L→R 大澤実音穂(Dr)、福永浩平(Vo)、山崎康介(Gu&Syn)

L→R 大澤実音穂(Dr)、福永浩平(Vo)、山崎康介(Gu&Syn)

【雨のパレード インタビュー】
今の状況込みで前へ進んで
愛してもらえるような曲を

ほんとに好きな音ばっかりを
詰め込んで作ってみた

カップリングの「/eɔ:/」は蔦谷さんから学んだ手法が反映されている?

大いに反映できたと僕は思ってます。必然的にセッションで作れなくなって、デスクトップで作っていかなきゃっていう状況で、初めて大枠を僕が作って持って行くやり方をやってみたんです。今までのセッションでもかなり口を出してたんで、そこでやってもらってたことをちょっと孤独に、自分ひとりでやってみるっていう時間でしたね。でも、蔦谷さんから学んだ技法とかを使いながらやってみたら、楽しくて楽しくて(笑)。最初はHVOBとかFour Tetみたいな感じをやりたいなと思って。で、メンバーに聴いてもらって、そこからいろんな楽器を足してみたり、低音の音色を少し変えてみたり。もともとギターは途中から入れてみようと思ってたんで、入れてみたら結構アンビエントな要素も出てきて、なんだかんだ僕らのカラーにはなったなと。今までよりも出したかった色が出せていると思います。

それはフォギーな空気感とか?

そうですね。曲のテーマ自体は鏡花水月みたいなもので、言葉では表現できないものを表現していくことを、僕は音楽を追求する根幹というところで大事にしました。僕ららしいテーマの一歩がそれだったんで、ほんとに好きな音ばっかりを詰め込んで作ってみたという感じですね。アイスランドの音楽とかも好きだから、もしかしたらそういうところがフォギーな感じに聴こえてるのかもしれないです。

ちなみに“アヘ”に対する“エオー”は何か意味が?(笑)

ははは。逆に意味のない言葉というか、言葉で表現できない言葉を作ってみましたって感じですかね。

この曲が表題曲とリミックスをつなぐいいブリッジになってる気がします。

うん。僕もアルバムに入れたいと思うぐらい結構気に入ってるし、ライヴでも映えそうだなと思ってます。

それにしても、このシングルは全体的に強烈なものを出してきた感がありますよ。

ははは。すごい濃ゆいですよね。

「Hometown feat. TABU ZOMBIE(from SOIL&“PIMP”SESSIONS)」のリミックスを担当したDos Monosは今、大注目のヒップホップクルーだし、絶好のタイミングですね。

荘子itは友達なんですよ。僕も“よくぞそのアイディア浮かんだ、俺”って感じなんです。

ほとんどDos Monosの曲になってて、“これは大丈夫なのか?”っていう(笑)。

思いっ切りやってほしいって荘子itに言ってたので。僕は理想のかたちになって返ってきたので“最高じゃん!”と。TABU ZOMBIEさんにもLINEで送ったし。もともとMONJOE(DATSの杉本亘)と同級生で、その面々でいつも遊んでたんです。だから、こうやって音楽で絡むのは初めてなんで、面白かったです。

そして、小林うてなさんは「Reason of Black Color」をすごく静謐なトラックにしてきましたが。

ははは。僕、うてなさん、日本のエレクトロだと一番好きなんですよ。ライヴを観た時、音源の50倍いいなと思って。共通の友人の結婚式で会って直談判したら快く引き受けてくれました。

「Reason of Black Color」がこんなトラックになるなんて。

僕もびっくりです。最初の声、リバーブがなさすぎて、素っ裸になったような歌声で恥ずかしいっていうのは思ったんですけど、でもそこが良さだったりもしたんで。リミックスしてもらった人たちの中で唯一、KANDYTOWNのNeetzさんだけ面識がないんだけど、ディレクターが提案してくれて、僕もKANDYTOWNは聴いてたし、今回依頼させてもらいました。

全体を通して聴いてほしいシングルですね。雨パレってそれこそオルタナティブな面々が出演する『SYNCHRONICITY』にも、邦楽ロックバンドのイベントにも出るし、その接地点にいるじゃないですか。

うん。そうですね。

そこにいるからこそ、より面白いことをやっていきたいと?

もう正直言って、それしかない!って感覚はあるんです。グリム童話のコウモリじゃないですけど(笑)、飛べるし哺乳類だし、みたいな。どっちの味方にもなれるからどっちの敵にもなっちゃう感じなんですけど、そこを自分の利点とするしかないって感じはしますね。

両方の面白さがあるし、今では両方の垣根も少しずつ溶けてきたとも思います。

最初の頃のインタビューで“自分たちがボーダレスにできればいい”ということをよく言っていたので、今後もそれをやっていくだけですね。今回蔦谷さんと一緒に作業したのも、その目標が今もちゃんとあるからですし。

これまでの楽曲を再構成したライヴアレンジも楽しみです。

めちゃくちゃ楽しいですよ(笑)。今のところはサポートベースを入れてやる感じではなくて。同期に挑戦してみたいって気持ちは今までもあったし、曲によっては同期のほうが明らかに映えるだろうなって曲はいっぱいあったんで、今後のライヴが楽しみです。おそらくこれまでの一曲一曲の印象が変わると思いますね。いろいろ面白そうなことが起きそうなんで、ぜひ足を運んでほしいです。

取材:石角友香

シングル「Ahead Ahead」2019年4月24日発売 SPEEDSTAR RECORDS
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • VIZL-1559 ¥2,400(税抜)
    • 【通常盤】
    • VICL-37468 ¥1,200(税抜)

『ame_no_parade RELEASE PARTY “Ahead Ahead ”』

4/24(水) 東京・恵比寿 LIQUIDROOM

雨のパレード プロフィール

アメノパレード:2013 年に結成、2016年メジャーデビュー。80'sPOP、インディR&B、エレクトロハウス、アンビエントなど様々なジャンルと洋邦の枠を超えた音楽性と、アナログシンセやサンプラー、ドラムマシーンなどを取り入れた、バンドという形態に拘らないサウンドメイクを武器に新世代のポップスを提唱する。2019年に入り現在の3人編成となり、シングル「Ahead Ahead」を携えて雨のパレード第二章の幕を開けた。続けて7月に「Summer Time Magic」、9月に「Story」を配信シングルとしてリリース。その枠にとらわれない音楽性に、アジアを中心に海外からの注目度も高まっている。2020年1月22日には4枚目のアルバム『BORDERLESS』を、さらに同年12月には5枚目のアルバム『Face to Face』をリリース。雨のパレード オフィシャルHP

「Ahead Ahead」MV

シングル「Ahead Ahead」
トレイラー映像

OKMusic編集部

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