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【KOKIA インタビュー】
10年間をひとつの
コンサートだと思って
セットリストを組むように
曲を選んだ

デビュー20周年イヤーを締め括る作品としてリリースされる初のライヴベストアルバム『ALIVE -The live history-』。2010年から2018年までに行なったコンサート音源の中から厳選された24曲が収録されているのだが、どのようにその収録曲を選んだのか、そしてこの作品への想いを語ってもらった。

歌に対するテーマの軸が
ぶれていない自分に
“なかなかやるな”って思った

昨年発売した4枚組のオールタイムベストアルバム『EVOLVE of LOVE -20 years Anniversary BEST-』とオリジナルアルバム『Tokyo Mermaid』に続いて、初のライヴベストアルバム『ALIVE -The live history-』がリリースされますが、2010年から2018年という長い期間の中でもたくさんのライヴをされていますし、選ぶのが大変だったんじゃないですか?

大変でした(笑)。この作品を作るにあたって、当たり前の話ですが、過去のコンサートの音源を自分で聴かなければならなかったんですけど、大きな会場でのコンサートはライヴ映像作品の編集のために観たりすることはありますけど、今回のように小さい会場の音源も含めて聴き直さなくてはならない状況では、単純にものすごく時間がかかりました。でも、こんな機会でもなければやらないことだったので、すごくいい機会にもなりましたね。すでに忘れていた“こんなライヴをやったんだ!?”という音源も中にはあったので、驚きと発見もたくさんありましたし、20周年を迎えて、次に進み出す自分を見つめ直す機会にもなりました。

じっくり選んで24曲を厳選されたわけですね。

はい。私はライヴによってコンセプトをしっかりと決めるタイプなので、会場によってアレンジを変えたりするので、ライヴそれぞれに結構雰囲気は違ったりするんです。ホールコンサートしか観たことがないという方には、小さめの会場の音源は“こんな感じなんだ”と新鮮な驚きあるかもしれませんし、逆にビルボードやブルーノートのような会場でしか観たことがない方は“ホールコンサートとは全然違うんだな”という感じで、みなさんそれぞれが規模に合わせてアレンジされた公演に興味を持って他の公演にも行ってみようかなと思ってもらえたら嬉しいなって思っています。

DISC2の1曲目の「Make Sense」は100人キャパの代官山晴れたら空に豆まいてでの音源で、2曲目の「The rule of the universe」は1,500人キャパの東京国際フォーラムということで、会場の規模が全然違っていますよね。

はい(笑)。会場の規模だけじゃなくて、例えばDISC1の1曲目「ありがとう…」は2018年の東京オペラシティ、2曲目の「最終上映」が2010年の東京Bunkamuraオーチャードホールといった感じで時系列もバラバラです。こんなふうに年代順ではなく、一見バラバラな置き方をしたのは、2010年から2018年というおよそ10年近い期間の音源が入っていますけど、今回ライヴベストアルバムを“10年間分のひとつのコンサート”というふうに考えてセットリストを組むような気持ちでセレクトしたからなんです。選ぶ作業を始めてみると、意外にも2018年の音源の次に2010年の音源を置く。というように、大分間の空いた音源を隣に置いても違和感なく聴けたので、自分でもびっくりしました。

楽曲それぞれのクレジットを見なければ、時系列がバラバラだということに気付かないと思います。

これは自分の作風…音楽で表すジャンルや編成が違っていても、自分の歌に込める想いであったり、歌いたいテーマの軸がぶれなかったからなのかなって思いました。たぶん2010年より前の音源が入っていたとしても、そんなに違和感はなかったんじゃないかと思いますね。それは自分としても誇らしいことですし、“なかなかやるな”って思いました(笑)。

コンサートのセットリストを組むように選曲したということですが、そう考えるとオープニング曲となる1曲目は「ありがとう…」しかないと?

はい。このライヴ盤自体が、20周年イヤーを締め括る作品という位置付けでもあるので、私の代表曲でもあり、この言葉「ありがとう…」からライヴ盤の1曲目を始めたいという気持ちでいました。この2018年の東京オペラシティで歌った、「ありがとう・・・」は20周年コンサートのためにちょっとアレンジされているものだったので、ライヴ盤としてはこれを入れることに意味があると考えました。

そう考えると2枚組24曲でよく収まりましたね。

入れたい音源はたくさんあったので、途中で“3枚組にしません?”って言ったんです。曲のチョイスを始める前は、こんなにも膨大に世の中に残したいステージ、音源を残してきたとは思いもよらなかったので。これは担当ディレクターさんとの笑い話なんですけど、セレクトするために一緒に聴いてくれるような共同作業となると想像していたのですが、ひとり旅みたいな感じで、自宅でひとりで聴き続ける作業となったので本当に寂しかったです(笑)。目の前に他の人が一緒にいれば、“こっちがいい”というような会話も持てると思うのですが、“私ひとりだけの判断でいいのかな?”って考えてしまう時期もあったし。あと、音源がいろんな状態で残されていて、すごくいいテイクなのにエアーのノイズが多いから入れられないものも多くて残念でした。だから、ベスト盤だけどベストじゃないんですよ。ある意味で。状態もいいし、すごくいい曲もありましたけど、“コンサートのセットリストを組むように”というテーマもあったので、曲調が被ってしまうために外した曲もあります。どちらかと言うと私のコンサートはじっくりと聴いてもらうような曲が多いのですが、ライヴ盤に残したいと思ってチョイス曲は結果としてテンポ感のある楽曲が多く選ばれているのが面白いと思いましたね。ライヴ盤として聴くには、やはりテンポ感のある曲が多いほうが聴き手としてはいいと感じたんです。なので、今後はライヴをするにあたって、テンポ感のある曲をもっと入れたてみようかな?っていう新たな発見もありました。
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アルバム『ALIVE -The live history-』
KOKIA ライヴ写真
KOKIA ライヴ写真

OKMusic編集部

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