【インタビュー】OverTone、全曲ラブ
ソングのコンセプトに成長とグループ
の勢いを詰め込んだ自信作『愛 and
優』

歌ってハモって踊ってラップして、笑わせて泣かせてキュンとさせてほっこりさせる。結成からおよそ1年半、不屈のエンタメ魂と、譲れない歌詞のリアルを武器に、全国のライブ・シーンでぐいぐい注目を集める4人組、その名はOverTone。先輩・ベリーグッドマンのHiDEXをプロデューサーに迎えたセカンド・アルバム『愛 and 優』は、全曲ラブソングというコンセプトの中に、個人の成長とグループの勢いを詰め込んだ自信作だ。OverToneはいかにして、次世代ブレイク候補へと名乗りを上げたか、4人全員インタビューで解き明かそう。

■いろんなサウンドのトラックをポップスに昇華させていこうみたいな感じ
■だからメロディや歌詞はわかりやすくしています

――では元気良く、自己紹介お願いします。

NOWAR The 匠(以下、匠):はい! NOWAR The 匠と申します。イメージ・カラーは紫です。

アマノ:僕、緑のアマノと申します。

八上和希(以下、八上):窓口みたいになっとるな(笑)。

GUCCHI:私が、青担当のGUCCHIです。

八上:僕がリーダーの八上です。黄色です。

――あはは。カラーあるんだ。

八上:ロゴを作ってもらった時に、デザイナーの人が僕らの印象で決めてくれたんですけど。しっくり来ています。

――グループ・リーダーが八上さん。ちなみにファッション・リーダーは。

GUCCHI:匠ですかね。自称なので、誰も認めてないですけど。

匠:言うてないわ! でも服は好きですね。

――アマノくんは何リーダー?

アマノ:僕は…運動? アウトドア系?

GUCCHI:釣りやろ。釣りリーダー。

アマノ:ピンポイントすぎやろ。でも釣りは趣味でずっとやっています。ブラックバスをやらせていただいています。

GUCCHI:僕、何リーダーでしょう? この中で突出していることといったら、漫画の知識量とかですね。

八上:あと、曲作る時、一番率先して作っています。

GUCCHI:真面目やな。
――そんな4人が、いつどこでどうやって出会ったのかというお話を。

八上:僕とGUCCHIとNOWAR The 匠は、それぞれ音楽活動をしている時に大阪のライブハウスで出会っていて、僕とアマノは中学の友達です。先輩の、ベリーグッドマンのHiDEXさんに「3人でやったら?」という話をもらった時に、僕が「アマノが入った方が絶対いい気がする」と言って、4人でやることになりました。アマノは音楽を始めたばかりだったから、急に素人入れるのはどうなの?という感じもあったんですけど、入ったらバランスがちょうど良くなった。

――直感が正しかった。

八上:正しかったかどうかは、あと3年ぐらい待ってください(笑)。

――まだ見習いか(笑)。

アマノ:大学を卒業したら消防士になろうと思っていたんですけど、公務員試験の2か月前に、ここで音楽せんと絶対後悔するなと思ったんですよ。それで八上に相談してた時に、「一緒にやろう」という話をもらって。

八上:ちょうどその頃、こっちで「アマノ入れたい」と言ってたんですよ。タイミングが良かったですね。

――それがいつ頃?

八上:2017年の3月ぐらいにその話になって、6月ぐらいにアマノが入って、結成を発表したのが9月です。GUCCHIの部屋に毎週集まって曲を作っていたんですけど、お金がなさすぎて、家の前にあったスーパーで100円のお惣菜と白ごはんとお茶買って、毎日済ましていました。たまに贅沢して松屋とか。
▲八上和希

――下積みは大事。そう考えると、ここまでスピード速いでしょう。

匠:CDも出して、ツアーもやらせてもらって、1年半前には考えられなかったスピード感ではありますね。

アマノ:僕は、音楽始めて3か月でワンマン・ライブやったんで。急に250人の前で1時間半歌うという。

GUCCHI:ごめんな(笑)。

八上:音楽始めたばかりの奴に、曲作らせていたもんな。そう考えたら、頑張ってるよな。

――結成のきっかけになったベリーグッドマンとは、どんな繋がりが?

