音楽劇『トムとジェリー』製作発表 
宇宙Six松本幸大とふぉ~ゆ~松崎祐
介が即興で熱唱

世界中で幅広い世代に愛されるアニメ「トムとジェリー」が誕生して80周年を迎えた。これを記念した特別企画、音楽劇『トムとジェリー 夢よもう一度』が2019年8月3日(土)から愛知、東京、大阪にて上演されることとなった。これに先駆けて7月17日(水)、都内にて製作発表会見が行われ、本公演が舞台初出演となるココリコの遠藤章造をはじめ、バッファロー吾郎の竹若元博、宇宙Six/ジャニーズJr.の松本幸大、ふぉ~ゆ~の松崎祐介、増田恵子、榛葉昌寛、そして音楽を担当する松任谷正隆、演出のノゾエ征爾が出席した。
80年の歴史の中から初期の短編の代表作「夢よもう一度」をベースにしてコメディアニメとオペラを融合したドラマティックな内容となる本作。トム役の遠藤は「小さい頃から知っていたこの役をまさか自分がやれるとは」と驚きを素直に口にする。「いちから一生懸命汗をかきながら皆さんについていきたい」と意気込みつつ「“闇”ではなく光しかない舞台だと思っています」と昨今話題となっているキーワードを自らぶちこんで笑いを誘った。
遠藤章造
同じくトム役をWキャストで演じる竹若は普段かけているトレードマークの眼鏡をはずして会見に臨んだ。「さすがに眼鏡をしたトムというのはないだろうと思って。先ほど楽屋でケイさん(増田)から『あなた、誰?』みたいな顔をされました」とこちらも笑いを交えて挨拶をした。
竹若元博
今回ジェリー役は地域別で3人のキャストが演じることとなる。愛知公演を演じる松本は「皆さんおはよ※▽☆ざいます。いきなり噛んでしまいました。緊張しています」と照れ笑い。「小さい頃、香港に住んでいたんですが、そこでいちばん見ていたアニメが『トムとジェリー』でした。そんな作品に出演出来る事を光栄に思う反面、不安に思う事もあり、原作が大好きな皆さんが見守る中、僕がジェリーを演じていいのだろうか、と。でも日々稽古をして自信もついてきましたし、海外の作品を日本で上演することはジャニーさんも好きだったのできっと喜んでくれるはず。ジャニーズ魂を受けつつスタッフ、キャストの皆さんと力を合わせて皆を笑顔にしてみせます!」と先日他界した事務所社長のジャニー喜多川への想いと共に気合いを入れていた。
大阪公演でジェリー役を務める松崎は軽く髪に手をやりつつ「寝ぐせではありません」と会場を和ませる。現在他の作品に出演中とあって「まだ稽古に参加できていません。今日初めて皆さんとお会いできたばかり。小さい頃から楽しんでいた作品で、大人になっても“トムジェリ”をお酒のおつまみにしながらゲラゲラ笑うくらい。でもこれをどのように体現するのかと。アニメの世界は素晴らしく、心揺さぶられる内容。誰が観に来ても笑顔にさせるエンターテイメントの心を忘れず精一杯“ネズミ役”をやりたいです」とコメントした。
なお東京公演でジェリー役を務める山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)はスケジュールの都合で会見には出席できず、メッセージが寄せられた。
「この度ジェリー役に抜擢していただきありがとうございました。自分で言うのもなんですが、今回ジェリーを演じる一人ひとりがジェリーに似た個性ある3人だと思っています。気合いは十分です。3色のジェリーで皆さんにお楽しみいただきたいと思っています。同じ宇宙Sixの松本くんからいいバトンを受け取って東京公演で大成功を収めたいです」
山本からのメッセージを聴いた松本は「同じグループのメンバーで同じ役を演じる事なんて今後ないかな、と思う」、そして松崎も「あいつのジェリーが一番良かったなんて言われたりしない?」と司会に振られ「頑張りますよ! 負けませんよ!」と笑顔でライバル心をあらわにした。
ジェリーの母・ジュリエッタ役の増田は「ジェリーとはほんの数か月しか一緒にいれなかった母親という事で、それだけに愛情深くずっとジェリーのそばに寄り添っている役。私が演じると影のある役になりそうなので、チャーミングなジュリエッタになるよう毎日稽古に臨んでいます」と語り、「松任谷さんがジュリエッタのために『いつもあなたのそばにいる』というソロ曲を書き下ろしてくださった。母の愛情を切々と歌う曲なので皆さんにも感動を与えられたら」と抱負を述べた。
増田恵子
榛葉昌寛
神様 GOD役の榛葉は「皆さん、ボンジョールノ!」とマイクなしで声量豊かにご挨拶。世界を股にかけて活躍するテノール歌手の榛葉は現在イタリア・ミラノ在住ということで「ミラノはイタリアのなかでも都会でイタリアらしくない街。だからこの作品では同じイタリアの中でいちばんイタリアらしいナポリの風を吹かせたい」と胸を張る。そして「軽く歌ってもらえないか」というリクエストにすかさず応じ「オ・ソーレ・ミオ」を増田の手を取りながら太陽のような明るさで歌い、場内から拍手を浴びていた。

