ROLLY Photo by 中野敬久

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【ROLLY インタビュー】
いつかはセルフカバーの
アルバムを出したかった

ももいろクローバーZ、PUFFY、藤木直人、高橋 瞳…等に提供した楽曲をセルフカバーしたアルバム『ROLLY'S ROCK WORKS』。提供曲であってもメルヘンでメランコリックなメロディーや、ファンタジーでロマンチックな歌詞はROLLY節が全開で、さらにそこにロックへの愛情やこだわりが注入され、ROLLYにしか作り得ない前代未聞の作品が完成した。

自分のアルバム用って考えると、
こういう選曲にはならない

アルバム『ROLLY'S ROCK WORKS』はトータル性がどうのとかの意見などまったく寄せ付けない、良い意味で奇妙で異様な作品だなと。オープニングからすごかったです。

ありがとうございます! ほんとは1曲目の「天地創造」と次の「Eejanaika」でひとつなんですよ。さすがにレコード会社から“分けてください”って言われて(笑)。僕ね、すかんちの解散後に『Rolly's Rockrolly』(1996年発表)というアルバムでソロデビューしたんですけど、聴いた人の度肝を抜くようなものにしたくて…僕は大昔から音楽でおとぎ話のようなものを表現したいと思ってて、すかんちでもそれをやってきて、より一層やりたいことを突き詰めるためにソロ活動を始めて、その1stソロアルバムの1曲目が10分にも及ぶロックオペラだったんです。それを作り上げた時に、このアルバムを聴いた人は“そうか、こういうことをやりたかったのか!”と思ってくれて、ティム・バートン監督の映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャック・スケリントンが言わんとしていた、“なんとなくやってたらなんとなくかたちにはなるけれど、自分は次の世界に行きたいんだ!”という純粋で熱い気持ちを分かってもらえると思ってたんです。でも、レコード屋さんには試聴機というのがあって、ロックアルバムの1曲目にはアップテンポでキャッチーなものが入ってないと駄目だったんですよ。こういう組曲的なものはレコードならA面の最後とか、B面の頭、もしくは一番最後に入れるのが普通で。QUEENですらアルバムの1曲目に「ボヘミアン・ラプソディ」を持って来るようなことはしないし。だからこそ、普通じゃないもの…あえてそのタブーに挑戦したんですけど、非常に不評で、当時のレコード会社内でも問題になって、レコード会社をクビになってしまったんです。そこですごく反省して、“ロックアルバムの1曲目はキャッチーなもの”というのを鉄則だと思って以降何十年もやってきたんですけど、今回またやってしまいました(笑)。

その衝動みたいなものが伝わってきました。

まさにあの時と同じ気持ちでしたね。錆び付いた鉄の扉が溶けて、今まで抑圧されていたものがグワ〜ッ!とあふれてきた。呪縛から解き放たれて、羽が生えたかのようにメロディーが歌い上がる、この想いを伝えたい…っていうものを1曲目に入れることによって、23年前と同じ目に遭うかもしれないけど、あえてやってみました。

新曲の「天地創造」「Eejanaika」「Dear Music」は、このアルバム用に作ったんですか?

「天地創造」を作曲したのは10年くらい前ですね。まったく弾けないシンセサイザーとかを駆使して、ものの15分くらいで作曲したんです。でも、発表する機会がなくて、ずっと温めていたんで、このままだと日の目を見ることがないと思って、そこに「Eejanaika」をくっ付けたという。「Eejanaika」というのは…僕の地元の高槻祭りは“ええじゃないか祭り”って言ってたんですよ。故郷に錦を飾る意味でも、このすごくおめでたい曲をくっ付けました。

「Eejanaika」は最近作った曲になるのですか?

