【ライブレポート】SHANK主催<BLAZ
E UP NAGASAKI 2019>、「また、やろ
う!」

SHANK主催野外フェス<BLAZE UP NAGASAKI 2019 in HUIS TEN BOSCH>が6月8日、長崎ハウステンボスにて開催された。同イベントのオフィシャルレポートをお届けしたい。
ハウステンボスに場所を移し、2回目の開催となる<BLAZE UP NAGASAKI>は初回から数えると7回目、SHANKにとっては15周年の節目のイベントだ。会場にはSHANKと関係の深いアパレルブースや、愛して止まない釣具のブースなどが並にでイベントに華を添えていた。
四星球


トップを飾ったのは四星球。「どうしてもトップバッターを任せたかった」とSHANKの庵原が語っていたが、開演前の影アナで「お子様にも楽しんでもらえるライブにしてほしいとSHANKから頼まれた」と明かされるなど、期待の熱量が高まったところでショーがスタートした。

1曲目の「運動会やりたい」ではオーディエンスを参加させて会場をひとつにすると、「クラーク博士と僕」「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」でさらにフロアの熱量を高める。「MrCosmo」では長崎の交通標識を持ったまま(?)走り抜け、会場を笑わせながらも「長崎で一番カッコいいやつが呼んでくれたので、カッコいいことします!」と漢を見せるなど、終始SHANKとの約束を守って会場を楽しませた四星球だった。
ENTH


2番手に登場したのはENTH。「去年、遊びにきた時から、ここに立てるような気がしてました」という挨拶に続いて、「WILL」から彼らのステージがスタートした。「HAHA」では早速モッシュピットも出現し、一気にオーディエンスの空気が熱くなる。

「ステージ、フロア、関係なくぶち上がったやつが優勝です」との言葉の後は、「HANGOVER」や「ムーンレイカー」といったライブで定評のある楽曲を連発し、モッシュにダイブ、そして多様なダンスやバウンスを場内に生み出していく。後半では最新ミニアルバムから「SLEEPWALK」を演奏してチルな雰囲気にしたかと思えば、「Get started together」で再びフロアをメチャクチャにするなど、最後まで高い熱量のまま駆け抜けた。
dustbox


3番手はSHANKが敬愛する先輩バンドdustboxだ。昨年、ステージ上で「SHANKが(長崎にパンクロックが根付いていることを)証明してくれた」と語っていた彼らが、再びここでパンクロックを打ち鳴らす。「ハウステンボス、来たぜー!」とSUGAの咆哮と共に1曲目「Try My Luck」へ。客席エリアはモッシュの嵐だ。そして、リリースされたばかりのアルバムから「Farley」も披露し、新旧織り交ぜた貫禄のステージを見せつけていく。

「SHANK15周年だよ。最高のミラクル起こそうぜ」というエールを贈ると、「Here Comes A Miracle」。さらには「Hurdle Race」「Jupiter」と畳かけた。が、持ち時間が余るというまさかの出来事に(笑)、急遽「Tomorrow」を投下。そのハプニングが客席のダイブ&モッシュに拍車を掛けた。
Crossfaith


SEのカウントダウンが鳴り始めると、場内の雰囲気が一変した。Crossfaithの登場だ。「SYSTEM X」を皮切りとした彼らのステージに、地面が揺れるほどのバウンスと大きなサークルピットが描かれるなど、遊び方をわかっている長崎オーディエンスと初っ端から渾然一体。KOIEはそれに応えるようにフロアに乗り出し、いきなりのウォールオブデスを要求してカオス状態が加速度を増していく。

「WILDFIRE」ではSiMのMAHがスペシャルゲストとして参戦して客席の熱狂はマックスへ。「<BLAZE UP NAGASAKI 2020>で会いましょう!」と言い放ったCrossfaithの熱が十二分にオーディエンスへ伝わった全7曲だった。
G-FREAK FACTORY


地元をレペゼンする姿勢もSHANKに大きな影響を与えているのが、G-FREAK FACTORYだ。「日はまだ高く」ではオーディエンスが肩を組み、大きなサークルを作り上げる。MCでは「(長崎で)意地を張ってる理由をしっかり知ってほしい。この催しをここでやっている意味を。誰も言わないから、俺らが言うよ」と地元開催にこだわるSHNAKを労う一幕もあった。

