ミクスチャーボカロロックの金字塔!「ゴーストルール」の中身に迫る

ミクスチャーボカロロックの金字塔!「ゴーストルール」の中身に迫る

ミクスチャーボカロロックの金字塔!
「ゴーストルール」の中身に迫る

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かっこいい、でも心に刺さるメッセージ性
上で「とにかくかっこいい曲」と書きましたが、歌詞の内容からは心に刺さるメッセージ性が感じられます。
のちのちじっくり触れていきますが、キーワードは「嘘」。
その「嘘」という言葉がこの曲の中にどう反映されているのか?
ということについて書かせて頂きますので、ぜひお楽しみに!
「ゴーストルール」とは?

「ゴーストルール」は2016年1月8日に公開されたボカロ曲です。
使用されているVOCALOIDは初音ミク。
疾走感が気持ちいいアッパーなロックナンバーで、インパクト抜群。
多くのボカロファンを虜にしました。
2019年現在、ニコニコ動画とYouTubeで公開されている動画の再生回数を合わせると、驚異の2000万再生越え!
「初音ミクの曲と言えばこれ」と挙げる方もいらっしゃるでしょう。
作者は(あとあとご紹介しますが)DECO*27
アレンジはサウンドプロデューサーのNaoki Itai、イラストは八三が手掛けています。
2016年リリースのアルバム「GHOST」に収録されていますので、気になる方はチェックですよ!
「愛迷エレジー」などでも知られる作者DECO*27
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続いては作者、DECO*27のご紹介です。
彼は表題にもあるように、例えば「愛迷エレジー」「モザイクロール」ほかにも「弱虫モンブラン」「乙女解剖」などで知られている人気ボカロPです。
2008年にニコニコ動画でボカロPとしてデビュー。
その多作さと楽曲クオリティの高さが話題になり、ボカロファンから支持されるようになりました。
2010年、アルバム「相愛性理論」をリリース後にはさらに活動の幅を広げ、2011年には女優でシンガーの柴咲コウともコラボレーション。
楽曲提供された「無形スピリット」はドラマ「LADY〜最後の犯罪プロファイル〜」の主題歌に起用されました。
2019年1月には株式会社OTOIROを立ち上げ、その代表に就任。
従来のようなボカロPとしての活動に加え、アニメ作品への楽曲提供を行うなど、精力的に活動しています。
今の日本の音楽シーンにおいて、要注目な人物の一人です!
アグレッシブでも、しっかりまとまっているサウンド

曲はバンドサウンドとシンセサイザーリフで形作られています。
「これぞボカロロック!」というような印象。
アグレッシブな音作りでありながら、まとまりが感じられますね。
音量を小さめにして聴いてもらうと分かりやすいですが、やはり歌もの、ボーカルが一番前に出ています。
しかしオケには迫力が。ボーカルの音量、音圧に負けていません。
これがうまくいかないと、単純に「ボーカルが大きくてオケが小さい曲」になっちゃうんですよね。
いや作曲が趣味である自分の話なんですが…。
イントロはリズムを落としてどっしりと、歌が始まるとスピード感が増すような展開。
しかしサビ終わりではまたリズム落ち。曲全体に抑揚が生まれています。
これが、この曲の中毒性の高さの理由でしょう。
始めから終わりまで一辺倒なリズムだと、聴いていて飽きてしまうという人もいるはず。
しっかりとフックを作って「このあとどうなるんだろう?」と聴いている側に思わせること。
文章にすると簡単ですが、音楽でそれを再現するのは難しいものです。
DECO*27というコンポーザー、ミュージシャンの音楽性がはっきりと現れています。
とにかく、レベルが高い。音楽としてのクオリティが高い。たまりません。
「嘘をつくこと」自分の人生を立ち帰って考えてしまう歌詞
ではここからは歌詞の内容を見ていきましょう。
全体的には何か、主人公の切羽詰まった心情がつづられているような気がしてくる内容です。
なぜ「切羽詰まった」ように感じるのか?
今回はそれに重きを置いて歌詞を見ていこうと思います。
とはいいつつ、冒頭の歌詞ですでに、その中核となるキーワードが登場しています。
それは「嘘」。
「どうだっていい」「嘘」を「吐いて戻れない」。
主人公の「僕は嘘つきだ」という独白から曲は始まります。
嘘をつく自分を「腐っている僕」と自虐していますね。
そして自分が嘘をつくからこそ、相手も嘘をついているんじゃないか…と疑心暗鬼になってしまう。
だから「腐ったものが理解らない」。
これを読んでくださっているあなたが、もし実生活で「嘘をついてしまった」という時、どんな感情が胸の内を渦巻くでしょうか。
「いいじゃん、別に」なんて思う方も「嘘ついちゃった」と後悔する方もいらっしゃるでしょう。
特に、嘘の内容がどうでもいいことであれば「別にいいじゃないか」が強く心に残りますよね。