「オ・ソーレ・ミオ」を寺田さんに捧げ歌う榛葉さん
榛葉の歌声について、松本は「稽古場でも聴いて、皆笑顔になっています」と嬉しそう。そんな松本と松崎がいきなりその場で歌う無茶ぶりを受ける一幕も。歌詞はめちゃくちゃだが、雰囲気はオペラ歌手さながらに歌い上げた二人に大きな拍手と笑いが贈られていた。
松任谷正隆
そんなやりとりを目の当たりにした松任谷は「曲づくりの方向性を間違えました」と苦笑い。「原体験で『トムとジェリー』を観ていたのは僕くらいかな。当時アメリカの動物アニメって多かったんですよ。『マイティー・マウス』『フェリックス』『早射ちマック』『クマゴロー』とかね。さすがにこの歳になると全部がごっちゃになりますので、アメリカのブルーグラス・ミュージックをベースにして作りました。3日でほぼ13曲書き上げたんですが、それらはアニメのイメージだけで作ったんです。僕は完璧主義なところがあるのでリハーサルを観て都度、曲を書き直してしまうと思います。毎回毎回あると思うので、皆さんに迷惑をかけてしまうと思います」と口にすると増田が誰よりも「ええっ!」とおびえた様子を見せ、笑いを呼んでいた。
ノゾエ征爾
最後に挨拶をしたノゾエはお笑い、ジャニーズ、テノール歌手、国民的歌手など錚々たる顔ぶれが一同に会する本作について「混ぜたら危険を混ぜちゃいました!」と笑顔。「でも混ぜたら妙なものが出てきたようで、そんな化学反応が稽古場で日々生まれてきています」と現状を説明。「稽古場では皆さんが『あ、これ面白い』『これも面白い』というものが次々と積み重なって素晴らしい音楽が重なり、心から震えています」と興奮を言葉にしていた。
「トムとジェリーは喋らないので、ジェスチャーで表現をするんです、台本には台詞があるんですが、ハッキリとした台詞ではないのでそれをどのようにお客さんに伝えるのか」と頭を悩ませていると語る遠藤。松本も「こんなにしゃべれないのが辛いのかと思うくらい。他のキャストは普通にしゃべっていますが、トムとジェリーだけは喋らずに身体の表現と顔の表現だけで演じなければならないんです。これまで台詞があった事がありがたいことだったんだな」と振り返っていた。
なお、今回初舞台という事で、「ダウンタウンの松本人志に何か言われたか?」と聴かれた遠藤は「松本さんからは『どっきりやで』と言われたし、僕もいまだに、これ『モニタリング』なんじゃないかなと思っています」と口にして会場内を沸かせていた。
最後の記念撮影にはスペシャルゲストとしてトムとジェリーも参加し、和やかに会見を締めくくっていた。
スペシャルゲストの登場!
(左前列から)トム、竹若元博、遠藤章造、松本幸大、松崎祐介、ジェリー(後列左から)松任谷正隆、榛葉昌寛、増田恵子、ノゾエ征爾
ジェリーと仲良しアピールする松崎さん
取材・文・撮影=こむらさき

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