11組のダンサー・振付家が、韓国伝統
芸能を継承する音楽を踊るダンスの祭
典 姉妹企画のコンペ『新人シリーズ
17』受賞2作品の再演も

2019年7月17日 (水)から7月30日 (火)まで、d-倉庫にて、ダンスの祭典『ダンスがみたい!21』が開催、韓国の現代音楽、サムルノリの「三道農楽カラク(サムドノンアクカラク)」を課題曲として、11組のダンサー・振付家が上演に挑む。
ダンスの祭典『ダンスがみたい!』は、“ダンスを刺激するフェスティバル“というコンセプトを持って、2001年の第1回目開催以降、コンテンポラリーダンスを中心に、新・旧世代を横断するキュレーションで企画されてきた。21回目となる本企画では、上述した韓国の現代音楽、サムルノリの「三道農楽カラク」を課題曲とした作品の上演に加え、本公演の姉妹企画のコンペ『新人シリーズ17』の受賞2作品の再演を含む全13作品が上演される。
『ダンスがみたい!21』出演者
課題曲である、「三道農楽カラク」は、サムノイリ創設初期のレパートリーを再構築した作品であり、凄まじい音の奔流で聞くものを圧倒する音楽性で、その代表的楽曲として知られている。楽曲そのものの音楽性はもちろん、<神明>とよばれる韓国伝統芸能に込められた精神や、歴史への対峙仕方など、様々な問題系を抱えたこの楽曲に、11のダンサー/振付家がそれぞれのどのような解釈・切り口で挑むのかが見どころだ。

サムルノリとは
サムルノリは、韓国の一般民衆が共同生活の中に根付き、男寺党と呼ばれる旅芸人によって受け継がれた伝統芸能「プンムル」を“創造的に継承”するため、その音楽を現代的に再構築することで、1978年に金徳洙(キム・ドクス)らによって創始された演奏形式であり、その集団の名前を指す。サムルノリは「プンムル」で使用される楽器のうち、ケンガリ、チン、チャンゴ、プクの四つを使用して、舞台芸術として昇華されたその演奏スタイル。その特異な音楽は作家の故・中上健次の「世界の音楽シーンはぶっ飛んだ!」という評言とともに、日本国内でも大きな注目を集めている。
ダンスがみたい!とは
『ダンスがみたい!』は2001年から約20年にわたり実施してきたダンスフェスティバル。創設当初はコンテンポラリーダンスや暗黒舞踏などの紹介・普及に努めていたが、2015年以降、作り手に楽曲・テクストなどの「課題」に挑戦してもらう形で、上演作品に対して能動的に機能するような企画を試みている。これまで、ストラヴィンスキー「春の祭典」(2015)、「エリック・サティ」(2016)、チャイコフスキー「白鳥の湖」(2017)、土方巽「病める舞姫」(2018)と、舞踊家にとって大きな挑戦となるテーマを扱ってきた。
当企画のこれまでの出場者には、若松美黄、石井かほる、笠井叡、川口隆夫、伊藤キム、室伏鴻、山崎広太、山田せつ子、黒沢美香、鈴木ユキオなど、斯界の有力なダンサーをはじめ、まだ評価の定まっていない若手の発掘にも努めている。

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