新曲「Fire」「Too oLD To KNoW」、そしてTOSHI-LOWと共に歌った「ダディ・ダーリン」は確実にオーディエンスの胸を打ったはず。熱く、強く、優しい。彼らのストレートな人となりを音楽から感じることのできるステージだった。
04 Limited Sazabys


イベントも折り返し地点を過ぎたころ、シーンを代表する存在のひとつとなった04 Limited Sazabysが登場。「長崎! 楽しむ準備できてる?」と客席に語りかけ、最新シングル「My HERO」からフォーリミ劇場が開を開けた。

「SHANKも好きだし、SHANKが呼んでるメンツも大好きです。好きの塊です。みんなも好きだよね? 好き同士、一緒に戦ってもらっていいですか?」と「swim」「Squall」などヒット曲を惜しみなく連発。最後は「この曲、何人知っているやついんだよ!」という言葉に続けて、彼らの代表曲「monolith」「Buster call」を鳴らした姿は完璧なパンクロックヒーローだった。
▲SiM


昨年、「フェスに苦言を呈する」というブラックユーモアを交えつつ、「より良いフェスにするためには、友達を呼んできてほしい」とSHANKを思う気持ちを吐露していたSiM。「DiAMOND」から始まった彼らのステージは、「行けないやつは置いて行くからな!」と「JACK.B」「KiLLiNG ME」とキラーチューンを立て続けに演奏してのっけからレッドゾーンへ。

「親が長崎出身だ」と嘘をついた昨年を謝罪したものの、「SiMを結成したのは長崎で……」と続けて笑いを誘う。さらには「お前ら、弾けて混ざれんのかよ?(笑)」とイジリを入れた後に、「Blah Blah Blah」「Get Up, Get Up」、そして「f.a.i.t.h feat. KOIE」をラストナンバーに全7曲で完全燃焼した。
BRAHMAN


神々しい雰囲気のSEが流れる中、1曲目は「初期衝動」。「全力でBRAHMAN、始めます!」との挨拶を挟んで、「雷同」「BASIS」と息をつかせぬ展開に客席も熱狂。そこからMCもないままに「ANSWER FOR…」までの全8曲がノンストップで演奏される。その「ANSWER FOR…」では客席に降り立ち、オーディエンスに担がれた状態で歌うTOSHI-LOWがこう語った。

「田舎だとか人がいないとか……、誰かがやんなきゃならないんだ!」と行動を起こすことの意義を投げ掛けて、「鼎の問」へ。「7年振りに長崎に来た」というTOSHI-LOWは、「今日、悪いこと言ってやろうと思ったんだけど、SHANK、好きだわ」と、SHANKの姿勢に共感してこの場に立ったことを暗に伝え、「満月の夕」で締めくくった。
HEY-SMITH


<BLAZE UP NAGASAKI 2019>もいよいよ残り2バンド。トリ前に登場したのは盟友とも言えるHEY-SMITHだ。「今日の1曲目はSHANKに贈るぜ」と「Don’t Worry My Friend」へ。さらには、「お前ら、頭おかしくなってるか? 音楽は唯一の合法ドラッグだから、バキバキにキマッてけー!」とサイケなミュージックビデオも話題の「Fog And Clouds」、さらに「Drug Free Japan」で勢いを加速させていく。

夕焼けに合わせたかのような「Summer Breeze」で場内をしっとりさせたかと思えば、後半は怒涛のダイブを誘発させるセットリストで攻めに攻めた。「本物のロックフェスやぞー!」と表現した猪狩の言葉が、このイベントの真意を表していたかのようだった。
▲SHANK


「1年間で唯一、気合を入れている」とこの日について語っていた大トリSHANKの登場だ。いつも通りのSEはMad Caddiesの「Backyard」。すでに会場が揺れている。「長崎、SHANK、始めます!」と「Surface」「Cigar Store」を続けざまに演奏するなど、昨年の<BLAZE UP NAGASAKI>と同じスタートを切った。

