【入野自由 インタビュー】
全曲作詞で見つけた
“歌うことの意味”
自分の“想い”を自分の手で
かたちにするのは意味のあること
爆アゲ曲での締め括りには、まんまと呆気にとられましたよ(笑)。では、他の曲も詞を先行して、あとから曲を付けるかたちだったんでしょうか?
そうです。「誰からも愛されるあなたのように」も作曲の方に詞の細かい内容や旅の出来事をお話して、そこから感じたものを自由に曲にしてもらいました。今までのつながりから信頼の置ける作曲陣にお願いする&初のコラボレーションを楽しむ!というのがテーマだったので、下手に“こうしてほしい”という希望は出したくなかったんです。あとは、詞の雰囲気に変化を与えるためにディレクターたちとも話し合いながら、いろいろな曲調を盛り込むようにもしました。
ラテン調の「Monet」、レトロなディスコ調の「Lazy morning」、R&Bな「例えば歌が日記だったなら」と、確かにスタイリッシュな流れの中でも、さまざまな変化を楽しめました。8月から全国8都市9公演を回るライヴツアーも、バラエティー豊かなものになりそうですね。
前作アルバム『DARE TO DREAM』(2016年11月発表)と、今回のミニアルバムを中心としたライヴになる予定です。前回の留学前にやったツアーは3本と少なかったので、本数をこなしていくことで曲たちを進化させていきたいですね。
ちなみに全曲作詞という挑戦をして、入野さんの中ではどんな発見がありました?
今までは自分の好きなアーティストだったり、プロが手掛けてくれたものが最上だと思っていたんですけれど、その“最上”ではなくても、自分の“想い”というものを自分の手でかたちにするのは意味のあることだと実感しました。おかげで自分が歌うことについてひとつ答えが出た気がしますし、誰かのために歌うということをして、自分の中で歌う意味を消化できた気がします。
気になるのが小さな子供の後ろ姿をとらえたCDジャケットで、こちら入野さんご自身の写真なんですって?
そうなんです。どこかへ向かうようなイメージの写真で、親もそこに“彼方へ”というコメントを付けていたんです。アメリカ人の友人とメールで子供時代の写真を送り合っていた時も、この写真をとても気に入ってくれて“Live your dream”(夢を掴め)という言葉をくれたんです。憧れじゃなく、何かを行動するという強い言葉だったので、その写真とのリンクも感じましたし、CDジャケット風に加工して送り返してくれたりもして。そこからインスピレーションを得て、この素敵な写真を作品として残したい、見てもらいたいと考えるようになったんです。
それで“Live Your Dream”という作品タイトルが付いたんですね。本作自体が海外に行く、そして全曲で作詞をするという入野さんご自身の“行動”から生まれた、まさしく“Live Your Dream”を体現する作品になっていますが、今後はどんな行動を起こしてくださるんでしょう?
これまでと変わらず、今後も自分のやりたいことを続けていきたいですし、突き詰めていきたいですね。その中でもっとたくさんの人につながる音楽を作っていけたらと考えていますし、ひとりでも多くの人に聴いてもらえるように夏フェスとか、外の世界へガンガン飛び込んでいきたいです!
取材:清水素子