祝・DELICIOUS LABEL20周年!
記念コンピに参加の5組を紹介

アルバム『Radiolaria』/V.A.

アルバム『Radiolaria』/V.A.

the pillowsの山中さわおが主宰するレーベル、DELICIOUS LABELが今年で設立20周年! 7月3日には節目を記念し、コンピレーションアルバム『Radiolaria』が発売されました。フレッシュな新曲はもちろんのこと、参加バンドのフロントマンをシャッフルしてのヴォーカルカバーも収めた、バラエティーに富んだ同作のリリースに併せて、今回はコンピ参加アーティスト5組を紹介。収録曲もプチ解説してみます。

「マシュマロ&ピーナッツ」('19)
/the pillows

まずはレーベルオーナーの山中さわお率いる、今年で結成30周年のthe pillows。9月公開の劇映画『王様になれ』、10月開催の横浜アリーナでのライヴと、アニバーサリーイベントを控える彼らですが、新曲「マシュマロ&ピーナッツ」はそんな重圧をまったく感じさせない、フットワークの軽さが光る仕上がりになっています。思わず力が抜けるような、それでいて耳を惹くギターリフ。グランジ&マッチョな音作り。でも、歌詞は飛び切りキュートというアンバランスぶりが絶妙で、あっと言う間に曲が終わってしまうのもあって、ついついやみつきに。コンピ盤を締め括るエンディング曲として、山中がnoodlesの「Ingrid said」を歌っているのも、長年の盟友感が自然に出ていて味わい深いです。

「I'll be a sensitive band
tomorrow」
('19)/noodles

続いては、the pillowsとの親交が深いガールズバンドのnoodles。そもそも山中がDELICIOUS LABELを作ったのは彼女たちの音源を出すためで、1999年のミニアルバム『lite pop』がレーベル第一弾リリースだった経緯を踏まえると、新曲「I'll be a sensitive band tomorrow」はより浸って聴けるんじゃないでしょうか。いろいろな想いを汲んだであろう《キミのために研ぎ澄まされたバンドになるよ 明日》というポジティブなメッセージが、これまでにない新鮮さを放っていて、もちろん持ち味のオルタナ感もキラキラと輝く、20周年コンピのオープニングに相応しい名曲だと思います。noodlesのyokoがヴォーカルカバーしたのは、THE BOHEMIANSの「おぉ!スザンナ」。こちらもナイスです。

「HEADACHE」('19)/HERMIT

DELICIOUS LABEL好きなら、HERMITこと岩田晃次のコンピ参加には胸躍ったはず。the pillows・山中さわおの中学時代の同級生で、地元・北海道ではバンドやアルバイトをともにしていた親友である彼が、待望の新曲「HEADACHE」を約11年振りに届けてくれました。ひさびさの音源ながら、孤高の佇まいは健在! イントロの硬質さ、歌い出しと同時に淡く切り換わる音のマジックで、いきなりやられてしまいます。シンプルな曲構成なのにギターの歪みをはじめ、めくるめくサウンドメイクに惹き込まれるばかり。歌詞がthe pillowsの「箱庭のアクト」(山中が岩田の心模様を想像して書いた曲)と近からず遠からずの内容に感じられるのもグッとくる。Eelsがフェイバリットの方もぜひ聴いてみてほしいです。

「クリストファー」('19)
/シュリスペイロフ

2013年からDELICIOUS LABELに所属。HERMITに負けず劣らずの確固たる思想を持つ4人組バンド、シュリスペイロフの新曲「クリストファー」も素晴らしいです。ぽつぽつと紡がれるひとりぼっちの主人公の心情を通して、もの寂しさやメロウさを丁寧に湛えつつ、壮大なミッドナンバーへ昇華させるという、この独特の温かみと翳りはまさに彼らならでは! 聴くほどにイメージが広がるような詞世界、やさしい揺らぎを孕んだギターサウンド、行き届いたグルーブに酔いしれてみてください。そして、シュリスペイロフの宮本英一はthe pillowsの隠れた名曲「ガラテア」をヴォーカルカバー。自身の声質を活かし、ポエトリーリーディング調のリリックを含め、アンニュイに純度たっぷりに歌っています。

「クリエイション&アクション」
('19)/THE BOHEMIANS

ラストは、2014年からDELICIOUS LABELに入ったTHE BOHEMIANS。全曲推したい今回のコンピレーションアルバムですが、《今の俺に近づくと 怪我をするぜこの俺が》と最高にいかがわしく歌ってしまえるこのバンドの魅力も痛快に際立っていると思います。そんな新曲「クリエイション&アクション」は歯切れのいいリフで始まり、軽やかなリズムに乗ったまま、ゴキゲンに突き抜けるロックンロールナンバーなので、ぜひ爆音でどうぞ! 身体がうずうず高揚して、聴くうちにライヴハウスへ行きたくもなるはず。THE BOHEMIANSの平田ぱんだはヴォーカルカバーでは一転、シュリスペイロフの6分半に及ぶロッカバラード「カノン」を披露。オリジナルとは異なる歌の温度感がとても新鮮です。

TEXT:田山雄士

田山雄士 プロフィール:フリーのライター。元『CDジャーナル』編集部所属。同誌の他、『okmusic UP's』『ナタリー』『bounce』など、雑誌/WEBを中心にお仕事をしています。日本のロックバンド以外に、シンガーソングライターとか洋楽とか映画とかも好きです。

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