山本亮太、伊礼彼方、青木豪が語る『
相対的浮世絵』の魅力 山本「32公演
1回1回を大事に」

劇団MONOの土田英生が戯曲を手掛けたコメディー『相対的浮世絵』が、新キャスト・新演出で9年振り、2019年10月25日(金)~11月17日(日)東京・下北沢本多劇場、2019年11月22日(金)~11月24日(日)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて上演される。ジャニーズJr.のユニット・宇宙Sixの山本亮太が主演し、青木豪が演出を手掛ける話題作だ。十数年振りに再会した兄弟と、彼らを取り巻く男たちには秘められた過去があって……。山本亮太(弟・達朗役)✕伊礼彼方(兄・智朗役)✕青木豪(演出)のクロストークをたっぷりとお届けする。
ーー本作は土田英生さんが代表を務める劇団MONOで2004年に初演され、G2さんのプロデュースで2010年に上演されています。3度目の上演を、どのように感じていますか?
山本:何度も上演ができるくらい魅力ある作品、ということだと思うので、プレッシャーがあります。しかも、少人数の舞台が初めてで、正直どういう感じになるのかまだ分からない部分も大きくて。今まではたくさんいた共演者の方々みなさんに頼って、どこか逃げていた部分もあったんですけど。今回は何事からも逃げられないな……と。
伊礼:逃さないですよ!
山本:よろしくお願いします! みなさんの期待に応えたいし、印象に残るような作品にしたいと思っています。
伊礼:まあ、今回3度目の上演と言っても、“僕は初演”なので、今のところ特別な思い入れはないですけどね。
(一同笑)
山本:なんて潔い! 確かにそうですね(笑)。
伊礼:青木豪さんが手掛けるって聞いた時に、やりたい! と思いました。僕も山本さんと一緒で、最近大規模な作品が続いていて。5人芝居、というところにも魅力を感じましたね。
青木:いや~、出演者5人のうち、二人(伊礼彼方と山西惇)が今年の読売演劇大賞の中間選考会で選ばれてるでしょ? 取り逃がしたらお前のせいだって言われそうで。
ひしひしとプレッシャーを感じているんです。だから、もう何も考えないでやろうかなって。伊礼君が言ったように、僕らは初めてだからっていうのはその通りで、この5人で楽しくやれれば、と思ってます。しかも、この戯曲は小手先の技は効かなさそうでしょ?
伊礼:そうですね。
青木:会話だけで、音楽も入らないかもしれない。役者の芝居だけでしか成立させられないホンだからね。
伊礼:上演時間はどれくらいになるんですか?
青木:休憩なしで、2時間くらいかな。
伊礼:じゃあ、事前にトイレに行っていただかないと。
山本:そうですね(笑)。
ーー改めて、戯曲を読んで感じた作品の魅力を教えてください。
青木:劇団のために書かれたんだなって。僕もかつて劇団をやっていたので、劇団の役者、空気感を愛して土田さんが書かれた、というのをすごく感じました。その愛をしっかり受け止めつつ、この5人で作らないといけないですね。作品のテーマも大事なんだけど、一見くだらないように感じるところに土田さんの愛情があるのかなと思うので、そこをしっかり立ち上げていきたいですね。
伊礼:たしかに、セリフの中に、これは一体なんだろう? って思うようなところがありましたね。「どすこいどすこい」とかあるでしょ?
山本:なかなか印象的ですよね。
青木:そういうところってお客さんも印象に残るからね。このセリフはなんだろう? って思うけど、大事な部分なんじゃないかな。そこがまた劇団MONOっぽいところだなって思うしね。
伊礼:ちなみに、登場人物たちの不思議な方言は何弁なんですか? 私のことを「わち」って言ったり、語尾が「~だで」だったりしますけど。
青木:MONO弁だって聞いたよ。土田さんが作った架空の方言なんだって。存在しない方言だから、自由に、イメージする通りにやってみてよ。
伊礼:イントネーションに正解がないのであれば、我々の世界観を作りやすそうですね。
山本:正解がないとは!
伊礼:個人的には、学生服が着られるのが楽しみです。長いこと着てないですし、衣裳では着たことがないので。
青木:学生の頃も着なかったの?
