根本宗子×GANG PARADE×磯村勇斗の
ジュークボックス・ミュージカルが開
幕 『プレイハウス』ゲネプロレポー
ト
思っていることを口にすることが苦手で、自分の頭の中のリトルとしか本音を話せないミキ(ヤママチミキ)は、歌舞伎町のニュー風俗「プレイハウス」で働く風俗嬢。そこに、歌舞伎町ナンバーワンホストの聖夜(磯村勇斗)が来店し、ミキを指名する。閉店後、聖夜の部屋に呼ばれるミキだったが、聖夜はすぐに眠ってしまい、朝を迎える。聖夜に対して初めてのときめきを感じるミキだったが、それからも良い雰囲気になっても何もしてこない聖夜に不安が募る。そしてあるきっかけでそれは爆発して……というあらすじ。
ミキと聖夜のストーリーが主軸にはなっているが、GANG PARADEのメンバーが演じる風俗嬢たちのエピソードもふんだんに盛り込まれ(根本が得意な“宛て書き”のような箇所が散見される)、猫背椿、鳥越裕貴、富川一人、ブルー&スカイ、栗原類といった超個性派俳優たちのスパイスも効いた芝居に仕上がっている。根本は初日前の囲み取材で「(異色の組み合わせを)全然まとめようとしなかった」と言っていたが、確かに、いい意味でまとまりがなく、お祭り感溢れる舞台だった。
ただし、ライブパフォーマンスではないので、サイリウムやペンライト、LEDバンドなど光るものの使用は禁止、上演中のコールやおしゃべり禁止、写真・動画撮影禁止となっている。注意しよう。
PARCOプロデュース2019『プレイハウス』のゲネプロの様子
磯村勇斗は初ミュージカル出演・初主演。2017年のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』やテレビドラマ『きのう何食べた?』など数々の映像作品に出演し、今注目を集める俳優だが、すらっとした容姿が舞台で映え、「格好いいんだけど、イマイチ気持ちが読めない男」「格好いいんだけど、実はコンプレックスがある男」を見事に好演。磯村が歌って踊るシーンは少ないが、その吹っ切れた感じは清々しい。
PARCOプロデュース2019『プレイハウス』のゲネプロの様子
次に、囲み取材の様子を一部お伝えする。
磯村:今までお芝居はストレートプレイしか経験してこなかったので、今回ミュージカルということで、挑戦の舞台でもあるなという思いがあります。根本さんも仰っていましたが、見たことのないミュージカルになっているので、そこを含めて楽しんでいただきたいなと思います。ワクワクしています。
カミヤサキ(GANG PARADE):普段私たちはアイドルとして活動していて、音楽での表現を主にやっているんですけど、今回、お芝居と歌とダンスと、いろいろなことを表現できることが初めてでした。エンターテインメントというものを改めてたくさん考える機会になりました。
ヤママチミキ(GANG PARADE):私たちはアイドルとして活動してきて、今までやったことのないことを経験できるチャンスをいただけたことはすごくありがたいです。今後の活動に影響を与えるようなものを今回やらせていただけるので、今からすごく楽しみです。
PARCOプロデュース2019『プレイハウス』のゲネプロの様子
ユイ・ガ・ドクゾン(GANG PARADE):GANG PARADEとしては初めての舞台をさせていただけるということで、この数日間……十数日間……は日々生まれかわる……死んで生まれて、死んで生まれての繰り返してきまして、その集大成のものをみなさんにお届けすることが今から楽しみです。よろしくお願いします。
ユメノユア(GANG PARADE):舞台は初めてだったのですが、根本さんと素敵な俳優陣の皆さんのおかげで、とても楽しく、日々勉強させていただきました。劇場に初めて足を運ぶ人が多いかもしれないんですけど、私たちのファンの人にとっては、新たな、舞台というエンターテインメントを知ってもらえると思いますし、逆に、私たちを知らない人には、GANG PARADEや他の俳優陣の素敵な魅力が伝わったらいいなと思います。ぜひ楽しみにしてください。
キャン・GP・マイカ(GANG PARADE):私たちはGANG PARADEはアイドルとして活動しているんですけれども、今回は初ミュージカルということで、アイドルの枠を超えて、「アイドルってこんなにすごいんだ!」という、見てくれた方が度肝を抜かれるような、「ヤベェなコイツら!」と思ってもらえるようなものにしたいと思います。頑張ります。
PARCOプロデュース2019『プレイハウス』のゲネプロの様子
ヤママチ:私たちの楽曲を使ってミュージカルを作ってくださっているので、ライブとはまた違った感覚をお客さんに伝えることができると思います。また、今回、バンドさんが入ってくださっていて、そこでも全然違った音楽に聞こえると思います。振り付けも、普段は自分たちが考えているものを、今回は東京ゲゲゲイのMARIEさんに考えていただいているので、普段から私たちのライブに足を運んでくださっている「遊び人」の皆さんには、今まで見せたことのないような姿を見せられるミュージカルになっていると思うので、そこには注目して欲しいなと思います。
−−磯村さんにお尋ねします。映像作品と舞台作品は演じる上で何か違いはありましたか?
