【ライブレポート】HY、地元沖縄で4
7都道府県ツアー完遂「ただいま!!」

HYが3月23日、沖縄・コンベンションセンター展示棟にて全国ツアー<HY STORY TOUR〜うさがみそーれ めんそーれ そーれそれそれ ゆくいみそーれ>のファイナル公演を行なった。オフィシャルレポートを掲載する。
  ◆  ◆  ◆

9月22日(土)に地元沖縄の宜野湾海浜公園屋外劇場からスタートした全国47都道府県ツアー<HY STORY TOUR〜うさがみそーれ めんそーれ そーれそれそれ ゆくいみそーれ>。通算4度目となる今回の47都道府県ツアーは、50公演がSOLD OUTに。それはHYのライブが観たいと願うファンの想いが全国に波及していることを実感する出来事だった。

ツアー中のこの半年間、HYは休むことなく走り続けていた。週末はツアーのステージに立ち、平日は沖縄に戻ってレコーディングや、沖縄のTV、FMのレギュラー番組の収録を行うという日々。そんな多忙な毎日を支える彼らのモチベーションは、ライブの会場でみんながあたたかく迎えてくれる歓声や笑顔だ。

3月23日(土)、全国で約8万人を動員したツアーが、沖縄コンベンションセンター展示棟でファイナルを迎えた。アリーナやスタンドを埋め尽くした会場が暗転した時、新里の「沖縄のみなさん、会いたかったよ! そして、ただいま!!」の言葉をきっかけに沖縄でのファイナルは始まった。

1曲目は「モノクロ」。曲の途中でメンバーが演奏をとめた瞬間、客席から歌声が湧き起こる。“届くはずのない想いをポケットにしまって 今日も出かけよう…”。この会場では何度もライブを観てきたが、広い空間をこれほど大きな歌声で満たされたのは初めての経験だった。
この日を待ち望んでいたシンカー(仲間)たちの心に、さらに火をつけたのが、客席に下りた新里がみんなとハイタッチしながら歌った「トゥータン」だ。みんなの近くで歌を届けたい。それは、全国で待っていてくれるシンカーに、HYから歌を届けにいく、という47都道府県ツアーの想いにも重なる。

沖縄ならではの演出もあった。HYの出身地、闘牛が盛んなうるま市のローカルヒーロー「闘牛戦士ワイドー」たちがステージに登場。RBC(琉球放送)で放映されていた特撮番組『闘牛戦士ワイドー』の主題歌「MAX」をHYが手がけたこともあり、同曲では、なんと戦士たちが踊るという、めったに観られないサプライズも。
そして、「みなさんの想い出をのせて、一緒に歌ってもらえますか?」の新里の呼びかけで、会場がひとつになった「AM11:00」。許田のベースソロに導かれるように始まった「366日」は、ライブだけのスペシャルなアレンジで披露される。切ないラブソングに、センチメンタルな空気感に満たされた会場が、一気に笑いに変わったのは、HYのツアーではおなじみの仲宗根泉・脚本・演出の寸劇「イーズー・コーナー」だ。英之に恋心を抱く泉、信子(許田)、俊子(名嘉)、悠子(宮里)の中で、誰が最初に想いを告げるかという告白物語に会場が笑いに包まれる。歌を聴かせるところと、笑いを誘うところのオンオフでみんなを楽しませるエンターテイメント性は、デビュー当初から変わらないHYのライブスタイルだ。
HYが沖縄色を音楽で発信していたのが、エイサー太鼓集団「琉球國祭り太鼓」を招いて演奏した「時をこえ」。沖縄に伝わる名言「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」=命こそが宝。おじい、おばあがいるから両親がいる。両親がいるから今の自分がいる。そして子どもへと、命は繋がっている。その想いを込めた力強い仲宗根の歌声に、勇壮なエイサー太鼓の音が共鳴して、心に響く歌になった。

新里の三線と、太鼓の響きの中で歌われた「Street Story」に、ウチナーンチュ(沖縄県民)魂を呼び起こされたのか、イントロが始まった瞬間から会場全体でカチャーシーの手踊りが始まった。続いて歌われたのは、「この物語」。これまでライブではほとんど聴けていない曲だ。今回のツアーでは、メンバーの意志で、会場ごとに曲順を入れ替えたり、ライブの構成を変えたりしていたとも聞く。終演後に仲宗根に、そのことを尋ねると、「ツアー中に何度観てもらっても新鮮に感じてもらえるものにしたかったので」と話してくれた。

