫田ねたこ(Vo&Key)とはち(Fl)の華やかな音色、hatch(Dr)とsindee(Ba)の引き締まったリズムが合致して生まれるグルーブ。2018年7月のShibuya WWW公演と比べても硬さはなくなり、全員ともに“JYOCHOをやれることが楽しいんだ!”と歓喜しているかのような、理想的に高揚感の乗った音が場内へ渦巻き出す。
「太陽と暮らしてきた」までをアグレッシブに駆け抜けたのち、猫田が“リハと設定が変わってる?”とポツリ。どうやらキーボードの音がかなりスピリチュアルに変わってしまっていたらしい。しかしながら、そんなハプニングも“まずはスピリチュアルバージョンでお届けしましたー!”とだいじろーが笑わせてスムーズに乗り切るあたり、やっぱりバンドの風通しの良さがうかがえる。
「my room」~「my rule」と続くブロックでは、hatchのドラムを中心にひんやりとした質感の音像へシフト。『美しい終末サイクル』の世界観をさらに色濃く体現しようと、5人の演奏に気迫が増す。「互いの宇宙」になれば、ミラーボールがライトブルー→ゴールドの光を放ち、恍惚のスペーシー空間を演出。どのパートも主役であるかの如く希有なバランスで成り立つサウンドながら難解に聴かせず、しっかりと感激をもたらしていく。その都度、新しい情緒が味わえる余白=抽象性もこのバンドならではの魅力だ。
“ミュージックビデオのコメント欄が賛否両論あって嬉しい”“馬乗りでボコボコに殴られてる気分って書かれてたけど、なんか分かるよね(笑)”“もっとヒューヒュー言われたい!”とメンバーが前置きしただけに、これまでにない熱狂で沸いた「sugoi kawaii JYOCHO」。盛り上がるためのブレイクポイントを作ったタッピング濃い目のライヴアレンジはファンにも大好評で、お馴染みの「family」へつながる流れも美しく、はちのフルートが一段と心地良く感じられる。また、各地でのどぐろやへぎそばを食べた話など、楽しかったツアーの思い出を語る和やかなMCもあった。
その後も「Aporia」「わたしは死んだ」と、『美しい終末サイクル』のナンバーを軸にたっぷり披露。曲を重ねるにつれて、世の中に存在する法則やサイクルを想像させたり、命、自由、記憶、意識、時間、距離などについて聴き手に考えさせたり。温かい空気が辺りを満たす中、お客さんは独創的なアンサンブル、ひとつひとつのフレーズ、言葉を思い思いに感じ取りつつ、JYOCHOの哲学に触れている。
“JYOCHOは一見難しそうな音楽性で分かりにくい言葉かもしれないけど、意識の及ばないような領域でみなさんや現代にフィットしていくと信じてます。国内ではプログレ、ポストロック、マスロックと言われてるジャンルって売れないんですよ。でも、僕らはそういう壁をぶち壊していきたいので、これからもよろしくお願いします!”とだいじろーが熱い想いとともに感謝を告げ、本編ラストはアルバムを象徴する「美しい終末サイクル」「こわかった」で締めた。JYOCHOらしい希望の見出し方を伝えて。
アンコールではJYOCHOのシンボルとしてもはや定着したキャベツ(だいじろー曰く、健康管理食材ランキング1位!)をあしらったニューグッズを紹介。そして、春キャベツをちぎってお客さんに配る異例のパフォーマンスも(笑)。4月26日には新代田FEVERでCRCK/LCKSとのツーマンが決定するなど、今後も精力的にライヴを続けてくれるという。ファイナルを迎え、充実の表情を浮かべる5人。会場の手拍子を味方につけた「pure circle」で、ひとつの集大成となったJYOCHOの全国ツアーは幕を閉じた。
撮影:佐藤広理/取材:田山雄士
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