緑黄色社会、初の映画主題歌「想い人
」世代を超えて届く新たな代表曲の誕

緑黄色社会が新曲「想い人」をリリースした。「誰かを愛しく、守りたい」という気持ちを込めた力強いバラードは、バンド史上初の映画主題歌であると同時に、これまで以上に歌の力が響き渡る一曲になっている。この「想い人」を中心に、映画『初恋ロスタイム』の世界観とリンクするMV撮影の裏側、夏フェスの思い出など、最近のリョクシャカについてメンバー全員にたっぷり語ってもらった。

映画に寄り添いながら、寄り添いすぎな
いことも意識した

――「想い人」は映画『初恋ロスタイム』の主題歌となっています。緑黄色社会としてははじめての映画主題歌ですね。

長屋晴子 : オファーをいただいた時は、純粋にまずうれしかったです。はじめてって1回だけしかないので、絶対に良い機会にしないとと思っていました。

映画も一足先に見させてもらったんですが、すごく良いタイミングで流れるんですよ。今までお客さんとしてたくさん映画館に足を運んできたけど、自分たちの曲が流れてくるのは、うれしいような少し気恥ずかしいような、なんとも言えない体験でしたね。

peppe : 主題歌を聞きながら「これ誰の曲なんだろう?」って考えるのって楽しいじゃないですか。それで自分たちのバンドの名前が出てくるっていうのは鳥肌でした。

穴見真吾 : 映画館って、無条件に音楽を爆音で聞いてもらえる場所でもあるんですよね。テレビと違って途中でチャンネルを変えることもできないし、「自分たちの曲を思いっきり聞いてもらえるぞ!」って、ワクワクします。
――たしかに、映画館は音響設備も整っているし、音楽をじっくり聞いてもらうには最高の場所ですよね。楽曲の制作にはどんな風に取り組んだのでしょう?

小林壱誓 : 以前から「想い人」をテーマに曲を書きたいと考えていたんです。実は、前に僕の友人のお父さんが余命宣告を受けたんですけど、僕はたまたま近くでそれを知ることになって。その時のやり場のない気持ちを、曲にぶつけたいと考えていました。

そんな時にちょうど『初恋ロスタイム』の主題歌という話をもらって、映画を見させてもらった時、二つがぴったりはまるような気がしたんです。映画の資料を読み込みながら曲を膨らませていったんですが、音楽が湧き出てくるようにすらすらと書くことができましたね。

長屋 : タイトルの「想い人」は、壱誓の仮タイトルで使われていたんです。素敵な言葉だから、ここからも広げていこうと思って歌詞を書いていきました。映画を見て感じたのは、「思い合う気持ちを伝えたい」ということ。映画のメッセージや、壱誓の思いを自分なりに噛み砕いて、最終的には母への気持ちを歌詞に込めました。

――映画の書き下ろしだけど、色々なところからたくさんインスピレーションを受けて制作していったんですね。

長屋 : 作品に寄り添うことも大切だけど、寄り添いすぎない方が良いと思ったんです。そのほうが見た人が想像力を働かせられるんじゃないかと思って、あえて大きなテーマを歌いました。

でも、20代も半ばになった今だからこそ歌える内容になったと思っています。お母さんが私を育てている間は、楽しいことだけじゃなくて苦労やつらいこともたくさんあったはず。まだ私は誰かの親にはなっていないけど、大人になって当時の親の気持ちがわかるようになってきました。今はその受け取ったものを返していきたいという気持ちなんです。それが「想い人」の歌詞になっています。

愛されながら愛していく もらった愛の分だけ 守っていこう 返していこう

小林 : 僕も、高校生の時にこの曲が作れていたとは思わないかな。さっき話したできごとや、たくさんのことを経験する中で、誰かを思う気持ちや、大切な人に何もしてあげられないつらさを曲にできた。色々な巡り合わせを経て、今だから書けた曲だと思います。

最初に聞いたときに「これはいけるな!
」と思った

――穴見さん、peppeさんはどんな気持ちで制作に取り組んだのでしょう?

穴見 : まず、緑黄色社会は全員が曲を作るんですけど、peppeと俺が書いた曲は「楽器を演奏する人の曲」で、長屋と壱誓の曲は「歌を歌う人の曲」だなと思います。今回はその二人が作ったから、歌がド直球に迫ってくる曲になっていると思う。それと、壱誓の熱い人間性が出ているなって。

小林 : (笑)。そうなのかな。

穴見 : うん。俺はそう思った。

peppe : 私も真吾と同じで、強くて素敵な曲だなって思いました。最初に聞いたときに、「これはいけるな!」って。今までの緑黄色社会の曲の中で、一番幅広い世代の人に届く自信があったので、出せてうれしいです。

――「親との関係」は普遍的なテーマだから、確かに世代を問わず聞けそうです。MVの撮影はいかがでしたか? 映画の世界観ともリンクしたような、「時が止まった世界」をモチーフに、デジタルとフィルムの2つのカメラを使った作品ですが。

小林 : メンバーの動きが止まっているシーンがたくさんあるじゃないですか。あれ、本当にその場で静止しているんですよ。それをもとに、後からちょっと魔法をかけてもらっているんです(笑)。

長屋 : 私は歌いながら動いていたけど、みんなは大変そうだったよね。

穴見 : 壱誓のお尻がつらそうだったね。

小林 : そうそう、他のメンバーは安定した体制だったり、やわらかいクッションがあったりしたんだけど、僕だけ高さのある固い椅子だったんですよ。さらに足を組んでいたので、お尻のある一点に体重がかかった状態が何時間も続きまして……。