しかしこの曲の主人公はそれを良しとはしていません。
「メーデー」にはいくつかの意味がありますが、この曲のメッセージ性から読み解くに「救難信号」のこと、つまり「助けて欲しい」という気持ちが込められている言葉だと受け取れます。
僕が嘘つきなことを相手が知った時「もう一度嘲笑ってくれるかな」と言ってますね。
自分の嘘が原因で関係が壊れてしまうかもしれない。
嘘をつきたくない。でも、嘘をついていたことがバレて、相手との関係が壊れなかったら、それが一番いい。
でも。
嘘はつきたくない。
しかし現状の関係はそのままにしておきたい。
嘘つきな主人公の八方塞がりな状況が、サビにつづられています。
そういう「嘘」ありきの関係、確かに「マボロシ」のような儚いものに思えますね。
幻ではない、嘘ではない関係を築くためには、やはり自分の心のうちを正直に話し合うことが必須です。
さて、2番のサビ。
ここからは主人公の弱さが痛いぐらいに伝わってきますね。
自分が嘘をついていることを見抜いて「叱って」欲しいし、「裁いて」欲しい。
相手に、嘘がバレたその後を委ねています。
自分勝手に嘘をつき、その後はお任せ。
ワガママな感情、と言っていいでしょう。
まずは自分が嘘をつくことをやめればいいのに…そう思ってしまいますね。
「EGO-MAMA」はエゴとワガママをくっつけた造語だそうです。
主人公は嘘つきな自分をしっかり自覚しているんですね。
その上で、その生き方をやめられない。
ここまで自虐的だと悲しくなってきます。
自分に置き換えてみるとどうでしょうか。
生まれてから今まで、嘘を一度もついたことがない、という方、いるでしょうか。
なかなか…いないでしょう。
そう考えると、この曲の主人公の気持ちには聴き手側、つまり聴いている自分自身の人生が投影されているように思えてきます。
全てに対して正直になって生きていくこと…けっこう難しいものです。
考えさせられるメッセージ性ですね。
諦めに似た思いを抱いている主人公。
相手が思う「僕」という存在なんて「最初から」いなかったんです。
そして、それに時効なんて来ません。
どうしようもなくて、こうして主人公は、自分の気持ちを心の中に閉じ込めるしかありませんでした。
「ゴーストルール」の歌ってみた動画3つご紹介
ではここで「ゴーストルール」の歌ってみた動画を3つご紹介させて頂きます。

花たん

星乃めあ

この曲を勢いよく歌い切るには声量が大切。
空気をしっかり吐き出し続けられるか、ですね。
特にサビの部分です。
歌い方のコツは、大きな声を出そうとして顎を上げないこと。
顎を上げると喉が閉まってしまい、息苦しくなります。
力いっぱい歌おうとすると、してしまいしがち。
それを意識できれば楽に大きな発声が出来るかもしれません。
試しに顎を上げた状態、引いた状態それぞれで歌ってみてください。
自分の耳に届く分には、声量の差はあまり感じられないはずです。
息の通り道、つまり喉の使い方を考えることが、歌が上手くなるコツの一つですよ。
ゲーム音楽としての人気の高い「ゴーストルール」
スマホゲーム「ぐらふぃコレクション なぞの音楽すい星」へのテーマ曲としての起用や、リズムアクションゲーム「初音ミク Project DIVA Future Tone DX」への収録など、ゲーム業界から熱い注目を浴びた、この曲。
プレイしてみれば、聴くだけとは違う、新しい楽しみ方が発見できるかもしれません!
気になる方はぜひ!
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▼もう一度「ゴーストルール」の歌詞を読む

TEXT 荒木若干

UtaTen

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