【G-FREAK FACTORY・山人音楽祭 201
9】満を持して登場した山人の盟主 
会場全体で鳴らし歌ったライブで初日
を締めくくり

山人音楽祭 2019【赤城ステージ】 G-FREAK FACTORY
『山人音楽祭2019』初日、あっという間にトリの時間がやってきた。G-FREAK FACTORYの登場である。SEが鳴り、照明がつくと、そこには既にメンバーの姿があった。しかし、観客の驚きの声はそのことに対してではない。6~7人からなる和太鼓隊がバンドの後ろに控えていたのだ。重厚なリズム隊との演奏はまるで和製セパルトゥラと言ってしまいたくなるぐらいの迫力で、かなりグルーヴィ。演奏のテンションがぐっと高まったところで登場したのは茂木洋晃(Vo)。そして、力強いロングトーン一閃、次の曲「日はまだ高く」へ。間奏では「群馬を楽しんでってくれ!」と挨拶し、“Say ho!”のコールアンドレスポンスを交わす。いや~、それにしてもすごい盛り上がりだ。フロアの前から後ろまでポンポン人が跳ねる光景は圧巻。
G-FREAK FACTORY
ピースなノリから一転、「Unscramble」では、テンポを上げてフロアを煽動。そして、「そこに愛さえあれば大丈夫だ、そうだろ? 山人!」と茂木が呼びかけたメロディアスでストレートなロックチューン「らしくあれと」までの4曲で、G-FREAK FACTORYのなんたるかを明確に示したと言える。MCで茂木が「今年はどうだった?」と問いかけると、温かい拍手が返ってくる。「まだまだイケるよ、山人」と茂木は静かに自信を見せた。
G-FREAK FACTORY
G-FREAKの歌には郷愁を刺激するようなところがあるが、それは新曲「Fire」も同様だ。レゲエからの影響が濃いバンドとはいえ、彼らの歌はいい意味で日本くさい。80年代あたりのロックを感じさせるのだ。イントロが鳴った瞬間歓声が上がったのは「Too oLD To KNoW」。茂木はフロアへと歩み寄り、客の上に立ち、サビのシンガロングを求める。その瞬間、会場全体がひとつになった。この感じ、なんて表現したらいいんだろう。ユニティ……っていうのもちょっと違うし……。すると、曲終わりで茂木が見事に表現してくれた。「お前ら、ライブ観に来たんじゃなくて、(ライブを)しにきたんだな」まさにそれだ。
G-FREAK FACTORY
エンディングが近づいていた。茂木の喋りはフリースタイルのラップ、いやポエトリー・リーディングへと移っていく。そして、人々のぬくもりを感じたまま、茂木が歌い始めるは「ダディ・ダーリン」。BRAHMANのTOSHI-LOWを筆頭に、多くのボーカリストが人の頭上で歌うが、茂木の場合はちょっと趣が異なる感じがする。人とつながりにいってる意識が他のボーカリストよりも強そうというか――実際、最後まで歌い終えると、周辺にいた人々と握手を交わし、茂木はゆっくりと歩きながらステージ袖へとはけていくのだった。
G-FREAK FACTORY
このまま締めても十分いいエンディングだったが、やっぱりもっと聴きたい。フロアもスタンドもスマホのライトを掲げて4人の登場を待つ。そして、4人は再びステージに現れ、「GOOD OLD SHINY DAYS」と「EVEN」を披露した。「今年の山人は1DAYでいいんじゃないか」という意見が身内からも外部からもあったという。しかし、今年も2DAYSに踏み切った。茂木はそれを「地元の挑戦」だと言った。だとしたら、その挑戦の半分は成功したんじゃないか。“ローカルバンド史上最高傑作G-FREAK FACTORY”の意地が実を結んだんだ。

文=阿刀“DA”大志 撮影=HayachiN
G-FREAK FACTORY

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