長屋 : スタッフさんにお尻のマッサージしてもらってたもんね(笑)。

小林 : 本当にきつかったです(笑)。途中で限界を迎えてからは、小さなクッションを入れてもらったんですけどね。

「昔の私たちに自慢したい」日々だった
、2019年の夏フェス

――今年は夏フェスにもたくさん出演していました。去年よりも出演した数も増え、ステージも大きくなったと思いますが、皆さんどんな思い出がありますか?

peppe : 必ずしも私たちのことをよく知っているわけじゃないお客さんの前で、こんなに短期間にたくさんライブをするのは夏フェスくらい。色々な方に緑黄色社会の音楽を聞いてもらえたと思うし、素晴らしい機会になったなって思います。

穴見 : 俺はフェス飯を食い過ぎましたね。

peppe : あはは! 間違いない(笑)。

穴見 : おかげで丸くなった気がして、最近はずっとグルテンフリー生活です(笑)。

長屋 : 真吾はサマソニのレッチリのライブで相当盛り上がってたよね。レッチリのフリーは真吾のベースヒーローなんです。最初は一緒に見ていたんだけど、気づいたらステージの前方めがけて走り去ってて……(笑)。少年のようでしたね。

小林 : 今年は7カ所出演させてもらったんですけど、ゆずさんとかスキマスイッチさんとか、BUMP OF CHICKENさんとか……僕たちが小さな頃から聞いているミュージシャンの方とも同じフェスに出られて、すごくうれしかったです。

印象に残っているのは、僕たちがリハをやっている時に、近くのステージでスキマスイッチさんがライブしていたんですね。やっぱり、「奏」のイントロが聞こえると、みんなが思わずそっちを見ちゃうんですよ。「全力少年」が聞こえてきた時なんか、リハ中の僕らもノッちゃったりして(笑)。国民的なアーティストの曲のすごさを感じると同時に、僕たちもそんなアーティストになりたいなって悔しさや、尊敬の気持ちが湧いてきましたね。

長屋 : 今年の夏フェスは一言で言うと「昔の私たちに自慢したいフェス」でした。それこそ、BUMP OF CHICKENさんやレッチリのような、バンドをはじめた頃から好きだったアーティストと同じフェスに出ることができて。あの頃の私たちが憧れていた瞬間がたくさんありました。夢を見させてもらった夏だったので、ここで終わらずに、もっともっと突き進んでいきたいです。

秋のツアーはバンドの未来を想像しても
らえるライブに

――夏フェス後の熱いテンションと、新曲「想い人」をひっさげて、11月からはツアー「リョクシャ化計画2019」もはじまりますね。

長屋 : 去年も夏フェスのあとからツアーがあって、そこで得た刺激を生かせたなと思うんです。今年もみんなが吸収したものを放出するライブにしたいですね。

peppe : セットリストを考えるのが今からすごく楽しみなんです。緑黄色社会はこれまでポップでアップテンポな曲が多いイメージだったかもしれないんですけど、「想い人」や、5月にリリースした「幸せ」という曲はどちらもバラードで、これまでにない一面を知ってもらえていると想います。曲のバリエーションが豊かになったから、それをどう披露しようか、すごくワクワクします。

小林 : 「リョクシャ化計画」って2018年から開催しているんですけど、このツアーで僕たちは全国を「リョクシャ化」しているんですよ。今はまだその途中だから、来てくれる人に「このバンドはこれからどうなっていくんだろう」「もっとでかいステージのほうが似合うはずだ!」って、未来を想像してもらえるライブにしたいと考えています。

穴見 : 「リョクシャ化」の一環として、自分たちがまだやったことのないことにも挑戦して、ライブに磨きをかけたいですね。僕らだけの個性を使って、自分たちなりのエンタメを突き詰めていきたいです。

長屋 : 公演数も過去最多だし、ホール会場でワンマンライブをするのもはじめてだしね。ホールでは「想い人」も映えると思うし、印象に残るライブにしたいです。

――「想い人」ではじめて緑黄色社会を知って、そこからファンになる人もたくさんいると思います。そんなこれから「リョクシャ化」される人たちにメッセージをお願いします。

長屋 : 「想い人」は、みんながそれぞれに大切に思う人のことを考えながら聞いて、何かを感じてもらえたら幸せです。これからライブに来てくれる人に伝えたいのは、「私たちは受け入れ体制万全だから、いつでもおいで」っていうこと。私たちは緑黄色社会がはじめて組んだバンドだし、今のこのバンドとしての成長もはじめてのことばかりです。だからファンの皆さんのことも、一緒にはじめてのことを経験している仲間だと思っているんですね。もしかしたら「私がライブに行って良いのかな」って思っている人もいるかもしれないけど、ありのまま飛び込んできてほしい。みんなで一緒に歩んで行けたらいいなって思っています。

〈リリース情報〉

「想い人」ダウンロード・ストリーミングはこちら
https://erj.lnk.to/9X4oQAW


緑黄色社会公式HP
http://www.ryokushaka.com/

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長屋晴子Twitter
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小林壱誓Twitter
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穴見真吾Twitter
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緑黄色社会、初の映画主題歌「想い人」世代を超えて届く新たな代表曲の誕生はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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