【まなおのアニメ感想戦!】第6回 
かわいいがだいばくはつ! 「名探偵
ピカチュウ」に投了やむなし

(c)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.(c)2018 Pokemon 趣味の映画鑑賞ですが、ときおり強い使命感をもってみることがあります。私が仕事としている将棋に関する映画はもちろんですが、今回取り上げる「名探偵ピカチュウ」もそのひとつです。
◆“案件”を求めて
 私にはライフワークがあります。それは、シャーロック・ホームズ関連作品をチェックすること。子どものときからの憧れの的で、最近では趣味でJSHS(日本シャーロックホームズクラブ)にも参加しています。ホームズクラブは強い情報網を握っており(といってもメインはTwitterですが)、関連の作品類は「案件」という風に呼ばれていて、クラブの目から逃れること(?)は不可能です。
 というわけで、「名探偵コナン」をはじめ、「氷菓」(話中にホームズネタが頻出)、「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(作者の方がホームズ好き)、「ミルキィホームズ」、「憂国のモリアーティ」……などなど、ホームズ絡みのアニメ作品は一通りチェックをするように心がけています。
 もっとも理屈というより条件反射ですし、別に聖典(原作)との齟齬をつつきにいく“警察”というわけでもありません。私のもっとも敬愛する名探偵を大切に扱っていただいている点で、親近感と期待感をもって見られるというだけの話なのです。
◆かわいさに、負けました
 「ポケモン」が超世代どストライクな私は、まず「名探偵ピカチュウ」というパワーワードにひれ伏しました。ディアストーカー(鹿撃帽・ホームズのトレードマークのひとつ)を被っているピカチュウをひとめ見た瞬間、心は完全に「負けました」という気分でしたが、鑑賞前から投了した私を映画は許してくれませんでした。……動いているピカチュウ、かわいすぎますよね!? なんなんですかあの反則級のかわいさ。たまらんもふもふ。愛くるしくてあざとい瞳。かわいらしい小動物の動きと、ノワール映画特有の渋いおっさんの所作表情が相まって、奇跡的なバランスのKAWAIIがスクリーンいっぱいに爆誕しているのです。これには私の貧相な語彙、完全に消し飛んでしまいます。
 「ポケモン」の魅力を完全にリアルの空間に引き出しながら「おっさん=かわいい」という世の真理を突いている。流石「ポケモン」、わかってる。そう言わざるをえない満たされ感には、あらためて投了やむなしでした。
◆大人だってポケモンと生きたいんだよ
 手触り感だけではありません。生身の人間とのやり取りを通じた手を届いたら触れそうな距離感の演出も大変すばらしく、「ポケモンGO」をはじめて触ったときに近いながらも、それ以上の感動を覚えました。もし私が子どもだったら、映画館の外の現実世界にポケモンがいないことに絶望して生きるのが困難になるレベルです。あと、かなりの確率でゲンガーが夢に出てきてゆめくいされます。親御様方はぜひ鑑賞後、ポケモンはゲームやアニメで出会えるよ、目に見えなくても心に寄り添ってくれるんだよ、などと言い聞かせて、お子様のたくましい心を育んで差しあげてください。
◆特別な令和元年
 今年は特別な年です。1年に2回「ポケモン」映画が公開されるだけでも夢のようなのに、「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」という青春の名作がリメイクされるなんてアツすぎて、もう私どうにかなってしまいそうです。実は本作でも物語のキーを握るのはあの伝説のポケモンだったりして、同じ年に公開されるのは偶然ではなく必然なのだと運命的なものを感じられます。
 初代の「ミュウツーの逆襲」に心を震わせた方にこそ、ぜひ2作品とも楽しんでいただきたいです。特に翌週に「天気の子」がひかえているので、とにかく公開週に見てください! そして一緒に語りましょう……!
【関連リンク】・「名探偵ピカチュウ」作品情報

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