八上:僕がお世話になってた人が、HiDEXさんのお兄さんでシンガーのNAOさんだったんですよ。元々ベリーグッドマンのファンで、車で「ライトスタンド」とか普通に聴いてたんで、それを知った時は「マジですか?」みたいな感じで。その後HiDEXさんとも仲良くなって。

GUCCHI:初めて会った時、ファンの感じやったもんな。「ベリーグッドマンや!」って。

八上:自分らも出演してるライブで、最前列行って見たりしていました。
▲アマノ

――メンバー4人、好きなものは似ている?

匠:けっこうバラバラですね。僕は何でも聴くタイプで、ヒップホップも、バンド系も、ポップスも、洋楽も、気になるものは全部聴いてみようというスタンスです。一番と言えば、バンド系が好きかもしれない。RADWIMPSBUMP OF CHICKENとかよく聴いてます。SPYAIRとか、かっこいいなと思う。

アマノ:僕、洋画が好きで、サウンドトラックで使われている曲が気になって調べることが多いです。『ワイルド・スピード』の曲が好きだったり、最近で言ったら『アクアマン』のエンディングの曲(「エブリシング・アイ・ニード」スカイラー・グレイ)がめちゃ好きです。

GUCCHI:僕も匠くんと一緒で、いろいろ聴きあさるスタンスではいるんですけど、結局好きなところに行っちゃう。GReeeeNコブクロとか、最近は韻シストが大好きで、聴くと歌いたくなります。ゆるいラップが好きです。作曲の時も、自分のパートはそういうふうに、ヒップホップっぽい要素を入れたりしています。

八上:中学校の時から東方神起が一番好きです。それとクリス・ブラウンもめちゃめちゃ好きで、憧れてダンスを始めたんですけど、無理やと思って1年でやめました(笑)。聴くものが徐々に変わっていって、OverTone結成前はベリーグッドマンばかり聴いていて、そこからは、メンバーが好きな曲を聴かせてもらったり、知り合いの曲も多いです。

――そんな4人の掛け算で出来上がるのがOverTone。メロ・ラップ系でもあり、ボーカル・グループでもあり、もちろんJ-POPでもあると思うけど、何ですかね。OverToneは何をやってるんだろう。

八上:今は、好きなように作ってるという感じですかね。先輩にも「今のうちに好きな音楽やっとけ」って言われるんで、その時作りたい曲を作ってます。

匠:当初のスタンスとしては、いろんなサウンドのトラックを、自分ららしいポップスに昇華させていこうみたいな感じで始めたんですよ。だからメロディや歌詞はわかりやすくしています。
■僕らのいろんな形の愛情やファンの方を思う優しさも
■ふんだんに詰め込めたんじゃないかな

――3月にリリースされた、セカンド・アルバム『愛and優』について。あらためて、どんな作品ですか。

八上:全曲ラブソングになっています。本当は去年の年末に出す予定で、冬に出すCDやし、ラブソングがメインでということでやっていたんですけど、出来た時に…僕らのファンのことをオバハンと言うんですけど、オバハンに向けて歌ってる歌詞やなと思うようになって。最後の曲の「GoodNight」は、ライブに来れへん人に向けて作っているんで、そのへんはメンバー共通で、常にファンのことは考えていると思いました。ファンの人への感謝のアルバム、という感じです。

匠:リード曲「I&YOU」と掛けたアルバム名で、ラブの愛とやさしさの優なんですけど、その言葉通りで、僕らのいろんな形の愛情やったり、ファンの方を思う優しさも、ふんだんに詰め込めたんじゃないかなと思います。音楽って、会わなくてもそばにあるものじゃないですか。一人一人の生活の中にあるものやと思っているんで、そこにうまく寄り添えたらなと思います。

――「I&YOU」って、誰かの実話でしたっけ。幼なじみの彼女に思い切って告白するお話。

八上:僕です。
――いい経験持ってるなあ。どうなったのかな、この結末は。

八上:この曲は男目線で書いているんですけど、ほんとうは逆で、僕の幼なじみの女の子が、ずっと僕のことを好き好きと言ってくれていたんですよ。小学校3年生からずっと言っていて、20歳ぐらいに「もう最後にする」ということだったんですけど、ここまで言ってくれてるし、一回付き合ってみたんですけど、やっぱり友達でしたね。僕の中で。

