ノラ・ジョーンズ「ただクリエイティ
ブな道に没頭して曲を作り上げる」

2016年に発表された前作『デイ・ブレイクス』から2年半。そしてそのアルバムを携えて行われたジャパン・ツアーからも2年が経ったこのタイミングで、ノラ・ジョーンズの新作『ビギン・アゲイン』が発売される。

ノラは2018年6月から数か月おきに新曲を配信にてリリース。まず6月に「マイ・ハート・イズ・フル」を。7月に「イット・ワズ・ユー」を。9月に「ア・ソング・ウィズ・ノー・ネーム」を。11月に「ウインタータイム」を。そして今年2月に「ジャスト・ア・リトル・ビット」を配信。アルバム『ビギン・アゲイン』はこの5曲に加え、現段階で未発表の2曲…「アッ・オウ」と表題曲「ビギン・アゲイン」を加えた全7曲で構成されている。

この一連の新曲配信シリーズを、ノラは「#songofthemoment(ソング・オブ・ザ・モーメント)」と名付けていた。ブルーノート・レコーズによれば、それは「なんのプレッシャーもジャンルの境界線も持たずに、ただクリエイティブな道に没頭して曲を作り上げる」というコンセプトを表わした名称だそうで、つまりはノラが今まで以上に自由な状況に身を置き、浮かんだイメージをすぐに曲にして順に配信していく、そういう“縛り”のない表現の仕方と発表方法を示す言葉であるらしかった。

実際、配信された新曲はそれぞれタイプの異なるもので、確かにジャンルの境界線を持たないことがわかった。「マイ・ハート・イズ・フル」はジャズでもブルースでもロックでもソウルでもないオルタナティブな傾向の曲だったし、「イット・ワズ・ユー」はホーンの入ったソウル・バラード。「ア・ソング・ウィズ・ノー・ネーム」はアコースティック・ギターの音色が印象的なフォーク・バラードで、「ウインタータイム」は大ヒットした1stアルバムのムードに近いシンプルで柔らかなピアノソングだった。このアルバムで初めて聴くことのできる新曲もタイプは様々で、これまでよりも自由に伸び伸びとノラが楽曲制作を楽しんでいた様子が感じ取れる。

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