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【IKUO インタビュー】
今回はかつてないぐらい歌に注力した

BULL ZEICHEN 88やRayflowerでのバンド活動をはじめ、数多のアーティストのライヴや楽曲制作に携わってきた技巧派ロックベーシストIKUO。基本的に8弦ギタリストと超絶ドラマーとの3ピース形態で制作された2ndアルバム『Easy come,easy core!!』は、イージーコアを基調とするさまざまなタイプの楽曲が配される中、バンド形態や歌に重きが置かれているのも特徴的だ。

ポップパンクなのに8弦ギターという
誰もやってないであろうことに挑んだ

5年前の1stソロアルバム『R.E.D. ZONE』の際は、さまざまな方々とやりたいことをやり切った感がありましたが、今作はバンドサウンドと歌に焦点が絞られている印象を受けました。

まさしくその通りです! 1stはやりたいことを全て詰め込んだ、いわゆるカタログ的な作品でもあって。そこから5年が経ち、久々にソロを出したいという相談をレコードメーカーにしたら、“今回は歌モノなんてどう?”との提案をいただいたんです。で、僕、もともと歌モノが好きで…実はインストを作るのがそう得意ではなかった面もあり、快諾しました(笑)。

意外です。一般的なプレーヤーならテクニックをひけらかせるインストのほうが得意そうですけど。

かもしれません。でも、僕はそういったタイプではなかったらしく。とはいえ、ベーシストのソロアルバムだし、テクニカルな面も期待されているだろうから、歌モノをメインにしつつ、残りはインストみたいな割合にはしました。そんな中、今回、自分でやってみたいサウンドがあって。

それは?

イージーコアでした。なので、その明確な方向性も含め、作品のタイトルにも入れているんです。

イージーコアの音楽性というのは?

メロディックパンクにメタルコアの要素がブレンドされたようなサウンドですね。ポップなんだけどラウドさもあるっていう。そこで音楽性が固まってきたので、あとは編成をどうしようかと考えたんです。

今回は基本的に3ピースのバンドスタイルですね。

前作は30人もの方に参加してもらったんで、今回はあえて3ピースの固定メンバーでやろうと。それこそイージーコアのバンドみたいなイメージで。でも、それだと非凡だったので、ポップパンクなのに8弦ギターという、誰もやってないであろうことに挑んでみました。それによってさらにヘヴィになるし、ラウドな部分がもっと際立つと思って。そこから8弦ギタリストのスペシャリストでもあるLedaくんに声を掛けたんです。あと、ドラムは以前にサポートの現場で一緒だったThe Winking OwlのKenTくんにお願いして。彼はあんなかわいいルックスにもかかわらず、高速ツーバス等、ものすごく激しいドラムを叩きますからね。

内容的にも結構掛け合いもあったりして、スタジオでのみなさんの白熱したレコーディングの雰囲気が伝わってきます。

と、おっしゃってくれたんですが、今回の作品は一切、みんなで揃ってレコーディングしていないんですよ。

えっ!? かなり掛け合いのバトルや演奏のスイッチやキャッチボール等々がありますが…。

基本的に各楽器、僕が全部弾いたり、打ち込んだファイルを各メンバーに送って、その通りに演奏してもらいました。Ledaくんに関してはニュアンス等は任せて、自分流に弾いてもらったので、それによって戻ってきたものに予想外や意外性が加わった部分もありましたけど、僕の頭で鳴っていたものを各人に再現してもらった感じなんです。

まだ信じられません。「Arch of the rainbow」の中盤なんて、まさに掛け合いの応酬じゃないですか!

あそこは僕のデモのギターがあまり上手くなくて、音を録るのにLedaくんも大変だったようで(笑)、毎晩データをキャッチボールをしながら完成させていきました。今回はインスト曲が少ないこともあり、テクニカルな部分はこの曲に集約しちゃったところもありますが。

いやー、騙されました(笑)。それにしても今回はIKUOさん、かなり歌ってますよね。

歌いましたね。これまでのキャリアの中でも、ここまで自分ひとりで歌うことはなかったですから。しかも、何曲かの歌詞は自分で書いたし。ベースのプレイはもちろん、今回はかつてないぐらい歌に注力しました。

そうそう。今作では何曲か自身で歌詞も書かれてますもんね。

3曲書きました。歌詞を書きたい曲があったもので。それ以外は作詞家さんに依頼をして。だけど、僕、歌詞を書くことに慣れてないから、かなり苦戦しました。これまで自分のバンドでも歌詞はほとんど書いたことがなかったんで、ある種のチャレンジでもありましたね。それこそ最初は何を書いたら良いのか分からない段階から始めましたから。世にあるいろいろな歌詞を読んだりして研究したんですが、逆に“すげぇー”と感心することばかりで(笑)。ある時、開き直って、自分の普段やこれまで思っていたことを歌詞にしたためてみようと書き始めたんです。そしたらまるで想いが吐き出されるかのようにスラスラと出てきて。
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アルバム『Easy come,easy core!!』

OKMusic編集部

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