GUCCHI:かわいそうやな、その子。

八上:やめたれや! で、その子、2年前に結婚したんですけど、この「I&YOU」を出した時も、「これ私のことやろ」って連絡来ました。

――OverToneの曲って、実話系、多いでしょ。何だっけ、前のアルバムの、結婚式の歌とか。

匠:「栞」ですね。あれは僕の友達が結婚するにあたって、披露宴で歌ってほしいとお願いされて、自分らの経験を元に歌詞を書きました。歌詞はだいたい経験したことを書いていて、フィクションはあんまりないです。その時に思ったことを書いています。「Guilty」っていう曲は、ちょっとヤバイですけど。

――「Guilty」は、いわゆる一夜限りの恋ってやつですかね。一行目が「欲望のままに剥き出しにする」という。

八上:「Guilty」は、匠くんだけの実話です。

匠:いやいや! 自分で書いてるところは、その時思ってたことを詰め込みました。2番の“メイクやファッションでいくら上辺取り繕ったって”のところ。
▲NOWAR The 匠

――キツイこと言うてますねえ。

匠:すいません(笑)。溜まってたものがあったんで、そのまま書いてしまいました。SNSとか見てたら、見たくないものも見えてきて。基本的に、人が嫌な気持ちになることが嫌なんで、それを直接書いた感じです。

――やっぱり、自分が出ちゃいますか。歌詞は。

アマノ:まあ、そうですね。自分で思わないことは、書いたりしないんで。自分は「GoodNight」が一番好きなんですけど、こういう状況になったら自分はこう思うかな?という歌詞がハマったと思います。2番のサビ前の、“会えない日の夜は少しだけでも声が聴きたくなって”のところですね。そこを歌う時は、感情がこもるというか、周りがあんまり見えてないです。

GUCCHI:僕も、自分がもろ出ちゃいますね。今回のアルバムで言うと、「without you」という曲は、書いているちょっと前ぐらいに大失恋をして、半泣きになりながら書きました。すっごいひねくれた歌なんですけど、ほんまにひねくれて書いていました。

――これはね、別れた子への未練を、グチグチ言ってる歌。

GUCCHI:すごい、グチグチ言ってますね(笑)。最後までグチグチ言ってる。昼間は友達とワイワイしてたの、寝る前になったら「そっか、もういないんか」って考えちゃう、という歌です。…また思い出してもうたな。

匠:自分でえぐりに行ってるから(笑)。

八上:僕は、思い出しながら書くことも多いです。思い出すと、自然とその時の感情になるんですよね。「夢が降る夜に」のサビの歌詞は、ちょうどその時仲良かった女の子がいて、遊びに行ってる時に、「この子とクリスマスに遊んだら楽しいやろな」と思ったので。“二人の出会いを思い出すように待ち合わせ場所へ”というのも、いつも待ち合わせしていた場所を思い浮かべながら書きました。大阪マルビルのスタバやったんですけど。

――やっぱり聴く人には、共感を求めるということかな。現状、女子が多いですか。

八上:そうですね。でもけっこう男目線で歌っているんで、そろそろ男にも届いてほしいです。

――確かに。男心、歌ってるから。

八上:「Guilty」とか、女の子は絶対トラウマあるけどな。

GUCCHI:嫌な気持ちになる可能性がある(笑)。

アマノ:でも、けっこう人気やな。そういう憧れがあるのかな。悪い男が好きな人、多いやんけ。

八上:遊ばれるみたいな。オバハンは、ドMが多いかも知らんな(笑)。匠くん、お似合いやん。

匠:なんでやねん!
▲GUCCHI

――ライブって、盛り上げたり、ぐっと来させたり、どんな感じなんでしょう?

八上:とりあえず最初は盛り上げて、聴かせて、ちょっと盛り上げて、また聴かす。短いライブの時は、そういうイメージでやっています。でもたぶん僕らは、聴かせる方が合ってるかなというふうには思います。

――歌詞、メロディ、ハーモニーが売りになっているから。

八上:なんでかというと、盛り上げる曲だと、僕、汗だくになるんです。びちゃびちゃなんです。

――それかい!