磯村:そうですね、俳優としては映像だろうが、舞台だろうが、特に壁はないと思っています。ただ表現の仕方は変わるのかなと今回稽古をして感じました。プレイハウスという大きな劇場、ミュージカルということも含め、お芝居のテイスト、動きみたいなものはどこか違うなというのはありましたね。でも、根本さんが結構心情を大切にしているので、気持ちという部分ではどちらも変わらずやっています。あまり僕は変わらないと思います。
−−ちなみに歌を磯村さんも歌われるそうですね。
磯村:そうですね。全部というわけではないですけど、一部歌わせていただくので、そこも楽しみにしていただけたらと思います。
−−今回初ミュージカルで苦労されたことや思い出があれば教えてください。
磯村:基本的には楽しかったですし、実験的な空気があったんですよ。GANG PARADEさんという女性アイドルの方々と一緒にお芝居をするという新しい部分も含めて。一番は僕が初ミュージカルで歌う、踊るということが初めてだったので、見せ方含め、どういう風にパフォーマンスしたらいいかというのは、芝居とはまた違ったので、また悩みましたね。
−−No.1ホスト役ということで、何か工夫した点は?
磯村:実際に歌舞伎町の有名なホストクラブに行って、実際のNo.1の方々にお会いして、いろいろとお話を聞いたりもしました。自分が演じる聖夜に近いバックボーンの人に出会えたりもしたので、その辺から吸収をして、カリスマホストという役を作っていきました。
根本:磯村さんは、ご本人が仰っていたように、映像と舞台をあまり住み分けしないで演じてくださるのが、すごく私は楽しくて。私は普段舞台ばかりなので、世間的にすごく勢いのある俳優さんと一緒にできるということが刺激になっています。芝居の思い切りがいい方なので、本作の魅力を助けてくださっている部分になっているなと思っています。
GANG PARADEは10人いて、本当に10人が仲がいいし、馬鹿みたいに体力がある(笑)。私は夏に舞台をやることがあまりないのですが、この暑さの中、この体力がいる舞台を、誰も倒れることなくこなして、初日を迎えてくれたというのは、彼女たちでないとできなかったと思います。体力と仲の良さが魅力です。元気なグループで、ますます大好きになりました。
−−かなり異色の組み合わせでミュージカルをやられるということで、まとめるのは大変だったかなと思うのですが、いかがでしたか。
根本:今回は全然まとめようとしなかったので、まとまっていないまま幕が上がるという(笑)。そこを狙って本を書いていたところもあります。客席で芝居を見るのが久々なので、楽しみです。
カミヤ:(体力があるのは)気持ちの問題もありますし、普段ライブが常にジャンプしている振りが多いので、仕事から得た賜物かなと思います(笑)。
ココ:確かにライブをやってついた体力が今回たくさん生かされているので、ちゃんとやってきてよかったかな。
カミヤ:100キロ走ってよかったです(笑)
カミヤ:私たちは音楽を届ける上で、誰か一人でも多くの人の心を動かしたいと思って表現させていただいているんですけど、それは舞台作品でも絶対変わらない大事なこと。一人でも多くの方の心を動かせるように、1公演1公演できたらいいなと思っていますし、ギャンパレの楽曲だったり、磯村さんや俳優陣の皆さんの熱量のあるお芝居、そして、根本さんが書いてくださったストーリー、本当にワクワクが詰まっている作品になっていると思いますので、楽しんでもらえるよう精一杯頑張ります。ぜひ見に来てください。
磯村:ここまで作り上げてきたものはしっかりあるので、それを初日から千秋楽まで、どの回も変わらず、同じ味をしっかりお客様に届けていけるよう頑張っていきます。今回はミュージカル、ライブといっていいぐらいの新しいジャンルになっていると思うので、夏休み最後の夏フェスにくるような感覚で遊びに来ていただけたらと思います。
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