伊礼:着ている時間が短かったですね。学校より楽しいところがたくさんあったから(笑)。この年齢になると制服に憧れが出てくるもので。
山本:学生服だったり、聞いたことのない方言だったり、印象的なところがたくさんある作品ですよね。僕は戯曲を読んで、とにかく随所に笑いが散りばめられているな、と感じました。僕自身、少し前からコメディーをやってみたい、力を入れていきたいと思っていました。今回色々教えていただきたいです。
伊礼:僕はマネージャーに、シリアスな芝居がしたい! って言ったら、これがきたよ。
山本:え、そうなんですか!?
青木:コメディーだけど、テーマは重厚なところもあるから。特に伊礼君の役はシリアスだよ。
伊礼:じゃあ僕は作品のシリアス担当ってことで。
青木:さっきも言ったけど、演出家としてはやっぱり、もともと劇団のために書いた戯曲っていうのが一番難しいところなのかな、って思うよ。ツッチー(土田英生)の役はきっとツッチーが出るために書いた役でしょう? 作、演出で役者として出演する役って独特な佇まいで、不思議な空気感が出てくる。それを違うカンパニーでもう一回試そうとすると、多分同じようにはならない。今回は信頼している山西さんがその役を演じるから安心しているんだけど、ツッチーとは違う軸で動かさないといけないだろうなって考えてる。まあ、やってみないと分からないけどね。
伊礼:セットや演出はシンプルなスタイルの予定なんですか? 
青木:そうだね。ちょっと抽象的にしたいなとは思ってる。元のMONOバージョンのセットも抽象的でありつつ、生と死っていうテーマがすごく現れているものだったから。
すでに息ピッタリ! 山本と伊礼の兄弟像とは?
ーー青木さんから見た、お二人の印象を教えていただけますか?
青木:山本さんは初めましてなんだけど、すごく弟っぽいところがあるよね。
伊礼:(食い気味に)僕には弟感がないですか?
山本・青木:ハハハハハハハ。
山本:伊礼さんはお兄ちゃんぽいじゃないですか。
青木:そうだね、お兄ちゃん。
伊礼:分かりました(笑)。
青木:伊礼さんは、前に音楽劇『星の王子さま』(16年)でご一緒して。いつも割とカッコいい役が多いでしょう?
伊礼:多いですね。
青木:今回は情けない役なの。ミュージカルだとカッコいい佇まいをしていることが多いと思うんだけど、この舞台では自然体でカッコいい兄貴なんだけどほろっと情けないぞっていうところが出せたらいいかなって思っています。
山本:実は僕、ちょうど弟役がやりたいって思ってたんですよ! 私生活でも兄がいるんですけど、年齢が10ヶ月しか離れていないし、頼れる兄貴っていうタイプではないんですね。お兄ちゃん! って頼ることに憧れていて、ふと「お芝居でやればいいんだ! 弟役をやればいいじゃん!」って気付いて。なので、伊礼さんよろしくお願いします!
伊礼:こちらこそ! 僕も実際弟がいるんですけど7歳も離れているので、一緒に遊んだというよりは、面倒をみるお父さん的な役割の方が強かった。この劇中に登場するように年齢の近い弟から「兄貴!」って慕われることに憧れがあります。
ーー今日初対面の山本さんと伊礼さん。兄弟役同士の第一印象は?
山本:顔立ちがはっきりしているイケメンなお兄ちゃんです。
伊礼:いえそんな、今日は寝起きですよ(笑)。今日初めて会って、好青年だなって思いました。明るく「どうも! 山本です!」って挨拶してくれて。僕は何度かジャニーズ事務所の方と共演しているんですけど、皆さん好青年ですよね。みんながいい性格の持ち主で、心が明るい。僕も10代の時にジャニーズ事務所に入っておけば良かったって思うくらい。
青木:そうだね、僕も入っておけば良かった!(笑)
山本:ありがとうございます(笑)。
青木:山本さんは、人を明るくさせる素質を持っている人ですね。
伊礼:エンターテインメント性を持っているっていうのかな。笑顔も素敵だし。
山本:そんなに褒められると、色々とプレッシャーです……。
ーー山本さんは本作で、単独主演2作目ですね。音楽劇からストレートプレイまで活躍の幅が広がっていますが、学びや気付いたことはありますか?
山本:ここ1~2年はいろいろな舞台に出させてもらうようになって、役者さんたちがお芝居に命を懸けている姿を見て、自分自身の芝居に対する熱量が変わってきたなという自覚があります。昔は山本亮太一色で行けばいい! って思っていたのが、最近はいろいろな演出家さんの色に染まることが面白いなと感じるようになりました。いろいろな人とご一緒すると、幅広い意見が聞けて楽しいです。芝居がもっと好きになりました。
ーーこの公演期間中にはお誕生日を迎えますね。
山本:11月14日です。
青木:おめでとうございます!