八上:夏場は大変です。丸いのが、びちゃびちゃになって踊っています。

――もっと、ライブに来たくなること言おう(笑)。OverToneのライブに来ると、どんないいことがあるのか。

GUCCHI:結果、ほんわかしたライブかなと思うんで。僕らがわちゃわちゃしているんで、そこに全体を巻き込んで行けたら、和気あいあいと帰れるライブになると思います。もしくは、「うるさかったなーこいつら」って思いながら帰るか(笑)。でもそういう人も、ちゃんと巻き込んで行けるように。

八上:仲の良さが持ち味、みたいなことがあるよな。あとは、GUCCHIの動きだけは見てほしい。こんな動きする人間、普通はいないです。

GUCCHI:ここにおるやん! 体ごと乗って歌って、それは意識していますけど、気持ち悪いと言われるのは納得いかない(笑)。

匠:本人はあくまでかっこいいと思っているんですよ。

八上:でも、昨日のライブもそうだったんですけど、GUCCHIの前のお客さん、みんな笑っているんですよ。映像見返して、俺も爆笑したもん。一つの作品やで、あれは。

GUCCHI:ダイナミックやん。いいように言ったら。

アマノ:個人的に思っているのは、ライブに来た人の、感情をぐちゃぐちゃにしたいんですよ。出てきた時は楽しかったのに、次はもう泣いてるみたいな、それをぐちゃぐちゃにしてやりたい。涙あり笑いあり。そういうライブにしたいと思っています。

八上:アマノのせいで、オバハンがドMなんちゃう?(笑) アマノの特徴は、高音のハモリがめちゃくちゃきれいです。スーッと耳に入ってくる。そこを聴いてほしい。

――それ絶対見に行こう。汗でびちゃびちゃな男と、変な動きをする男と、高音がきれいなドM男と(笑)。匠くんは何を見せますか。

GUCCHIこの人は、あざといんですよ。

匠:なんでそんな、マイナスのこと言うの。

八上:プラスやん。かっこいいから、あざとくできる。ライブ中、僕と匠くんが真ん中に立つんですけど、お客さんの目を見たら、全部匠くんを見ている。

アマノ:何しても可愛いって言われるからな。

GUCCHI:ある意味、目担当ですよ。

匠:保養みたいな感じですかね。そんなこと言っちゃっていいんですか。

GUCCHI:サムいわ。自分で言うな(笑)。

匠:まあでも、チームとして親近感が湧いてくれたらいいなと思うんですよ。自分たちも飾らずにステージに出るんで、お客さんも、自分らも一緒にライブしているぐらいの気持ちになってくれれば。

――みなさんぜひ。4月末からツアーも始まりますんで。最後に、近未来の夢、野望、目標を聞きましょうか。でっかい夢、どうぞ。

八上:夢は、日産スタジアムでワンマン・ライブですね。僕らの中で日本一のステージだと思っていて、収容キャパもそうですし、東方神起を見に行った時も、点ぐらいにしか見えなかったんですよ。これになりたい!と思って、やるからには日本一のステージに立ちたいんで、「日産スタジアム、ワンマン・ライブ、2025年」って決めました。

――それはいい夢。でっかく書いておきます。

全員:お願いします!

取材・文●宮本英夫

リリース情報

2ndAlbum『愛 and 優』
2019.03.20リリース
ZLCP-0371 ¥1,389(税抜)
1.Intro~僕たちの愛 and 優~
2.I&YOU
3.Guilty
4.without you
5.雪が降る夜に
6.GoodNight

ライブ・イベント情報

<OverTone Live Tour 2019~愛 and 優~>
4/29(月・祝)
大阪 umeda club QUATTRO
キョードーインフォメーション
TEL 0570-200-888
4/30(火)
愛知 ell.FITS ALL
サンデーフォークプロモーション
TEL 052-320-9100
5/2(木)
福岡 DRUM SON
キョードー西日本
TEL 0570-09-2424
5/3(金)
鹿児島 SRホール
キョードー西日本
TEL 0570-09-2424
5/5(日)
岡山 ペパーランド
夢番地(岡山)
TEL086-231-3531
5/24金)
仙台 space Zero
キョードー東北
TEL 022-217-7788
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東京 渋谷WWW
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