米津玄師の最新・人気アルバムを徹底
解説!ハチも含む「BOOTLEG」、「YA
NKEE」など全6作品をご紹介

米津玄師のアルバム全4作品を最新リリ
ース順に解説

フォースアルバム 『BOOTLEG』

2017年11月1日にリリースされた4枚目のアルバム。今作だけでなく、現在までにリリースされている全てのアルバムのアートワークは漫画家を目指していた過去をもつ米津玄師本人によるもの。
海賊版の意味を持つ『BOOTLEG』という皮肉めいたアルバムタイトルには「独創的なものだけがオリジナルではない。人との繋がりや影響を受けたものなど色々なものを摂取してできた土台の上にあるオリジナルにこそ美しさが宿る」という米津玄師の創作に関する持論が込められています。
経験のなかったダンスを武器にMV撮影に挑んだ「ピースサイン 」、気になる人物であったという
とフィーチャリングした「灰色と青」やSNSの投稿をきっかけに生まれた
とのコラボ曲「fogbound」、
名義で発表した
とのフィーチャリング曲「砂の惑星」や
×
名義で発表した「打上花火」のセルフカバーなど、著名人との共同作品が多数収録されており、創作の全てを1人で行なっていたハチ時代からは想像もつかない米津玄師の個性豊かな表情が感じ取れるアルバムです。

サードアルバム 『Bremen』

2015年10月7日にリリースされた3枚目のアルバム。
が出演するニコンD5500 TV-CMソングに起用された「Flowerwall」やMIZUNO WAVE ENIGMA5 CMソングに起用された「アンビリーバーズ」などのタイアップ曲が収録されている他、MVには自身のイラストを使用し、繊細なタッチの絵とまっすぐな詞で別れの切なさを描いた「メトロノーム」などネットシーンから片足を出し、ライブやメディアタイアップなどを経たソロアーティスト
としての自由な表現が楽しめるアルバム。
「ハチが息をしていたニコニコ動画という限られた場所にある普遍性ではなく、現実世界にある広い意味の普遍性が宿る音楽を作ることだけに専念した」と話しており、音楽だけではなく、米津玄師の人生にも影響を与えた変化作です。

セカンドアルバム 『YANKEE』

2014年4月23日に米津玄師名義でリリースされた2枚目のアルバムであり、メジャーデビュー後に発表された初めてのアルバムです。
同年のiTunes年間ランキング「ベストアルバム」を受賞した本作品には、メジャーデビュー曲となった「サンタマリア」の他、東京メトロのCMソングに起用され、公開から4年経った現在の再生回数は2億回を超える「アイネクライネ」、たびたび題材にされる自身の辛い幼少期を肯定するかのように描いた「リビングデッド・ユース」など米津玄師の原点を彷彿させる作品となっています。
また、同アルバムには
名義で投稿した再生回数が3000万回超えのボーカロイド楽曲「ドーナツホール」の本人カバーバージョンも収録されている他、初めてのリリースライブも開催されるなどネットの中で息をしてきたハチと現実世界で生きる
との境目が徐々に薄くなり始めているのが感じ取れる作品です。

ファーストアルバム 『diorama』

2012年5月16日にリリースされた米津玄師名義での初アルバム。
「結局どうやってもわかりあえない。分かり合えてもすれ違いは必ずある」という当時の米津玄師の心境が赤裸々に吐露されている「vivi」や公開されてから早くも話題となったエキセントリックなナンバー「ゴーゴー幽霊船」などハチ時代の面影が濃く残る楽曲が多数収録されています。自身だけを信用していたという時代に生まれた孤高の作品で、独特の切なさがまだ色濃く残るアルバムです。
「空白感のある幼少期を経験したからこそ感じる人とのつながりを意識しながらも、そこにある人間間の希薄さを表現したアルバムである」と話す反面、後のインタビューでは本アルバム当時のことを「自分だけという狭い視点でのみ楽曲を作っていた」と優しく振り返っており、ハチと米津玄師の間を彷徨っていた時代だからこそ生まれた絶妙の作品と言えるでしょう。

ハチのアルバム全2作品を最新リリース
順に解説

セカンドアルバム 『OFFICIAL ORANGE』

2010年11月14日にリリースされ、米津玄師としてメジャーデビューした後の2013年10月23日にも再リリースされました。
ハチ時代からの人気曲であり、米津玄師の過去作品として2013年にアレンジしなおされたものがYouTubeに再アップされた「パンダヒーロー」や再生回数が2500万回を突破している「マトリョシカ」など不朽の名曲を始めとし、ボカロPらしい個性豊かな言葉表現と独特のサウンドを楽しめるアルバムです。
リリースから2年後の2012年より「
を隠れみのにしたくない」という想いからハチ名義ではなく米津玄師という本名での活動を開始。本アルバムはハチとしてリリースされた最後のアルバム作品です。

ファーストアルバム 『花束と水槽』

2010年2月7日にリリースされ、同じく2013年10月23日に再リリースされました。
労働社会の中に沈む心情を華やかな音で包み込む「clock lock works」や少年と少女が決死の覚悟である景色を見に行く物語を描いた「WORLD’S END UMBRELLA」などが収録されています。
なお紹介曲のMVは2010年に結成された映像製作所である南方研究所によるもの。同社は2017年に初音ミクとフィーチャリングした「砂の惑星」やファーストアルバムに収録されている「愛と病熱」などのMVを手がけており、ハチと米津玄師という2人のアーティストを語る上では外せない存在です。

米津玄師の人気曲トップ10

米津玄師のプロフィール

Profile 米津玄師 1991年生まれ。シンガーソングライター、イラストレーター、映像作家。 2009年より、”ハチ”名義でボカロPとしてニコニコ動画へオリジナル曲の投稿を開始。イラスト・映像など創作の全てを自身で手がけながら、2010年に2枚のアルバム『花束と水葬』『OFFICIAL ORANGE』をリリース。 ハチ名義でボカロシーンを席巻した後、2012年には本名の米津玄師としての活動を開始。2013年にシングル「サンタマリア」でユニバーサルシグマからメジャーデビューし、2016年よりソニー・ミュージックレコーズへ移籍。2018年最大のヒット曲「Lemon」で紅白歌合戦に初出場し、国民的アーティストの地位を確立。同曲の再生回数は公開から500日足らずで4億回を超えている。 その後も映画の主題歌や幼児向け番組の挿入歌、自身の楽曲を起用したCM出演など数々のタイアップのほ他、foorinや菅田将暉など他アーティストへの楽曲提供も行う。

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