まふまふ「生まれ変わっても、もう一
度僕に生まれたい」 これまでの歩み
と想いが織り成した感動の初単独ドー
ム公演

ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム~

2019.6.22 メットライフドーム
歌唱、作詞、作曲、編曲、エンジニアリングまで自ら行い、様々なアーティストへの楽曲提供も行なういっぽう、オリジナル曲、歌ってみた、バラエティなど多岐にわたる投稿動画でも国内にとどまらず海外でも熱狂的な支持を得ている、新世代のマルチクリエイター・まふまふ。そんな彼が、6月22日には『ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム~』と題して単独で、翌6月23日には『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服~@メットライフドーム~』と題して、ついにメットライフドームに立った。ここでは、世界を変えてきた彼の歩みと想いが織り成した感動の初単独ドーム公演の模様をお伝えする。
スタンドと屋根の間の全周がフルオープンのメットライフドーム。この日は生憎の空模様だったが、どんよりした空から降り注ぐ雨がステージセットのそびえ立つ灰色のお城やたくさんの十字架オブジェに似合って、“まふまふわーるど”を演出。期待感が膨らむ中、放たれた1曲目は「輪廻転生」だ。ステージを覆っていた巨大なLEDモニターが上昇すると、そこには漆黒の衣装をまとったまふまふの姿が! 転生した世界にさえも希望を見出せないやるせなさを圧倒的なハイトーンで叩きつけたかと思うと、ロックに突き抜ける「ベルセルク」、演出のファイヤーボールが多数噴き上がった「立ち入り禁止」とたたみかけて、なんという高揚感だろうか。
まふまふ
3万5000人ものオーディエンスを前に、「これまでにないほどのプレッシャーを感じています」と言いつつ、「雨降っちゃいましたけど、雨のカーテンがあることでここは僕たちだけの空間ですね」という素敵な表現で“気づき”をくれると、「ジグソーパズル」へ。ステージ両サイドまで歩いて、会場を見渡しながらどこまでも歌を届けるまふまふ。途中で響かせる不敵な笑い声にも、大歓声が上がる。風男塾に提供した「君色々移り」では「楽しく踊りましょうか!」と誘い、その後のMCでは「いやぁ、楽しいな、気持ちいいな!」と笑顔を見せたり、お城の窓からひょっこり顔を出してしまうお茶目さもチラリ。まふまふワールドに、ぐいぐい引き込まれてしまう。
「未発表なんですが、7月1日からアニメ『かつて神だった獣たちへ』のオープニングテーマとして流れる曲を、今日は初お披露目させていただいてもいいでしょうか!?」
嬉しい提案をして歌った「サクリファイス」は、ソロ名義では初のアニメタイアップ曲。不条理な世界でのもがきを驚異のハイトーンに託すナンバーは、あまりにドラマティックだ。
水色の爽やか衣装に着替え、ギターを弾きながら歌ったのは「恋と微炭酸ソーダ」。「拝啓、桜舞い散るこの日に」しても然り、淡い色の照明の下で歌う彼は、切実な叫びを繰り出すまふまふとは別人のようにも見える。
LEDモニターに大きな月が浮かんだ「朧月」、「夢花火~鏡花水月(Acoustic ver.)」というライブならではの特別なメドレーでは、美しい和情緒の中でていねいに歌を紡ぎ、「ナイティナイト」ではまるで天からの使いのように澄んだ美声を響かせたまふまふ。彼の内にある激しさや怒りや刹那はもちろん、優しさや儚さや純粋さもまた受け手の心を動かし、それが救いにもなるのだ。
まふまふ
一転、ホログラム化されたまふまふが終始歌うという斬新な演出で驚かせたのは「廃墟の国のアリス」。さらに、「曼珠沙華」では黒地に赤い彼岸花をあしらったモダンな着物姿のまふまふを乗せたムービングステージがアリーナ席の頭上をゆっくり移動して、アリーナ中央へ! まふまふが下駄にもかかわらずピョンピョン跳ねて着物の袖や裾をひらりとさせて華麗に舞えば、オーディエンスも大合唱で応える。「After the Rainの曲から1曲お借りしてきました」と言って歌った「彗星列車のベルが鳴る」では、まふまふのイメージカラーである白と、相方・そらるのイメージカラーである青の2色のペンライトが揺れる客席を見渡し、大きく手を振りながら「みんなありがとう! 絶景だよ!」とまふまふが感動の声を上げる場面も。
アクロバティックなパフォーマンスを繰り広げるダンサーチームが途中でまふまふを黒い布で隠した……と思いきや、離れたところに登場!というまさかのイリュージョンで沸かせた「忍びのすゝめ」から、本編ラストは「すごく大切な曲」と前置きした「夢のまた夢」。絶望に打ちひしがれながら、それでも希望を見出し、夢を見出そうとする物語に重なる、大きなシンガロング。そこには、胸を熱くする一体感が確かにあった。
まふまふ
熱烈なアンコールに応え、「アンコールありがとう!」と叫んだまふまふ。どこにいるのかと思えば、肉球を押すと耳がピコピコ動く“すーぱーぬこになれた”帽子をかぶったまふまふが、ステージ上手側に浮かぶ気球に乗り込んでいるではないか! 「すーぱーぬこになれんかった」を歌いながらドームをぐるり1周し、「すごい眺めだよ!」と感嘆の声を漏らすまふまふ。10月16日発売のアルバム『神楽色アーティファクト』に先駆け、新曲の「それは恋の終わり」も聴くことが出来たが、まふまふがギターを弾きながら歌う切ないギターロックは、まふまふという才能の新たな可能性を示唆するものでもあったように思う。
そして。乗り気ではなかったピアノと出会って音楽の楽しさを知り、イジメられていたときにロックに救われ、やがてつたないながらも自分で音楽を作り始めたものの、心ない言葉に傷つき、たくさんの涙を流してきたことを静かに明かし、声を震わせながらこう言ったのである。「でも、こうしてメットライフドームのステージに立って、僕には背中を押してくれる友人や、こうしてライブを一緒に盛り上げてくれるリスナーのみんながいる。僕は、生まれ変わっても、もう一度僕に生まれたいです」と。それは現実世界を否定してきたまふまふが“世界を変えてきた”中で至った境地であり、迷いなく自己肯定することができたその顔は実に誇らしかった。
まふまふ
「しんみりさせてごめんね、最後は楽しくいきましょう!」と言ったものの、「すーぱーぬこになりたい」をところどころ声を詰まらせて歌えなくなるまふまふを全力のコールや大合唱で支えたのはオーディエンス。その絆は揺らぐことはない。
“世界を変えていく”マルチクリエイターであり、多くの人に希望をもたらすエンターテイナーであることを明示したまふまふ。完成が待たれるアルバム『神楽色アーティファクト』はもちろんのこと、彼の尽きない表現欲は、この先きっと想像を超えて色鮮やかな花を咲かせてくれるはずだ。

Text by 杉江優花 Photos by 加藤千絵[ CAPS ]、小松陽祐[ ODD JOB ]、新澤和久、堀卓朗[ ELENORE ]

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