原嘉考(宇宙Six/ジャニーズJr.)初
の単独主演&桜井玲香(乃木坂46)ア
イドル最後の舞台 『THE BANK ROBB
ERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』
公開稽古レポート

2016年にイギリスで開幕して以来、4年にわたってヒットしているサスペンス・コメディが、『The Comedy About A Bank Robbery』早くも日本で上演される。本作はイギリスにおいて最も勢いのある頭脳派コメディ集団“Mischief Theatre(ミスチーフシアター)”の最新作で、地元紙でも「ロンドンで面白い作品No.1」(テイリー・テレグラフ紙)、「ウエストエンドで最も笑える作品」(ザ・テレグラフ)といった高評価を得ている大人気作だ。
作家・演出家・翻訳家として活躍する谷賢一が巧みな言葉遊びやテンポの良さをそのままに翻訳し、俳優・演出家・ダンサーとしてマルチに活躍する小林顕作が演出を担当。そして、本作が初の単独主演となる宇宙Six/ジャニーズjr.の原嘉考、乃木坂46キャプテン桜井玲香、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で人気の元木聖也といったフレッシュなメンバーの脇を個性豊かな実力派が固め、日本版の『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』を作り上げる。
2019年8月2日(金)の本番に向けて、都内某所で行われた公開稽古の様子をお届けしよう。
取材には、原嘉考(宇宙Six/ジャニーズJr.)、桜井玲香(乃木坂46)、元木聖也、尾上寛之、しゅはまはるみ、溜口佑太朗(ラブレターズ)、塚本直毅(ラブレターズ)、大堀こういち、市川しんぺー、田中要次、そして演出の小林顕作が登壇した。
ーーまずはそれぞれが演じる役柄と見所を教えてください。
ウォーレン・スラックス役/市川しんぺー:私が演じるウォーレンは、ミネアポリス銀行に30年以上銀行に勤めているのに未だにインターン扱いをされている不幸なキャラクター。見所は、いっぱい叩かれるシーンがあるので、怪我をしないように。笑ってもらえる面白さにしたいです!
ロビン・フリーボーイズ役/大堀こういち:フリーボーイズはミネアポリス銀行の頭取で、なんとかミネアポリス銀行を世間に知らせようと頑張っているけど何もかもうまくいかないという役所です。
見所はウォーレンとフリーボーイズとの面白い演出がありまして。肉体を使ってこう……どこまで言っていいのかわからないので難しいんですが、今まで見たことのないような演出がありますので、楽しみにしていただけると。
ニール・クーパー役/尾上寛之:クーパーは刑務所の看守ですが、ミッチの脱獄と銀行強盗にも加担する役です。見所はベッドですね。結構使うので……あ、全然使わなかったです。(キャスト陣が堪えきれずに吹き出し、小林から「体も壊す台詞も出ない嘘をつく~(笑)」とクレームが入る)。いいところを見せられるように頑張ります!
ルース・モナハン役/しゅはまはるみ:原くん演じるサムの母親役、ルース・モナハンを演じます。そんなにたくさん舞台には出ないんですけど、印象に残る、おいしい役をもらいました。ぜひ楽しみにしてください!

マルチプレイヤー/溜口佑太朗(ラブレターズ):皆さんが演じる役以外の全部を演じます。ころころキャラクターが変わって、早替えも多いので、間に合わなかったら素っ裸で出るつもりで。えー、嘘です。近場にあった幕を巻いて……っていうのも嘘で、間に合うように稽古します! あとは芸人として出てるので、盛り上げ役に徹します。
マルチプレイヤー/塚本直毅(ラブレターズ):皆さんがやる役と、相方がやった役の残りをやります! マルチプレイヤーを2人で分けて演じるので、「スーパーマルチプレイヤー」と言われるように精一杯頑張ります!
ランダル・シュック捜査官役/田中要次:FBIのランダル・シュック捜査官役です。このお芝居の魅力は、出てくるキャラクターがバカばっかりです! あ、役者さんたちがバカなわけじゃないですよ。普通はバカに振り回される人が1人くらいいなきゃいけないのに、本当にバカばっかりなので、覚悟して観ないとお話に入り込めないかもしれません(笑)
ミッチ・ラスチッティ役/元木聖也:脱獄犯のミッチを演じます。これだけコメディに振り切っている作品は中々ないと思います。始まってから終わりまで、面白いところが本当にたくさん! あとは素敵なダンスも多くて、誰が観ても楽しい作品になっていると思います。