最近ですね。そもそも「天地創造」はもっと長かったんですよ。あの感じのまま最後まで行こうと思ってたんですけど、あまりにも濃すぎるんであっさり目に切り上げて、グリッターロック風の曲をくっ付けたんです。

アルバムのプロローグ的な曲になりましたね。

“一体何が始まるんだ!?”って感じですよね。完全にイカれている…僕、このアルバムを作っている時、どうかしてました(笑)。

でも、「Eejanaika」はシリーズ化している『ROLLY'S ROCK』のテーマソングなのかなと思ってました。

いいこと言ってくださいました! あのね、《燃え上がる この想いを伝えたい》と歌っている「天地創造」に続く曲は至上最高にハッピーなものじゃないといけないと思ってたんですよ。“全てを許す!”みたいな気持ちですよね。“なんでもありでええじゃないか”と。だから、まさにです! …ってベラベラしゃべってますけど、実は顎が疲れててね。このアルバムのコーラス録りを永井ルイさんと3日間にわたってやったんですよ。それも朝から晩までみっちりとやったんで、顎がガクガクなっちゃって。それがまだ治ってないんです(笑)。

QUEENばりのコーラスが入ってますからね。

ハードディスクレコーディングになってから、だいぶ作業が早くなった…すかんちのデビューアルバムの『恋のウルトラ大作戦』(1990年発表)の頃なんて、「恋のショック療法」のコーラスを録るのにまる1日くらいかかったけど、やる側も上手くなったのと機材の進歩もあって…テープを巻き戻す時間もなくなったしね。でも、その分、どんどん重ねちゃうんですよ。しかも休まずに。今回のレコーディングはね、ほんと音楽に命を捧げてました。なぜならば、食事休憩を1回もとらなかったから。機械を使えばもっと早くできるんだけど、アレンジャーの永井ルイさんは人力でやるのがすこく好きで、僕もそれに付き合ってたら、3日目の最後には口の中が口内炎だらけになってました(笑)。このアルバムが完成したのが、わりと最近で…マスタリングが終わったのが先週なんで、まだ興奮と痛みが残ってるんですよ。

その熱量も伝わってきましたよ。3曲はオリジナルとはいえ、10曲はさまざまな人たちのために書いたものだから、そのどれもが振り切っているし。

そうなんです! 自分のアルバム用って考えると、こういう選曲にはならないんですよ。普通だとアップテンポのR&Rナンバーもあれば、フォークっぽいものもあって、ロックオペラみたいなものは1曲くらい。僕の人生において唯一オリコン1位にさせていただいたももいろクローバーZさんの「僕等のセンチュリー」をはじめ、「宇宙のMON DIEU」「鏡の中のフェアリーテール」「未来泥棒」みたいな曲って、普通はアルバムに1曲くらいしか入ってないハイライトなのに、それが4曲くらい入ってるんですよ。このアルバムを作っている時にTwitterで“現在制作中のこの作品は余りにも凄まじく濃厚過ぎて、通して聴くのは狂人以外には恐らく無理だと思います”って呟きましたからね(笑)。だから、最後に入っている「Dear Music」って曲だけは、チルアウトの意味を込めてジャズっぽくしました。

「Dear Music」だけテイストが違うのはそういうことだったんですね。

先日『ROLLYのロック・ギター異人館』という“あまり有名じゃないけど最高に熱いギタリスト”の魅力を語り尽くした本を出したんですけど、そこでTriumphのリック・エメットを紹介してて、Triumphの『Just a Game』というアルバムを絶対に聴いてほしいって書いたんですね。その本を読んで、『Just a Game』を手に入れて、スルッと流してしまった人には分からないかもしれないけど、“おっ、いいな〜”と思って聴いてる人には、僕が今回のアルバムの13曲目にこの曲を入れている意味が分かってもらえると思います。“この感じ、あの感じやん!”って(笑)。

深いな〜(笑)。

もしも僕のことを追いかけてくれている人がいるのならば、僕の作品を掘り下げていくと、そうやっていろいろなゲームが仕掛けてあるってことに気付いっているでしょうね。
ROLLY Photo by 中野敬久
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アルバム『ROLLY'S ROCK WORKS』

OKMusic編集部

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