WANIMAが“世界で最もずぶ濡れになる
音楽フェス”とコラボして、一足早い
夏をお届け

4thシングル「Good Job!!」の発売を記念して、6月22日・23日に札幌、7月6日に天草の特設会場で野外ライブを開催してきたWANIMA。そのリリースパーティーの最後を飾るライブ「WANIMA × S2O JAPAN Good Job!! Release Party~カオス!! ギネス!? 日本初!!~ in 幕張海浜公園」が7月15日(月)に行われた。

Photography_Yukihide JON… Takimoto
Text_Akihiro Aoyama


「S2O SONGKRAN MUSIC FESTIVAL」は、もともとタイの旧正月を祝う水掛け祭り”ソンクラーン“と音楽をコラボレーションさせたタイ発祥のダンスミュージックフェスティバル。“世界で最もずぶ濡れになる音楽フェス”とも言われるアジア最大級の水と音楽の祭典・日本版として、7月13日(土)からの三連休に開催された「S2O JAPAN」の最終日、WANIMAとのスペシャルなコラボレーションが実現した形だ。ステージ上手側に東京湾を臨む見晴らしの良い会場とWANIMAの組み合わせは、一足早い夏の幕開けにはうってつけ。梅雨真っただ中であいにくの曇天ではあったものの、多少の肌寒さなどものともしない熱狂的なファン約2万人がビーチいっぱいに詰めかけた。

びしょ濡れで「夏全開」のお祭り感

オープニングのSEが流れ出すと、最初から全力の手拍子とダンスで答えるオーディエンス。おなじみの「JUICE UP!!のテーマ」が聴こえた瞬間、割れんばかりの大歓声が弾ける。その声を受けてステージ上に姿を現したWANIMAの3人はそのままコール&レスポンスを繰り返し、大興奮の中で「オドルヨル」へとなだれ込んでいく。客席中央からは予想をはるかに上回る水が撒かれ、会場中がびしょ濡れだが、みんな笑顔で“びしょ濡れ”のお祭り感を楽しんでいる様子だ。
「Good Job!! Release Party、開催します
」というKENTA(Vo, B)の力強い声で締め括られた「OLE!!」の後は、3人の自己紹介へ。KENTAは「一曲目からめちゃくちゃ水浸かってるって!」「今日はみんな、タダじゃ帰れんからね」と、この日だけの特別な演出に大興奮。一方、KENTAから「この日のために髪を染めてきて、めちゃくちゃ気合入ってますKO-SHINくん」と話を振られたKO-SHIN(G,Cho)は、「今日晴れて良かったじゃん」と標準語でボケて会場中を笑わせた。

「Good Job!!」収録曲から最初に披露されたのは、「渚の泡沫」。グルーヴィな演奏と歌の掛け合いで一気にサマー・ムードを高め、続く「昨日の歌」は会場全体で大合唱。スカ譲りの軽快なビートも夏にはピッタリだ。夏の暑さ/熱さをさらに加速させる「サブマリン」の熱演の後は、FUJIの恒例モノマネコーナーを挟んで「夏の面影」「つづくもの」へ。会場の前方にはいくつもモッシュピットができ、サークルモッシュにシングアロングに……と、WANIMAが運んできた夏の訪れを一人ひとりが全身全霊で感じているようだ。“夏”を感じさせる楽曲で占められた前半を締めくくったのは、新曲の「夏のどこかへ」。最新シングル「Summer Trap!!」リリース直前(7月17日発売)というタイミングながら、三ツ矢サイダー2019 CMソングとして放映中かつ先行配信済ということもあって、会場の多くのファンは大合唱で答えていた。

オーディエンスへの気遣いで強まってい
く絆

KENTAが「お客さんがどんな感じか、みんながどんな感じかと思ってRHの時に3人で水かけてもらったらコンタクトがなくなりました」というエピソードを披露して、水浸しのオーディエンスを気遣うMCを挟んだ後は、亡くなった祖父に向けてKENTAが作ったナンバー「1106」を演奏。最近のライブでは会場中が一緒になってゆっくりと合唱することが多いが、この日は疾走感抜群のパフォーマンスで披露された。KO-SHINの情感溢れるギターから、「Good Job!!」収録のリード曲「アゲイン」へとなだれ込むと、会場の熱気はまた一段階ヒートアップ。「雨上がり」「BIG UP」とノリの良い楽曲が続くうちに、気づけば前方だけでなく後ろの方にまでたくさんのモッシュピットが出来上がっていた。
「やりたくもない練習めちゃくちゃやってここに来ました。それが何のためやって、みんなのためやから。めちゃくちゃ今日曲を用意してきたから、楽しんで帰ってよ。ただ一つ、みんな思いやりだけは忘れずにお願いします」(KENTA)と話した後、「今日はいつもとちょっと違う歌い方で」と言いつつ始まったのは「Hey Lady」。情感たっぷりのKO-SHINのギターに合わせてKENTAがしっとりと歌い出すと、会場からは大合唱の返答が聴こえてくる。そこから一気にソリッドなパンクへとギアを変え、「ANCHOR」「シグナル」とみるみるうちに加速していった。

二時間にわたって弾けた笑顔と水しぶき

本編にあと2曲を残して、KENTAは「S2Oの話が来た時、めちゃくちゃ水を大量に撒きますって言われて。めちゃくちゃ楽しそうやなって、ただそれだけでお願いしました。みんな大丈夫? 楽しいですか?」「これからもWANIMAはみんなと、楽しい方楽しい方に、楽しいこと出来ていったらいいなって思うんで、よろしくお願いします!」とコメント。「Good Job!!」収録曲で最後に残された「ANSWER」が歌われると、終わりの時を予感したオーディエンスは切なくも満足気な一体感に包まれた。その後、「WANIMA!WANIMA!」「wow wow wow」「Hey!Ho!」と絶え間ないコール&レスポンスが繰り返された「いいから」で本編は幕を閉じた。
アンコールでは「リベンジ」を披露した後、客席から選ばれた一人のリクエストに応えることに。KO-SHINが選んだ男性がリクエスト曲を考えている間、前方から後方へ会場全体を巻き込んだウェーブが行われた。男性がリクエストした「エル」から、「ともに歌ってくれ!」とKENTAが叫び、「ともに」へと突入。大合唱とジャンプで会場全体が揺れる中、最後の「花火」では曲に合わせてステージ後方に特大の花火が打ち上がった。

最初から最後まで、弾ける笑顔と水しぶきに包まれた2時間。2019年7月15日の一日しか味わうことのできないWANIMAとS2Oとのコラボレーションは、梅雨明け直前の日本に一足早い夏を運んでくるかのようだった。

<セットリスト>

1.オドルヨル
2.OLE!!
3.渚の泡沫
4.昨日の歌
5.サブマリン
6.夏の面影
7.つづくもの
8.夏のどこかへ
9.1106
10.アゲイン
11.雨あがり
12.BIG UP
13.Hey Lady
14.ANCHOR
15.シグナル
16.ANSWER
17.いいから
en.リベンジ
en.エル
en.ともに
en.花火


WANIMA 公式サイト

WANIMAが“世界で最もずぶ濡れになる音楽フェス”とコラボして、一足早い夏をお届けはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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