歌い継がれる名曲の数々!時代を拓い
た兄妹デュオ・カーペンターズに迫る
デビュー50周年を控えた2018年、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのコラボが実現し、実に17年ぶりとなる新曲を発表。
情報番組『スッキリ』に出演した兄Richardは、往年の名曲を自ら生演奏で披露。感動を日本全国に届けてくれましたよね。
今回は、時代を超えて愛される名曲と共に、Carpentersの軌跡を紹介します。
「カッコいいからこっちで...」。グループ名決定の意外な理由。
「Carpenters(カーペンターズ)」は、1969年にデビューした、兄Richard(楽器)、妹Karen(ヴォーカル)のCarpenter兄妹によるアメリカのポップス・デュオ。
本来、『大工』を意味するCarpentersと区別するため、定冠詞の付いた「The Carpenters」がグループ名となるはずが、兄Richardの「付けない方がかっこいい」との思いから、グループ名はTheが付かないものが正式なものとなります。
その後、Carpenters(カーペンターズ)はビートルズと並び、70年代を代表するアーティストに成長。
また、日本において最も成功を収めた海外アーティストの一つになります。
また、日本において最も成功を収めた海外アーティストの一つになります。
"異端"からスタンダードに!常識をくつがえした革命的スタイル。
妹Karenの低くてどこか哀愁を感じさせる歌声と、兄Richardの高いアレンジメントおよびピアノセンスが奏でるハーモニーで、70年代の音楽界を席巻したカーペンターズ。
日本でも絶大な人気を誇り、現在でも英語の教科書などで紹介されるなど、幅広い層から親しまれていますよね。
しかし、当時の音楽界において、Karenのようなアルト歌手は極めて異質。
ましてや、この当時はKarenのような女性ヴォーカルが極端に少なく、Carpentersの音楽スタイルもまた、時代に逆行するもの。
故に"異端"とみなされており、特に音楽評論家たちからの評価は辛らつなものでした。
そこでRichardは、世間から高い評価を受けていたKarenの歌唱力に注目。
当初はドラマーとしても活躍していたKarenの歌唱シーンを増やし、Richard自身は楽器メインに移行。
さらに、Richardのアレンジ能力の高さはグループを大きく助けることになります。
Richardはコンサートやツアーにおいて、同じ曲であっても毎回違った作品を披露しているかのようなユニークな演出を披露。
また、Karenの歌声を最大限に生かした楽曲作りを可能にしたのも、Richardの類まれな音楽センスでした。
Carpentersは、当初の評価を覆し、アメリカはもちろん世界的な人気を獲得。
特にRichardの評価は大きく変わり、のちにグラミー賞を3度受賞するなど、時代を超えて愛されるアーティストとなります。
特にRichardの評価は大きく変わり、のちにグラミー賞を3度受賞するなど、時代を超えて愛されるアーティストとなります。
また、ポップスバンドの新しいスタンダードを築き上げたと言っても過言ではなく、グループ解散後も各方面から高い評価を受け続けている事も忘れてはいけません。
時代を超えて愛されるカーペンターズの名曲3選
Yesterday Once More
1973年に発売されたシングル。
世界中で大ヒットを記録し、特に日本では今なお英語の教材で紹介される続けており、最も知名度・人気ともに高いCarpentersの曲と言っても過言ではないでしょう。
またこの曲は、Richard自身が最も愛している作品でもあります。
Richardが、歌詞のどの部分を気に入っているのか、ということに着目しながら聴いてみると、新たな発見があるかもしれません。
若い頃、ラジオから大好きな曲が流れてくるのを楽しみにしていた。
曲が流れると、笑顔で一緒に歌ったもんだ。
「Yesterday Once More」は、直訳すると「昨日よもう一度」という意味。
しかしこの場合は、昨日のように感じる事を「Yesterday」と表現したものになります。
しかしこの場合は、昨日のように感じる事を「Yesterday」と表現したものになります。
ラジオを聴いた思い出。
好きな曲が流れるのを待っていた思い出。
笑顔になった思い出。
好きな曲が流れるのを待っていた思い出。
笑顔になった思い出。
そのすべてが、昨日のように感じる。
「まだ生きている」という表現がまさにそれを表していますよね。
遥か昔のことでも、思い出は生きており、まるで昨日の出来事かのように鮮明に覚えている。
皆さんの中にも、そんな思い出の一つ二つはあるのではないでしょうか?
