L→R 薫(Gu)、Toshiya(Ba)、京(Vo)、Shinya(Dr)、Die(Gu)

L→R 薫(Gu)、Toshiya(Ba)、京(Vo)、Shinya(Dr)、Die(Gu)

【DIR EN GREY インタビュー】
広大なキャンバスに脈打つ5人の鼓動

クリックがなくても
“5人だけで表現できる音”を出したい

Dieさん自身は「The World of Mercy」を完成させて、次にイメージしている方向性というのはありますか?

アルバムというよりかは、ライヴ、ツアーをやっていく中で求めていたのが、単純にバンドのグルーブ感という部分で。これまで以上に既成の曲に縛られないもの、もっと躍動感があるものをバンドが求めているような気がしますね。クリックに合わせるのではなくて、走るならみんなで走って、みんなでモタったらいいじゃないかっていう(笑)。クリックに縛られてやっているとつまらなくなっていくんですよね。それを強く感じたのが、去年のヨーロッパツアーの英国公演で。Macが故障して同期ができなくなってしまったんですよ。急遽セットリストに、そのツアーで入ってない曲やその前の日本のツアーでもやっていなかった曲を引っ張り出してきたんですね。当然リハもしていないし、それらの曲用の機材も用意できていない状態だったけど、もうそれをやるしかなくて。本当にその場で決めた曲なので、まぁ下手くそでしたね(笑)。でも、そこでバンドを始めた頃の感覚を思い出したんですよ。下手なりに勢いはあって、一緒に突っ走って、モタって。だからこそ、ライヴを観る度に印象が違うし、ファン目線で言えば、毎回観る価値があると思うんです。ほんとそれが、クリックがなくても“これぞDIR EN GREYのサウンド”“5人だけで表現できる音”をやっていきたいと強く考えるようになったきっかけだったんですよね。たぶん、メンバー全員が心の中ではそんな想いを持っていたんじゃないかな。

以前も海外のフェスで同じような出来事がありましたよね。

ありました。ほんと海外のツアーはね、いろんなことを気付かせてくれるんですよ。だから、怖い(笑)。

ライヴではアレンジも変わるでしょうし、この「The World of Mercy」がどんな姿になるのか楽しみです。

それは俺たちも同じですよ。テンポ感って一緒にプレイしてみないと分からないから。

カップリングで収録されている「DOZING GREEN」のアコースティックバージョンは構成もアレンジもシンプルさが映えますね。

長尺の次にまた暑苦しいのに来られてもね(笑)。両極端でちょうどいいかなって。アコースティックでシンプルに。基本の尺は変えず、コード感を少しチェンジしたくらいですけど。一旦原曲のデータをPCに貼り付けて、そこに自分の好きなコード感をはめていった感じですね。

幾多ある過去曲の中でなぜこの曲だったのですか?

過去曲でアコースティックでやれそうな曲は結構すでにやっているんですよね。で、コードを変えて雰囲気を一変できそうな曲という縛りで選んでいったらこれかなと。比較的最近のツアーでやることもあったので、それほど過去曲という印象もないし、海外での受けもいい曲だし。

全員ひとつの部屋で弾いて、一発録りみたいな光景が浮かぶのですが。

いや、全員バラバラで録ってます(笑)。なので、披露するならがっちりリハやらないと。こういうのも普段からできる感じでありたいですよね。“ちょっと合わせてみようか”って。ギター1本、シールドとアンプがあればすぐにできるというスタイルでいたい。“そんなの古いよ”って言われちゃうかもしれないけど、常にパソコンがないと駄目というのは…ちょっとね。

1周回って新しいですよ、きっと。

ステージ上でアンプを鳴らすこと自体が少なくなってますもんね。ラインで直接PAに送ったりしてて。全ての音がイヤーモニターにCDのようないいバランスで入ってくるから、キャビネットの大音量を体感することなんてまずないし。でも、自分のギターの音圧で気分が乗ってくることもあるし、そうありたいですよね。

もう1曲のカップリング曲は「GRIEF」のライヴバージョンですね。

これこそバンド感が出てますね。もう古い曲だし、ツアーでもたくさんやってきているから身体に馴染んでいるっていうのもあるし。

確かに。そして、今後の予定としては9月から11月までは国内ツアーですが、そのあとには海外ツアーが控えていて。結構先まで続きますね。

終わるのは来年の2月ですよ。これだけ長いとひと筋縄ではいかないだろうし、バンドにとっての試練もいろいろ出てくると思うので、そこを乗り越えることでメンバーそれぞれのマインドに刺激があるだろうから、それが次の音に反映されることを自分たち自身でも期待しています。

ちょっと早いかもですが、来年2020年の活動について何か決まっていることは?

