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【映画コラム】ドラッグ依存症の根深
さを描いた『ビューティフル・ボーイ

 音楽ライターの父とドラッグ依存症だった息子が、それぞれの視点から書いたノンフィクションを映画化した『ビューティフル・ボーイ』が公開中だ。
 父親役をスティーブ・カレル、息子役をティモシー・シャラメが演じている。若手俳優の有望株のシャラメは『君の名前で僕を呼んで』(17)の同性愛に続いて、今回も難役に挑んだ。監督はベルギー出身のフェリックス・バン・ヒュルーニンゲン。
 時系列を無視し、過去と現在を行き来させてコラージュのように見せるのは、同監督の前作『オーバー・ザ・ブルースカイ』(12)と同じ手法だが、これは登場人物のイメージを散漫にし、感情移入を難しくする。
 また、前作のカントリーミュージックに代わって、今回は登場人物の心情を代弁する形で、タイトルとなったジョン・レノンの曲やニール・ヤングの「孤独の旅路」などが挿入されるのだが、静かな場面に大音量で音楽が流れると、せっかくの俳優の演技の印象が薄くなるのが難点だ。
 ただ、何度薬を断ってもやめられない、薬を得るために平気でうそをつくという、本作の息子の姿を見ながら、改めてドラッグ依存症の根深さを知らされ、それが元で亡くなったジョン・ベルーシ、リバー・フェニックス、ホイットニー・ヒューストン、ヒース・レジャー、フィリップ・シーモア・ホフマン…、あるいは先日コカインの使用容疑で逮捕されたピエール瀧のことを思い出して切なくなった。(田中雄二)

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