デュアン・オールマンの名演が
収録されたボズ・スキャッグスの
2ndソロ『ボズ・スキャッグス
&デュアン・オールマン』
本作『ボズ・スキャッグス』について
この曲については前述したデュアン・オールマンの『アンソロジー』にも収録されており、それで初めて本作の存在を知った人は多いと思う。かく言う僕もそうだった。アンソロジーの中でも特に「ローン・ミー・ア・ダイム」の出来は際立っており、本作を慌てて購入した記憶がある。おそらくボズの作品中、最も知られていないのが本作ではないか。それぐらい、このアルバムには都会的な要素が少なく、売れてからのボズらしさは見られないからだ。しかし、僕は本作がボズの最高作だと考えている。それはデュアンの超絶プレイだけではない。ボズの自作曲は味わい深く自然体で聴かせるヴォーカルも実に素晴らしいし、歌を活かすようなスワンパーズの演奏も見事なのである。50年前にリリースされた作品なのに今聴いても全く古びていないのは、やはり本作の持つ普遍的パワーとしか言いようがない。
収録曲は全部で9曲。デュアンはスライドを中心ではあるものの、曲によってギターとドブロを使い分けている。また、オールマンブラザーズのライヴ時のような緊張感はあまり見せず、レイドバックした巧みなプレイで勝負している。「ナウ・ユア・ゴーン」ではスライドをペダルスティールのように弾いており、これはおそらく本作でしか聴けない演奏である。
ボズの自作曲はどれも素晴らしく、彼の音楽がR&Bやサザンソウルに大きな影響を受けているのがよく分かる。一方、カントリー風の曲はマリア・マルダーらに通じるグッドタイムミュージック的なテイストを持っており、こちらも文句なしの出来栄えである。本作は、最初はとっつきにくいかもしれないが、聴けば聴くほどその良さが深まってくるので、『スロー・ダンサー』や『シルク・ディグリーズ』が好きな人もぜひ聴いてみてください♪
最後に…
TEXT:河崎直人