カプリス・フリーボーイズ役/桜井玲香(乃木坂46):カプリスは結婚詐欺師で、電話をいっぺんに何人にもかけられる器用なキャラクター。一応ヒロインだと思うんですけど、時々自分がヒロインかどうかわからなくなるシーンもあります。楽しみながら演じられたらいいなと思います。
サム・モナハン役/原嘉考(宇宙Six/ジャニーズJr.):サムはお母さんが大好きだったり、それでいてスリの名人だったり、人によって全く違う顔を見せるキャラクター。詐欺師っぽい一面が出せたらと思います。あとは、芝居だけじゃなく歌も踊りもあるので、最後の最後まで楽しめると思います!
ーー一週間稽古をしての手応えを教えてください
小林:最初は不安があるものなんですが、皆さん不思議なくらいすぐ打ち解けてくれて、楽しくやってます。
あと、コメディってすごく難しいんですけど、(取材陣に向かって)面白かったでしょ? イギリスに勝てるなと思うくらい。日本人の持ってる繊細な間が活かされている。「笑ってください」ってよりも、自然と面白いものを見せられる舞台に絶対できる自信があります。本当にたくさんの人に見てもらいたいですね。ただ心配事が二つだけあって、要次さんが時々何喋ってるかわからないのと、溜口くんが時々ポッケに手を入れて股間を掻いてて……(笑)それ以外は心配事はないです!
尾上が天然ボケを発揮したり、原が噛みかけてツッコミが入ったり、小林の暴露にラブレターズの2人が茶々を入れたりと、取材自体もコメディのような雰囲気。稽古に入って1週間程度とは思えないほど、リラックスした関係性が築けているこのカンパニーが、これからどんな進化を遂げるのか楽しみだ。
初の単独主演となる原は、「驚きはすごくありましたし、やったことのないコメディができるのは喜ばしいことだし、顕作さんはじめ、名だたる役者さんと共演できるのは嬉しくもあって、いろんな感情が混ざって不思議な感じです」と喜びをにじませる。公開稽古では元木と桜井の歌とダンスが披露されたため、主人公のサムも歌唱があるのかと尋ねられると、「台本を読んだら、僕だけ歌がなかったんですよね。なので顕作さんにどうしようか相談してて」と首をひねり、小林も「原くんが歌うのか歌わないのかも一つの見所ですね」と頷いていた。この後、サムの曲が誕生するかどうかにも期待が高まる。
次に、結婚詐欺師のヒロインに関する役作りの工夫を聞かれた桜井は「台本を読んで、本国の映像も見て、カプリスは大人な感じで行くんだなと思っていたら、顕作さんにことごとくぶち壊されました(笑)。日本オリジナルのカプリスが出来てきているなと思います。日本でしか見られないカプリスです!」と、イギリス版とはまた違う魅力あるキャラクターになっていることをアピール。
チームの雰囲気を聞かれた元木は「最高です。毎日の稽古が楽しくてしょうがなくて」と話すも、小林から「全然今楽しさが伝わってこなかったよ?」と拗ね、コントのようなやりとりを披露。
2人に加え、振付の足立夏海も子供番組に携わっていることから、今作は8月7日(水)の12:30公演のみ、夏休みスペシャルと題して3歳以上の入場可・無料託児所サービスを用意している。元木が「子どもも観て楽しめるような作品になっていると思います」と言うように、家族全員での観劇もオススメだ。
他のキャストも同じくカンパニーの雰囲気を聞かれ、しゅはまが「初日から柔らかくてあたたかい雰囲気で、稽古に来たくて仕方ないです。1時間前に稽古場に入ったりとか……してないけど、1回も(笑)」とオチをつけ、「後列すごい嘘つくんですけど!」と突っ込まれるなど、ここでもコントが。
また、演技だけでなく歌と踊りも本作の魅力。市川・大堀・田中のベテラン勢も若手陣と同じくらいがっつり踊るそうで、そこも楽しみの一つだろう。
舞台出演が7年ぶりの田中は、「楽しいお芝居がしたいと願って待っていたら、7年経ってこのお話をもらった。台本を読んで、シュック捜査官は舞台上でキスシーンがあるなと思って、やります! って。歌もちょっとあるんだーっていうのも嬉しかったけど、こんなに踊るとは思わなくて」と、予想に反して多いダンスシーンに対する不安を漏らしていた。
さらに、踊ると聞いていなかったとぼやく田中に、原も「僕たちも聞いてないこと多いです!」と同調する。イギリス版でサムが天井から格好良く登場するシーンを見て楽しみにしていたが、いざ稽古を始めたところ「顕作さんが『こうやるんだよ!』って、袖からロープで「やあー!」って登場すりゃいいんだよって。天井から登場したかったーと思って! そういうこと多々あります」と訴え、小林が「俺が詐欺してるって言いたいんだな!?」と拗ねると、元木が「大丈夫、大丈夫!」と宥めるなど、息のあった仲の良さを見せてくれた。
そして、ヒロインを演じる桜井は先日、乃木坂46卒業を発表したばかり。これがアイドルとしてラストの公演となる。「ファンの方にも、それ以外の方にも見ていただきたいと思います。グループの仕事を上回っちゃうくらい、この舞台にかけたいなと思います!」と作品にかける熱意を見せた。
最後に、公演への意気込みを聞かれた原は「この作品は、大の大人が最初から最後まで真面目にふざけます。舞台を観にくるというより、そこらへんのコンビニに行くみたいな気楽さで来ていただいて、たくさん笑って帰ってもらう、そういう作品だと思っています。歌も踊りもあって、小さい子からお年寄りまで誰もが楽しめると思います。ぜひよろしくお願いします!」と締めくくった。
【あらすじ】
物語の舞台は1958年夏、アメリカ合衆国ミネソタ州。
ミネアポリス都市銀行はハンガリーの国王から非常に高価なダイアモンドを預かることになる。それを狙うのは、街のスリや脱獄囚、泥棒、詐欺師。お互いに騙し、騙される中、身元が取り違えられたり、恋の三角関係が巻き起こったりと、事態は思わぬ展開に……。果たして誰がダイヤを手に入れるのか?

