モーニング娘。OG 田中れいなが主役
アン・シャーリーに初挑戦!『赤毛の
アン』東京公演会見レポート~全国8
都市を横断する、全公演全席無料のミ
ュージカル

2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』東京公演が2019年8月20日(火)、メルパルクホール東京で開幕した。初日ステージの開演前には、主役アン・シャーリー役の田中れいな、その親友ダイアナ・バリー役のさくらまやが会見を行った。
エステー株式会社が1998年より開催する「2万人の鼓動TOURSミュージカル」とは、「一人でも多くの方に気軽にミュージカルを見て、ミュージカルのよさを知っていただくために、日本全国で公演を実施(TOURS)すること」「全公演全席無料でご招待すること」「夢を持ち頑張っている子供たちを応援するため、全国でオーディションを実施すること」を理念としたミュージカルプロジェクトだ。キャスト、スタッフ、観客の総勢2万人が、熱い思いや舞台の楽しさを共有することで完成するミュージカルということから、「2万人の鼓動」というタイトルを揚げている。2019年で22年目を迎え、『赤毛のアン』は17年連続の上演となる。主人公アン役は、これまで山川恵里佳、華原朋美島谷ひとみ神田沙也加、高橋 愛、上白石萌音上白石萌歌美山加恋らが演じてきた。
今回のアン役に抜擢された田中は、2003年、モーニング娘。に6期メンバーとして加入し、2013年に卒業。その後、ガールズバンド 「LoVendoЯ(ラベンダー)」としての音楽活動の他、舞台活動としてミュージカル『ふしぎ遊戯』や舞台『信長の野望』等に多数出演。2018年からはソロとしてのライブ活動も開始している。一方、ダイアナ役のさくらは紅白歌合戦にも出場した演歌歌手でもある。レッスンや個人練習を積み重ねて、5年連続で『赤毛のアン』に出演している。
(左から)さくらまや・田中れいな
札幌・仙台公演を終えての感想を問われた田中が「初めてのアン役で、初日があけるまでドキドキしていたけれど、客席にはファミリー層が多く、今までの活動とは違う反応がもらえて楽しい。(さくら)まやちゃんとも仲良くなり、“アン”と“ダイアナ”として、ステージ上でもやりやすい」と話すと、さくらも「息ピッタリです。一緒に歌いやすい」と呼応。田中は「まやちゃんに寄り添っていきたくて、クセや息の吸い方を研究し、本番で合うようにしている」と、グループで活動してきた彼女なりの思いやりあふれるステージ術を明かした。「アンを演じる前よりも強い心になり、歌い方も、まだまだたくさんあると知った」と語る田中の表情は、あらゆることを好奇心を持って迎えるアンそのものだった。さくらも「楽屋が一緒で、戻るのが楽しい。(まだ2人で上演地域での観光にも行っていないので)一緒にご飯に行きたいです」と語り、舞台裏でも友情をはぐくんでいる姿がうかがえた。全国のオーディションで選ばれた若手は、アンが引き取られた家にちなんで“グリーン・ゲイブルズ”と呼ばれ、その地での公演で共演する。田中は「地域ごとに“グリーン・ゲイブルズ”のメンバーが変わるので、アイ・コンタクトして頑張りたい」、さくらは「絆の大切さを伝えたい」と、それぞれの意気込みを語った。
グリーン・ゲイブルズTOKYOと
会見を終え、いよいよ東京公演の幕が上がろうとする直前、スクリーンに稽古の様子が映し出された。全公演に参加する“全国アンサンブル”と各地の“グリーン・ゲイブルズ”は、7月に合宿稽古を行っている。稽古や寝食を共にしていくことで、プロの舞台に立つ力をつけ、心構えを学ぶのだ。過去のTOURSミュージカル出演者はその後に活躍の場を拡げる者も多く、若手ミュージカル俳優の登龍門的な作品として一目置かれている。中でも目をひいたのが、今回ミニー・メイ役に抜擢された宮原咲心(11歳)だ。2018年にミュージカル『アニー』のダンスキッズとして出演した際には、小柄な身体でバク転やバク宙を何連続も決めるパフォーマンスで話題をさらった宮原、今回も映像および本番で、その技と愛らしい笑顔を見せてくれた。ちなみに彼女の妹・宮原心音(9歳)も、グリーン・ゲイブルズHIROSHIMAのメンバーに選ばれている。
宮原咲心(中央)

プリンス・エドワード島の人々

少女アン(田中れいな)は孤児院で育ち、船に乗ってプリンス・エドワード島へやって来た。自分を引き取りに来てくれたマシュウ(越智則英)に屈託なく挨拶し、並木道を「よろこびの白い道」、ただの湖を「きらめきの湖」、りんごの木を「雪の女王様」とそれぞれ名付け、集会では自己紹介がわりに詩を暗唱する。アンを演じる田中の、心のままに演じる姿、くるくると変わりゆく表情から目が離せない。そんなアンに、マシュウも、妹のマリラ(旺 なつき)も、本当は男の子がほしかったことなど忘れ、アンのことが大好きになっていく。
詩を暗唱するアン
赤毛にコンプレックスを持つアンは、憧れの黒髪を持つ少女ダイアナ(さくらまや)と出会い、すぐに「心の友」の誓いを結ぶほど惹かれ合った。
「心の友」
学校や教会のピクニックでダイアナと楽しく過ごすアンだが、ダイアナとミニー・メイ(宮原咲心)を招いたお茶会での手違いからダイアナの母・バリー夫人(染谷妃波)を怒らせてしまう。母から「アンと話すな」と言われた手前、アンから話しかけられても逃げることしかできないダイアナ。だけどダイアナは意を決して、それは本意ではないことをアンに伝える。2人は改めて永遠の友情を誓い合い、「お互いだけに分かる合図」を作って、ひっそりと心の交流を続けていくのだった。
教会のピクニック
楽しいはずのお茶会が…
「永遠の友情」
「?(クエスチョン)に満ちた世界の答えを見つけるのが勉強だ」と教えてくれたフィリップス先生(縄田 晋)との別れ、ステイシー先生(吉田 ひかる)との出会いで見つけた「教師になる」という夢。アンは大切な人と別れることになっても、悲しみの次に待つ喜びを信じ、道を切り拓いていく。「赤毛の女の子は完璧には幸せになれない」と思い込んでいたアンが、古いものも新しいものも受け取って、生き抜く姿がたくましい。
TOURSミュージカル『赤毛のアン』は、2019年8月20日(火)・21日(水)にメルパルク東京ホール(東京都港区)にて上演。その後、さいたま市・名古屋市・大阪市・福岡市・広島市をまわる。公式HPの「TOURSノート」でも、各地の上演状況が随時報告される(札幌市・仙台市は公演終了)。
取材・文=ヨコウチ会長
写真提供=“2万人の鼓動 TOURSミュージカル「赤毛のアン」” PR事務局

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