舞台『銀河鉄道 999』出発進行~中川
晃教らが原作者・松本零士と会見「身
体が火照っている」と興奮

舞台「『銀河鉄道 999』さよならメーテル~僕の永遠」が、2019年4月20日(土)東京・明治座にて開幕した。本作は松本零士の人気マンガ「銀河鉄道999」を原作とし、2018年6、7月に上演された舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~ の続編。松本監修のもと原作にないオリジナルストーリーを加えて、星野鉄郎と最後の敵プロメシュームとの戦い、そして鉄郎とメーテルとの別れまでが描かれる。このゲネプロ(通し稽古)が同日日中、公開された。なお、この日はメーテル役をWキャストの木下晴香が演じた。
機械の体になって永遠の命を手に入れるため、また、人間狩りで殺された母の仇を討つため、謎の美女メーテルから999号のパスをもらい、一緒に旅立った星野鉄郎(中川晃教)。要塞時間城へ辿り着き、母を殺した機械伯爵への復讐を遂げる(ここまで前作の内容)。鉄郎は、様々な出会い、生身の人間や機械化人たちとの触れ合いによって、限りある生命の美しさに気づき、機械の体をタダでくれるという星を破壊してしまいたいと、新たな想いを抱く。旅を続ける鉄郎を終着駅・惑星大アンドロメダで待っていたのは、機械帝国の女王であり、クイーン・エメラルダス(凰稀かなめ)とメーテル(木下)の母であるプロメシューム(松下由樹)だった。
時間は少し遡り、まだエメラルダスが「姫」と呼ばれており、海賊稼業とは無縁の頃。国の民衆は平和に暮らしていたが、女王プロメシュームがかつての夫であり、エメラルダスとメーテル姉妹の父である科学者ドクター・バンの懲罰を実行し、政策に反抗する民衆を次々と粛清していった。母のやり方に賛同できないエメラルダスは一時は母を殺そうとするが、どうしても殺す事ができず、宇宙を旅する女海賊へと身をやつす。
姫と呼ばれていた時代から女海賊へと変貌していくエメラルダスを演じた凰稀は、美しく気品に溢れていた一人の女性から、理不尽な怒りと嘆きを抱え、敵と戦おうとする強くてたくましい女性へと変貌を遂げる。そのグラデーションを限られた時間のなかで丁寧に仕上げていた。またそれを迎え撃つプロメシューム役の松下は堂々とした迫力で圧倒する。
一方、メーテル役の木下は、先日まで出演していたミュージカルで聴かせていた美声をそのままに美しき謎の女を透明感いっぱいに歌い演じる。鉄郎役の中川と声が重なる時、さらに豊かな世界を作り上げていた。
ゲネプロ後、会見が行われ、中川、凰稀、木下、松下の他、前山剛久、矢沢洋子美山加恋、お宮の松、平方元基、そして原作者の松本も出席した。
フォトセッションでは小柄な美山のために台が準備されていたが、カメラ位置に合わせて隣にいた車掌役のお宮の松が台の位置を調節してあげるという“車掌さん”ならではの気遣いを見せていた。
ゲネプロ直後の会見ということもあって、中川「身体中が火照っています」と興奮を語る。「この物語では運命や希望という心に残り、心に刺さる言葉が出てきます。先日、(ニュース番組などで)ブラックホールを目で見る奇跡的な体験をできました。劇中にはブラックホールという言葉も出てきます。ブラックホールを見ながら、この作品に携われていることに縁(えにし)を感じています。また、出会うべくして出会った皆と頑張っていきたい」と力を込めた。
松本は「舞台ってやっぱり大変なんですね。素晴らしいです」とキャストたちをねぎらい、作品について「少年時代からの夢でした。登場人物など名前の一つ一つを小学生のころからずっと考えていた」と振り返る。松本にとってもブラックホールの撮影が出来たことは「驚き」だったと話し、「これからはもっとリアルに描けますね。現実が実際のものを見せてくれているのでもっと頑張らないと」とまだまだ現役と言わんばかりに意欲を見せていた。
凰稀に母と娘の対立というサブストーリー部分について話が振られると「皆と違う次元でストーリーに入っていかなければならないので難しい立ち位置だったですね。皆さんに分かっていただけるよう頑張りたいですね」と静かに述べた。
松下は「昔から見ていた作品に自分が入れるとは思ってもいませんでしたね。皆さんの壁にならなければならない、女王という立場をキープしていけたら」とテンションを高める。その姿に松本が「(プロメシューム役が)素晴らしかったです。迫力がすごかった。僕が好きな強くて怖くて恐ろしくて、基本的には優しい女性を実現していた」と褒めると照れたように笑っていた。
木下は20歳の若さでメーテル役に初めて挑む。「衣裳をつけメイクをして映像や音楽が流れる舞台に立つと、作品とキャラクターの熱をものすごく感じますね」と嬉しそう。
999の食堂車で働くクレア役の美山は、前作からの続投メンバーであり、また木下より少し年長という事で「先輩」と言われると「ミュージカルについては晴香ちゃんの方が全然頼れる存在。尊敬しているんです」と木下と顔を見合わせてニッコリ。
999での旅に絡めて、「どんな旅に出たいか」という質問が飛ぶと、ハーロック役の平方は「沖縄に行きたい。劇場や稽古場と自宅の往復になってしまうので自然に触れたいです」、お宮の松は「その沖縄から船に乗って台湾に行きたいです」と平方に乗っかってコメント。リューズ役の矢沢は「前回の舞台で松本先生のふるさと、小倉公演でお宮の松と加恋ちゃんと遅くまでお酒を楽しんだんです。今回はもっと皆でどっぷり飲みに行きたい」と言うと皆も笑顔に。
機械伯爵とハミルの2役を務める前山は「火星に行きたい」というと、松本が「私も(火星に)住んでいる予定だった」と入ってきたので「じゃあ一緒に住みませんか?」と返して笑いを誘っていた。
(前列左から)平方元基、凰稀かなめ、松本零士、中川晃教、松下由樹(後列左から)お宮の松、美山加恋、木下晴香、前山剛久、矢沢洋子
取材・文・撮影=こむらさき

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