来年についてはすでにいろいろとプランニングしてあるんで、楽しみにしておいてください。

取材:金澤隆志

シングル「The World of Mercy」2019年9月18日発売 FIREWALL DIV.
    • 【完全生産限定盤】
    • ■Blu-ray付
    • SFCD-0241~2
    • ¥5,500(税別)
    • ■DVD付
    • SFCD-0243~4
    • ¥4,500(税別)
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • SFCD-0245~6
    • ¥1,800(税別)
    • 【通常盤】
    • SFCD-0247
    • ¥1,200(税別)

ライヴ情報

『DIR EN GREY TOUR19 This Way to Self-Destruction』
9/15(日) 京都・KBSホール-「a knot」only-
9/16(月) 京都・KBSホール -「a knot」 & ONLINE only-
9/19(木) 兵庫・Harbor Studio
9/20(金) 兵庫・Harbor Studio
9/22(日) 香川・festhalle
9/23(月) 香川・festhalle
9/28(土) 北海道・小樽GOLDSTONE
9/29(日) 北海道・小樽GOLDSTONE
10/05(土) 千葉・市原市市民会館・大ホール-「a knot」only-
10/09(水) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
10/11(金) 石川・金沢市文化ホール 
10/16(水) 福岡・Zepp Fukuoka
10/19(土) 沖縄・ミュージックタウン音市場
10/20(日) 沖縄・ミュージックタウン音市場
10/27(日) 岩手・盛岡市民文化ホール
11/05(火) 大阪・なんばHatch
11/06(水) 大阪・なんばHatch
11/13(水) 愛知・Zepp Nagoya
11/15(金) 三重・NTNシティホール(桑名市民会館)
11/19(火) 東京・新木場STUDIO COAST
11/20(水) 東京・新木場STUDIO COAST

『TOUR19 This Way to Self-Destruction』
12/05(木) The Regent Theater -Los Angeles, CA / USA-
12/06(金) Ace of Spades -Sacramento, CA / USA-
12/08(日) Marquis Theater -Denver, CO / USA-
12/10(火) House of Blues -Chicago, IL / USA-
12/11(水) House of Blues -Cleveland, OH / USA-
12/13(金) The Gramercy Theatre -New York, NY / USA- ※SOLD OUT
12/16(月) House of Blues -Dallas, TX / USA-
12/17(火) House of Blues -Houston, TX / USA-
12/19(木) EL PLAZA CONDESA -Mexico City,MX / MEXICO-

『TOUR20 This Way to Self-Destruction』
1/25(土) Glavclub -Moscow / Russia-
1/26(日) Aurora Club -St. Petersburg / Russia-
1/28(火) The Circus -Helsinki / Finland-
1/29(水) Technikum -Munich / Germany-
1/31(金) FZW -Dortmund / Germany-
2/01(土) Astra Kulturhaus -Berlin / Germany-
2/03(月) Concert Center A2 -Wrocław / Poland-
2/05(水) Islington Assembly Hall -London / UK-
2/07(金) Le Rocher de Palmer -Bordeaux / France-
2/08(土) Elysée Montmartre -Paris / France-

DIR EN GREY プロフィール

ディル・アン・グレイ:カテゴライズ不能かつ不要なロックバンド。1997年の結成当時から全米デビューを果たした現在に至るまでの間、音楽的にも視覚的にも変化を重ねてきた一方で、徹底的に自分たちのロックを追求しようとする姿勢は変わっていない。いくつものトレンドが生まれては消え、消費されるだけの音楽が存在理由を失っていく中、彼らの創造するものがジャンルや国境の壁を超えながら共鳴を集めている理由は、まさにそこにある。DIR EN GREY オフィシャルHP

「The World of Mercy」MV
(Promotion Edit Ver.)

シングル「The World of Mercy」
60sec Teaser (CLIP)

シングル「The World of Mercy」
特典映像 Trailer

OKMusic編集部

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