「いい汗かいてますか?」と新里。「次はHYにとって始まりの曲。この曲があったからこうして出逢うことができています。みんなの近くに行って、歌を届けたいと思っています」と告げてメンバーそれぞれが客席をまわりながら「ホワイトビーチ」を歌う。客席から歌声が自然発生的に湧き上がり、会場全体を包み込んでいく。感動的な瞬間だった。
アンコールを求める指笛が続く。アンコールの声ではなく、指笛というのもいかにも沖縄らしい。そして、レインボーTシャツを着たメンバーがステージに現れると、指笛が歓声に変わった。ここでサプライズな発表があった。初夏に13枚目のオリジナルアルバムがリリースされること。新里英之のソロツアー<Hide’s Music Story〜Chapter1〜/〜Chapter1・Special Night〜>が、6月30日(日)福岡から7月21日(日)沖縄まで全国11公演が行われること。また10月17日(木)の東京からは、年をまたいだHYの全国ツアーが、ファイナル2月9日(日)沖縄コンベンションセンター劇場棟まで全26公演行われることなどが発表された。

そしてアンコールで歌われたのは、この日、初めてライブで披露される新曲「no rain no rainbow」。ニューアルバムにも収録される予定の新曲をいちはやく地元の沖縄で届けたいというHYからのスペシャルなプレゼントだ。

約3時間のライブだった。

「このツアーはどの会場も半分くらいがHYのライブを初めて観る人でした。そういう人の前でも自分たちはベストなパフォーマンスを観せられた。それが自信になりました」

ライブを終えた楽屋で、こう話していた新里の言葉が印象に残る。3月23日、20周年への道の第一歩を踏み出したHY。6人目のメンバー(シンカー)と向かう道の先には、澄みきった青い空に、大きな虹(Rainbow)が架かるだろう。
▲HY結成20周年記念ロゴ

取材・文◎伊藤博伸(office mahalo tokyo)

セットリスト

1.モノクロ
2.トゥータン
3.my friend
4.未来
5.MAX
6.カチャーシーエヴリデイ
7.AM11:00
8.366日
9.三月の陽炎
10.HAPPY
11.時をこえ
12.Street Story
13.この物語
14.エール
15.ガジュマルビート
16.フェイバリットソング
17.ホワイトビーチ

ENCORE1. no rain no rainbow(新曲)
ENCORE2. 隆福丸
ENCORE3. 旅立ち


HY 2019-2020ツアー情報

2019年
10月17日(木)東京・かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホール
10月19日(土)千葉・君津市民文化ホール
10月27日(日)茨城・取手市民会館
11月4日(月)宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館)大ホール
11月16日(土)福島・けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)中ホール
11月17日(日)岩手・田園ホール(矢巾町文化会館)
11月24日(日)徳島・鳴門市文化会館
11月28日(木)静岡・静岡市民文化会館中ホール
11月30日(土)群馬・高崎文化芸術センター
12月1日(日)埼玉・狭山市市民会館
12月6日(金)岡山・岡山市民会館
12月8日(日)広島・上野学園ホール
12月18日(水)福岡・福岡市民会館
12月20日(金)愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
12月21日(土)石川・本多の森ホール

2020年
1月5日(日)北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
1月10日(金)大阪・オリックス劇場
1月11日(土)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
1月13日(月)和歌山・和歌山県民文化会館大ホール
1月18日(土)新潟・新潟県民会館
1月25日(土)福岡・アルモニーサンク北九州ソレイユホール
1月26日(日)佐賀・鳥栖市民文化会館ホール
1月28日(火)鹿児島・鹿児島市民文化ホール第1ホール
1月31日(金)千葉・野田市文化会館
2月2日(日)東京・TOKYO DOME CITY HALL
2月9日(日)沖縄・コンベンションセンター展示棟


新里英之ソロツアー情報

<Hide's Music Story~Chapter1~>
2019年
6月30日(日)福岡・Gate's 7
7月1日(月)大分・BRICK BLOCK
7月4日(木)北海道・BFH HALL
7月7日(日)新潟・ジョイアミーア
7月9日(火)宮城・仙台LIVE DOME STARDUST
7月15日(月)東京・eplus LIVING ROOM CAFF&DINING
7月18日(木)岡山・SECOND BAMBI(洋食Bambi 3F)
7月21日(日)沖縄・ガンガラ―の谷

<Hide's Music Story ~Chapter1・Special Night~>
2019年
7月6日(土)神奈川・モーション・ブルー・ヨコハマ
7月14日(日)愛知・名古屋ブルーノート
7月20日(土)大阪・Billboard Live OSAKA


HY 海外公演情報

2019年
11月8日(金)ブラジル
11月9日(土)ペルー(イベント出演)
11月10日(日)ペルー

関連リンク

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

新着