最新シングル収録曲「Smash The Babylon」を演奏中に段ボールで作られた松崎の顔をつけてステージに乱入したのは、CrossfaithのTeruだ(笑)。しかし、何事もなかったように「Life is…」を続け、「特に湿っぽいMCも用意してないので」と彼ららしいMCの後に「Good Night Darling」へ。「Hope」「Weather is Beautiful」では会場中をバウンスさせ、同曲のラストにCrossfaithのKOIEが乱入。これに乗っかるようにTeruとHirokiも登場して「Wall Ride」が披露されるなど、中盤の盛り上がりは異常なほど。

これに加えて、松崎のソロから地元長崎の民謡「でんでらりゅう」をサンプリングした「Knockin’on the door」ではBRAHMANのTOSHI-LOWがダイヴ、ステージにでんぐり返しで戻ってくるという珍事も。予期せぬゲストに続けては、HEY-SMITHのホーン隊が参加した「Grimy Window」で場内のスカダンスを満たした。

「長崎のバンドが身の丈に合ってないことをやっていることもわかってます。ほとんど意地です」とは庵原のMC。しかし、それを見事に形にしてしまったのがSHANKの強さでもある。後半は「Wake Up Call」「Set the fire」と続け、ショートチューン「submarine」で本編を締めた。

一旦、ステージを降りたもののアンコールが起こるとそれに応えた彼らは、「BASIC」「Stop the crap」といったショートチューンを2曲投下し、<BLAZE UP NAGASAKI>の幕を閉じた。ステージを去る少し前、庵原が「また、やろう!」と何気なく語った。この言葉を信じて、2020年の<BLAZE UP NAGASAKI>が今から待ち遠しい。

Photo: 半田安政(Showcase)

■<BLAZE UP NAGASAKI 2019 in HUIS TEN BOSCH>6月8日(土)@長崎県 ハウステンボス 第一駐車場特設ステージSETLIST

【四星球】
01. 運動会やりたい
02. クラーク博士と僕
03. 鋼鉄の段ボーラーまさゆき
04. モスキートーンブルース
05. MrCosmo
【ENTH】
01. WIll
02. TH
03. HAHA
04. Voodoo SahngrillaHANGOVER
05. Gentleman Kill
06. LOVE ME MORE
07. ムーンレイカー
08. SLEEPWALK
09. Get started together
10. Bong!Cafe’au lait!Acoustic Guitar
【dustbox】
01. Try My Luck
02. Riot
03. Resistance
04. Bird of Passage
05. You Are My Light
06. Farley
07. Rise Above
08. Here Comes A Miracle
09. Hurdle Race
10. Jupiter
11. Tomorrow
【Crossfaith】
01. SYSTEM X
02. NIGHTMARE
03. DESTROY
04. WILDFIRE
05. JAGERBOMB
06. FREEDOM
07. LEVIATHAN
【G-FREAK FACTORY】
01. jam
02. SOMATO
03. 日はまだ高く
04. Unscramble
05. Fire
06. Too oLD To KNoW
07. ダディ・ダーリン
【04Limited Sazabys】
01. My HERO
02. Kitchen
03. swim
04. message
05. fiction
06. escape
07. Squall
08. monolith
09. Buster call
【SiM】
01. DiAMOND
02. JACK.B
03. KiLLiNG ME
04. TxHxC
05. Blah Blah Blah
06. Get Up, Get Up
07. f.a.i.t.h
【BRAHMAN】
01. 初期衝動
02. 雷同
03. BASIS
04. BOX
05. BEYOND THE MOUNTAIN
06. 不倶戴天
07. GREAT HELP
08. ANSWER FOR…
09. 鼎の問
10. 満月の夕
【HEY-SMITH】
01. Don’t Worry My Friend
02. Living In My Skin
03. Fog And Clouds
04. Drug Free Japan
05. California
06. 2nd Youth
07. Stand Up For Your Right
08. Buffalo Soldier
09. Summer Breeze
10. Goodbye To Say Hello
11. Come back my dog
12. Endless Sorrow
【SHANK】
01. Surface
02. Cigar Store
03. Smash The Babylon
04. Life i...
05. 620
06. Good Night Darling
07. Hope
08. Weather is Beautiful
09. Wall Ride
10. Departure
11. Knockin’on the door
12. Grimy Window
13. Wake Up Call
14. Set the fire
15. submarine
-encore-
en1. BASIC
en2. Stop the crap

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