I Need To Be In Love
1976年に発売され、「青春の輝き」という邦題でもおなじみの楽曲。
様々なアーティストによってカバーされており、Carpentersの楽曲の中でも世界的に評価の高い一曲です。
歪んだ世の中、でも運命の人はきっといる(There's someone in this crazy world for me)
「そんなこと信じろって言われたって出来っこない(The hardest thing I've ever done is keep believing)」
「そんなこと信じろって言われたって出来っこない(The hardest thing I've ever done is keep believing)」
おそらく思春期の真っ只中にある女性を描いた歌詞でしょう。
歌詞にある、「歪んだ世の中」(crazy world)というのは、彼女が束縛されずに自由に生きていきたい(No promises, let's keep...)女性であり、そういうタイプがなかなか恋愛をできない世の中を嘆いた表現であると捉えることができます。
直訳すると、『恋をしなくてはいけない』を意味する「I need to be in love」。
そもそも、タイトルでもあるこのフレーズは、何故『青春の輝き』という邦題に決まったのでしょうか...。
I've wasted too much time(大切な時間を無駄にした)
I ask perfection of a quite imperfect world(不完全な世界で完璧を求めた)
I ask perfection of a quite imperfect world(不完全な世界で完璧を求めた)
普通に考えれば、「大切な時間を無駄にした」ことも「不完全な世界で完璧を求めた」ことも、どちらも過ちであります。
しかし、それが「青春」であるのなら、過ちもやがて"輝き"となるのです。
不完全な世界で完全を求めることは理不尽である。
しかし、多少の高望みや背伸びは青春には付き物であり、過ちであることに気付けた時には、それが"輝き"となるのです。
青春時代のほろ苦い思い出も、この歌の本当の意味を理解しながら聴けば、ポジティブなものに変わるかもしれませんね。
Top Of The World
「ビルボードNo.1ソング」にもなったCarpentersの不朽の名曲。
日本では、ドラマやCMの主題歌および挿入歌としても頻繁に起用され愛されています。
2分台の短い曲に詰まった深い歌詞を読み解きながら聴いてみましょう!
『I Need To Be In Love』とは対照的に、満ち足りた現状を歌った曲。
それは「Not a cloud in the sky」(雲ひとつない世界)という表現からもよく分かりますよね。
この「雲ひとつない世界」という表現は、ただ単に天気が良いことを表しているのではなく、雲自体が発生しない場所を指しているのでしょう。
すなわち「the sky」は、「空」ではなく「天国」と捉えるのが自然。
すべてを手に入れ、これ以上何も望むものはなくなった。天にも昇る気持ちの主人公の中には一点の陰りもなく、全てがまぶしく感じる。
つまりそこは「天国」であり、それ以外のどこでもない。
何と言う優越感なのでしょう...一度でも良いからこんな気分を味わってみたいものです。(笑)
まとめ
今回は、世界的ポップス・バンド、Carpentersを紹介していきましたが、いかがでしたか?
いまだに多くのCMソングに起用されるなど、とても35年前に解散したバンドとは思えません。
さらに昨年は、兄Richardがコラボ曲を発表し、来日を果たすなど、ファンにとっては嬉しい出来事が続いた年となりましたよね。
今なお、世界中で愛されているCarpenters。
ビルボード・Hot100では4週連続首位を記録し、"Carpenters史上最高の曲"とも評される「Close to you」。
シンプルで歌いやすく、老若男女問わず愛される「Sing」など、名曲は数えきれません。
シンプルで歌いやすく、老若男女問わず愛される「Sing」など、名曲は数えきれません。
この先、時代がどれだけ変わっても、永遠に歌い継がれてゆくことでしょう。
TEXT レノ