今回披露されたのは、ミッチが刑務所から脱走する冒頭と、主人公・サム、ヒロイン・カプリスが登場するシーン。
演出の小林が「尾上さん今足の調子が悪いので俊敏ではないかもしれませんが……」といじったり、取材陣に向かって「公開稽古ってよくあるものなんですか?」と質問したりと、場の空気を和らげているのが印象的だった。
和気藹々とした雰囲気の中、まずはミッチが監房で看守たちに殴られているシーンが始まる。いきなり緊張感が高まる……と思いきや、実はミッチを殴りつけた看守・ニールは脱獄の協力者。ネタバレになるので詳しいことは伏せるが、この後繰り広げられるコミカルなやりとりに、取材陣はもちろんキャスト陣からも笑い声が上がっていた。

数多くのトラブル(?)を乗り越え、無地脱獄したミッチによる「バンクロバリーのテーマ」は、コメディタッチからがらりと雰囲気を変わり、物語を引き締める。
続いて行われた銀行のシーンも笑いどころがたっぷり。本筋と別の部分でも、マルチプレイヤーであるラブレターズの2人を中心にユーモラスなやりとりが行われており、目が足りなくなること請け合いだ。
また、母親・ルースに心配をかけていることを謝りながら通りすがりの人の財布をすり、「やっちまった!」という顔をするサムはどこか憎めず、次々男に電話をかけて金をだまし取るカプリスは強かでコケティッシュ。二人が出会ったことで、これからどんな騒動が巻き起こるのか目が離せない。

公開稽古で披露されたのは20分ほどだが、笑いとサスペンス要素のメリハリが素晴らしく、20分とは思えないほど濃密だった。稽古が進み、ブラッシュアップされていくのが楽しみで仕方ない。
本公演は8月2日(金)から8月12日(月・祝)東京・新国立劇場 中劇場、8月16日(金)から8月17日(土)大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。

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