山本:ありがとうございます。まだちょっと先ですけどね。30歳になります。
伊礼:それはおめでとうございます!
ーー主演という意識はいかがですか?
山本:正直、あまり主演という自覚がまだないんですけど。僕はお稽古中のコミュニケーションがうまくいけば、舞台もよくなるって思っています。自分が引っ張っていくというよりは、周りの方の意見を大事にしたいと思うタイプなので、みなさんと頑張っていきたいです。
伊礼:素敵ですね、コミュニケーションを取ることが大切ですよ。でも豪さんはね、コミュニケーション取らないんですよ。
山本:え!? そうなんですか? いきなり距離感が……。
伊礼:冗談です(笑)。ただ、本当に豪さんが稽古場で怖い時もあって。
山本:どういう時ですか?
伊礼:何度同じシーンの稽古をしても、うまくいかなかった時かな。
青木:あー(笑)。
伊礼:豪さんが求めるレベルに達していなかった時。以前ご一緒した時に、何度やってもできないシーンがあって。その時に豪さんの目元がピクって動いて、「あ、やばい!」って思いました。
山本:それは分かりやすい!
青木:あーー(笑)。
伊礼:豪さん、普段は超優しい人ですから。大丈夫ですよ。
ーー個性的な共演者の方々が集います。何かエピソードはありますか?
山本:今回、幅広い顔合わせですよね! 僕、お笑い芸人さんが好きで、特にNONSTYLEさんが大好きで、石田(明)さんと共演できるのがうれしいです。この舞台の出演が決まったと聞いた時、僕は仕事で名古屋にいたんです。その帰りの新幹線の同じ車両に偶然石田さんも乗ってたんです!
伊礼:それはすごいね!
山本:その時に初めてお会いしたんですけど、自分から声を掛けて、石田さんも僕のことを知ってくれていて。この舞台の話を少しだけしました。不思議な縁がありますね。
伊礼:いいなあ、そっちの方が兄弟エピソードっぽいな。ちょっとジェラシー!
青木:そんなに言うなら、もう山本さんが乗る新幹線を狙ったら?
伊礼:山本さんがどれに乗るか調べて(笑)。
山本:いやいやいや(笑)。
伊礼:僕もお笑いが好きだし、NONSTYLEさんが大好きですよ! 石田さんは芸人としてのツッコミキャラクターのイメージが強いけど、豪さんはそれをどう演出する予定なんですか? 
青木:ご本人のキャラクター云々というよりも、関係性と会話がしっかりしていれば、自然と役の人物になるかな、と思う。ホンがしっかりしたものだから、演じる役者に合わせて何かを変えるっていうことをやると、間違っちゃうはず。登場人物たちの関係性をしっかり作っていくつもりです。
ーー最後に意気込みをお願いします!
伊礼:僕は本多劇場に立つのが初めてで、実は下北沢の劇場に出演することも初めてなんですけど。
青木:いつもは“銀座の男”だもんね。
伊礼:はい(笑)。この期間は下北沢に染まりたいなと思います。
青木:おー! 染め上げてあげるよー! ところで下北沢の舞台を観たことはあるの?
伊礼:ザ・スズナリではあるんですけど、本多劇場はありません。昔、赤坂RED/THEATERに立たせてもらった時、お客様の呼吸やお腹の音が聞こえるくらい舞台と客席が近くて、非常にスリリングな経験だったんです。今回もそれに近いのかなって思うと、楽しみですね。久しぶりに歌わない伊礼彼方を観に来てください。
山本:32公演1回1回を大事にしたいし、どうせやるなら印象に残るものにしたい。たった5人しかいない舞台なので、それぞれのキャラクターを活かして、この5人で良かったって思っていただけるように作り上げたいです。ジャニーズ事務所の名に恥じぬよう頑張っていきます。みなさんにいろいろと教えていただきたいので、そのためにはまずは自分がしっかりやらなきゃ、と思っています。
青木:僕、演出家は役者さんが勝手にやり始めるようになったらいらなくなるって思ってるんです。
伊礼:いらなくなるって!(笑)
青木:舞台の初日には、子どもの卒業式を見ているような気分になるから。
山本:あー、なるほど。
青木:元のご本人とは全く別の人間になって良かったなって、いつもそれを楽しみにしてる。実際は初日よりちょっと前くらいかな。今回も無事卒業式を迎えられるといいなと思います。
取材・文=永瀬夏海

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