ハンブレッダーズ『RUSH BALL 2019』
クイックレポート ーー純度100％のま
ばゆい青春ロックが第一日目を興奮の
うちに締めくくる

『RUSH BALL 2019』【ATMC】ハンブレッダーズ

今年の『RUSH BALL』初日をクローズするのは地元・大阪発のハンブレッダーズだ。ムツムロ（Vo&G）が「終わらない青春を歌いにきました！」と、ときの声を上げると、「DAY DREAM BEAT」から衝動を詰め込んだ打算なしの直球のロックで勝負をかける。

ハンブレッダーズ

疾走感と息つく間もなくまくし立てるボーカルが観客の手拍子をどんどん大きくし、耳なじみのいいサビで気分を高揚させると、勢いそのままでさらに人気の2曲へ。「弱者の為の騒音を」ではファンと目を合わせてお決まりのピースサインを投げ合い、髪を振り乱しての渾身のプレイ。「常識の範疇」では細かく刻むビートと早口のボーカルで観客を巻き込み、気分よくバウンドさせたうえ、恒例のコールもばっちり決まって痛快！　メンバーだけでなくファンの熱も伝わってくる楽しさにあふれるひと時だ。

ハンブレッダーズ

そして濁りのない眼差しを向けるオーディエンスに向け「好きなもの、好きな人、好きなこと。それが見つかった瞬間からが本当の意味での青春だと俺は思う！」（ムツムロ）と投げかけ、代表曲の「スクールマジシャンガール」からスパート。青春真っ只中の甘酸っぱいナンバーに、握りしめた手が次々に上がるのはもちろん、リップシンクする人も多数。かつての少年少女ももれなくスマイルになる。そして、ムツムロはバンドの歩んだこれまでの10年間を道に例え、「道ってどっかで分かれててどっちか行くと進めなくなるけど……」と困難があったことを話し、それでも前を向くために「悲しみがイントロダクションになるように音楽をやるしかない！」と決意表明。

また「その道が正解になりますように！」と観客への願いも込めて、締めくくりの「銀河高速」へ！　ピュアさ100％で綴るこの最新曲は、指差し歌うムツムロの熱も力も入った歌声や唸るギターにも彩られ、最後の最後にもう一度ファンの拳を力強く突き上げさせた。まぶしいほどのみずみずしさをたたえた４人のロックは、明日のRUSH BALL2日目へと見事にバトンをつないでくれたに違いない。

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取材・文＝服田昌子　撮影＝森好弘